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映画「ハッピーアワー」感想

人に誘われ映画「ハッピーアワー」を5人くらいで観に行った。 3部冒頭の、朗読会の後のトークショウで朗読者の女性小説家とトークするはずだった男がバ(ネタバレあり感想です)ックれたため急遽客として来ていた生物学者(イベンターの知り合い)が登壇することになりトークを始める部分で、自分はあまりのいたたまれなさに膝をかかえこれみよがしに破顔するしかなくなってしまい、隣で観ていた人から「笑いのツボがおかしい」と後で言われたが、「人がいたたまれない気持ちになるシーンを見ていたたまれなくな

    • ミステリ読書歴 2017年9月

      翼ある闇 麻耶雄嵩 キングを探せ 法月綸太郎 ジェシカが駆け抜けた七年間について 歌野晶午 神様ゲーム 麻耶雄嵩 ダレカガナカニイル… 井上夢人 体育館の殺人 青崎有吾 タイムリープあしたはきのう 高畑京一郎 バービーはなぜ殺される ジョン ヴァーリイ 午前零時のサンドリヨン 相沢沙呼 「翼ある闇」読書中は「今まで読んだ大手出版の本の中でいちばん文章が下手かも」と思いながら頑張って読んでいたが、終盤の真相はかなり笑っ、そう、かなり良かった。「麻耶雄嵩いける人だ自分は」と思っ

      • ミステリ読書歴 2017年8月

        ある閉ざされた雪の山荘で 東野圭吾 Jの神話 乾くるみ 厭魅の如き憑くもの 三津田信三 首無の如き祟るもの 三津田信三 殊能将之未発表短編集 殊能将之 扉は閉ざされたまま 石持浅海 キマイラの新しい城 殊能将之 シャドウ 道尾秀介 耳をふさいで夜を走る 石持浅海 匣の中 乾くるみ 「ある閉ざされた雪の山荘で」コンセプトが面白かった。 「Jの神話」かなり笑った。こういうのをもっと読みたいのだが、たまにでもいい気がする。というかこの作品以外に「この作品っぽい作品」って何がある

        • ミステリ読書歴 2017年7月

          獄門島 横溝正史 匣の中の失楽 竹本健治 こどもの王様 殊能将之 二銭銅貨 江戸川乱歩 心理試験 江戸川乱歩 嫉妬事件 乾くるみ 鏡の中は日曜日 殊能将之 森の中の小さな密室 小林泰三 頼子のために 法月綸太郎 2017年7月に読んだもの。 (今まではX冊め〜Y冊めと題して記事を書いていたが、読書メモを整理したら他に読んでいたミステリがあってナンバリングがずれたり、「心理試験」「二銭銅貨」は青空文庫で読んだので1冊2冊という数え方がもはや無意味ではと思ったり、などの理由でや

        映画「ハッピーアワー」感想

          ミステリ読書歴 61〜70冊め

          遠海事件 詠坂雄二 セカンド・ラブ 乾くるみ 美濃牛 殊能将之 黒い仏 殊能将之 消失! 中西智明 誰のための綾織 飛鳥部勝則 犯罪 フェルディナント・フォン・シーラッハ 電気人間の虞 詠坂雄二 塔の断章 乾くるみ クラリネット症候群 乾くるみ 2017年6月〜7月あたりの読書。梅雨時であり気温も不安定なため毎年あまり調子がよくないのだが、それが読書にもあらわれ、途中で読むのを放棄したりしがちだった。天気のせいにするのと本のせいにするのとではどっちが不遜な態度だろうか 「

          ミステリ読書歴 61〜70冊め

          ミステリ読書歴 51〜60冊め

          アリス殺し 小林泰三 スタイルズ荘の怪事件 アガサ・クリスティ 失われた過去と未来の犯罪 小林泰三 クララ殺し 小林泰三 リピート 乾くるみ 完全・犯罪 小林泰三 記憶破断者 小林泰三 安楽探偵 小林泰三 スリープ 乾くるみ 毒入りチョコレート事件 アントニイ・バークリー 2017年4月〜5月に読んだミステリ。 「アリス殺し」がよかったのは、行きの電車と昼休みと帰りの電車で読むだけで2日くらいで読めたというところだ。それまで読書はスキマ読みだと一週間、がっつり読んでも2日

          ミステリ読書歴 51〜60冊め

          ミステリ読書歴 41〜50冊め

          [映]アムリタ 野崎まど 螢 麻耶雄嵩 さよなら神様 麻耶雄嵩 狂人の部屋 ポール・アルテ 第四の扉 ポール・アルテ ターミナル・エクスペリメント ロバート・J・ソウヤー 高校入試-シナリオ- 湊かなえ 犯罪の重 重箱のカド 一の悲劇 法月綸太郎 異邦の騎士 島田荘司 2016年〜2017年1月に読んだ本。2017年4月に読んだ51冊目の「アリス殺し」から第二次ミステリブームが始まったと定義しているので、50冊めのここまでがちょうど一区切りと言える。 「[映]アムリタ」は

          ミステリ読書歴 41〜50冊め

          ミステリ読書歴 31〜40冊め

          グリーン家殺人事件 ヴァン・ダイン 人形はなぜ殺される 高木彬光 イニシエーション・ラブ 乾くるみ ゲーム殺人事件 竹本健治 イリーガル・エイリアン ロバート・J・ソウヤー Yの悲劇 エラリー・クイーン 長い腕 川崎草志 恋愛小説集 アーカイブ騎士団 しらみつぶしの時計 法月綸太郎 ユートピア小説集 アーカイブ騎士団 2013年から2015年の3年間に読んだものは上記10冊のみ。 ミステリマイブームが過ぎたものの、たまに「十角館」のようなサプライズを味わいたいと思い、ちょ

          ミステリ読書歴 31〜40冊め

          ミステリ読書歴 21〜30冊め

          人格転移の殺人 西澤保彦 どんどん橋、おちた 綾辻行人 生ける屍の死 山口雅也 哲学者の密室 笠井潔 虚無への供物 中井英夫 ロボット小説集 アーカイブ騎士団 独白するユニバーサル横メルカトル 平山夢明 ダブル/ダブル (白水Uブックス) 短編集 モレルの発明 アドルフォ・ビオイ・カサーレス 法月綸太郎の功績 法月綸太郎 大学四年生のときに来たミステリブームは「虚無への供物」を読んだところで終わり、次の「ロボット小説集」まで2年空いている。 11~20冊めで面白かった西

          ミステリ読書歴 21〜30冊め

          ミステリ読書歴 11〜20冊め

          すべてがFになる 森博嗣 十角館の殺人 綾辻行人 七回死んだ男 西澤保彦 密閉教室 法月綸太郎 倒錯のロンド 折原一 殺戮にいたる病 我孫子武丸 魍魎の匣 京極夏彦 ハサミ男 殊能将之 斜め屋敷の犯罪 島田荘司 殺人鬼 綾辻行人 11〜19冊めは、大学4年の頃に第一次ミステリブームが来て、ブックオフで超有名作品を買ってきましたよ、というラインナップ(読んだ順番は覚えていないので適当に並んでいる)。20冊めは、十角館が非常に良かったので綾辻作品をおかわりしたものと思われる。こ

          ミステリ読書歴 11〜20冊め

          ミステリ読書歴 6〜10冊め

          読んだ順に 重力ピエロ 伊坂幸太郎 容疑者Xの献身 東野圭吾 春期限定いちごタルト事件 米澤穂信 ZOO 乙一 奇偶 山口雅也 浪人〜大学2年あたりに読んだもの。このエリアはミステリの枠を越えた話題作が並んでいるといった印象だ(最初の二冊だけ?)。それにしても奇偶が浮いている。 奇偶は大学の授業で先生が紹介していて、興味を持って買って読んだ。 今から考えてみると、ミステリをもう少したくさん読破した状態で読んだ方が楽しめたかなと思う。上下巻あってかなりボリューミーなのにも

          ミステリ読書歴 6〜10冊め

          ミステリ読書歴1〜5冊め その2

          1〜5冊めを再掲する。 テロリストのパラソル 藤原伊織 殺人交叉点 フレッド・カサック 迷路館の殺人 綾辻行人 葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午 時計館の殺人 綾辻行人 4冊めの「葉桜」も「殺人交叉点」と同じく姉の推薦図書であった。なぜ(ネタバレになるかもだけど「これは書いてもいい」と判断したので書いていきますが)叙述トリックばかり薦めてくるのかわからないが、「すごかったので読んで」というより「反応が気になる」みたいな感じだったのではないかと思う。もしかしたら他に

          ミステリ読書歴1〜5冊め その2

          ミステリ読書歴1〜5冊め その1

          2017年8月から読書メモをつけ始めたが、9月あたりから興が乗って、今まで読んだ本を思い出しただけ全部書き出していくことにした。そのうちミステリだけ抜き出して、読んだ順に5冊挙げたのが以下。 テロリストのパラソル 藤原伊織 殺人交叉点 フレッド・カサック 迷路館の殺人 綾辻行人 葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午 時計館の殺人 綾辻行人 この5冊ですでに2004年になっており、高校を卒業している。それまでの人生何をやっていたんだろう。 「テロリストのパラソル」は家

          ミステリ読書歴1〜5冊め その1

          乾くるみと早坂吝

          覚えていてもしょうがないのだが、昼休みにミステリをどの店のどの席で読んだのか、なぜか覚えていることが多い。乾くるみ「塔の断章」はケンタッキーで読んだ。 「塔の断章」は面白くて、読んでない人にはおすすめしたい気持ちもあるが、それほどおすすめでもないという気持ちもある。というかミステリは、だいたい「手放しで万人におすすめ」みたいなものはほとんどないような気もする。 塔の断章は感動したとか驚いたとかいう情動の度合いはそんなに高くなくて、読み終わったあと「あ〜〜いいですね好きです

          乾くるみと早坂吝

          ミステリと2017年

          2017年の4月、初の子どもが生まれるか生まれないかという時期からミステリを読むのが趣味になった。人が生まれるので、バランスをとって人が死ぬ話を読んでおかねばという使命感にかられてミステリを読みはじめたわけではない。明確な理由があるわけではないが、経緯はだいたいこんな感じである↓ 家事が増え、自由時間が通勤時間と昼休みにほぼ限定された ⇒その時間はスマホでゲームをやっていたが、時間の有限性におののき、もう少し良い時間の使い方をしたいとつねづね思っていた ⇒しかし通勤中や昼休

          ミステリと2017年

          ショートショートアンソロジー「犯罪の重」 ネタバレあり感想(その2)

          その1 引き続きネタバレを含みます。 「その2」で最後です。 ・オメガの棋士(続き) このショートショートは続きや二次創作が色々と想像できそうだ。オメガという少女はなぜ1手1分きっかりで指すのか、なぜ完全解を思わせる境地に達することができたのか、何を思って表舞台に現れたのか、今後どうしていきたいとかはあるのか、笑ったり泣いたりするのか、好きなタイプとかはあるのか……これがおっさんであればテンションはさほど上がらないが、美少女なので(「美」少女という記述はないが、たぶん美少

          ショートショートアンソロジー「犯罪の重」 ネタバレあり感想(その2)