元カノと一緒に作品をつくる約束をした。
ーー会話の果て、1つの約束が生まれたのです。そうです。2人をつないだ作品『君はマスクを取らない』を作り直して、本にしようと決めたのです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「元カノと一緒に作品をつくる約束をした」というテーマで話していこうと思います。
◆元カノからの恋愛相談
昨日、元カノに会いにいきました。
大学1年の頃にお付き合いしていた人です。2年前の今頃、距離を置くことを決め、それから半年後、正式に別れることになりました。
とはいいつつも、喧嘩別れじゃないし、別れた後もなんだかんだ仲良く関わっていました。同じ学科ということもあり、関わる機会が多かったのです。
最近は夏休みや実習のせいで全然会っていなかったので、昨日が久しぶりの再会でした。
先日、突然「れいさん、恋愛相談をさせてください」とLINEが来ました。なんでこのタイミング?とも思ったし、なんで僕に恋愛相談?とも思ったし、そもそも「れいさん」なんて呼んだことないだろ!とも思ったし、疑問は多々ありましたが、僕は自他共に認める優男。すぐさまOKの返事をしました。
昨日の記事でも書きましたが、最近はなぜか本当に誰かの相談に乗る機会が多いんです。カウンセラーでもなんでもないっていうのに(笑)
そんなこんなで3時間以上、相談に乗っていました。
彼女が今お付き合いしている方にまつわる相談でした。彼女の過去や思想を他人よりも知っているので、それらと紐づけながら話を聴いていました。
彼女の恋愛相談の内容だけでもいくつか記事が書けそうなくらい濃いものでしたが、横に置いておきます。
太陽が地平線へと帰り、群青の空の下、誰もいない公園で、僕らは1つの約束をしました。
◆ミントとマスク
実は以前にも彼女のことを記事にしたことがあるので、詳しいことは上の記事をご覧ください。
彼女とは大学で出会いました。といっても、初めましては画面越し。コロナ真っ只中に開催されたZOOM交流会で、初めて認識しました。
その後、連絡先を交換して、LINEのトークや通話でやり取りをしていました。話の流れで、僕の小説を読んでくれることになりました。僕はお言葉に甘えて、すぐに読み終わる超短編作品をデータで贈りました。『ミント』という作品です。
あのときのことを、今でもよく覚えています。
読み終わった彼女の感想を聴いて、僕は雷に打たれたような衝撃を受けたんです。僕の小説を、「炭酸水」と表現してくれたんです。
そうか、僕はそういう物語を綴ってきたし、これからも綴っていきたいんだ。そんな風に腑に落ちたんですよね。
彼女が、僕の作風に名前をつけてくれたのです。
その日から、僕は彼女の言葉に重みを感じるようになりました。この人の言葉を、もっと聴きたい。そんな風に思ったのです。
彼女は僕の作品をもっと読みたいと言ってくれました。その次に送ったのが、『君はマスクを取らない』という純愛小説。当時の僕の最新作でした。
今どこにも公開していない作品ではありますが、結構気に入っているんです。
いつでもどこでもマスクをしている女子高生と、思案することだけが取り柄の男子高生が、「言葉」で紡ぐ青春純愛物語。
彼女はそれを読んでくれて、各章が読み終わる度、電話越しに感想を伝えてくれました。僕の文章を読んで、たくさん考えてくれて、「私はこう思う」とか「こんな風に考えてみるのも良いなって思った」とか、いろんなことを伝えてくれました。
僕はそれが本当に嬉しくて、気が付けば、彼女の言葉だけでなく、彼女の人柄に、物語に、惹かれていたのです。
僕らが初めて対面で会ったのは、出逢ってから約3か月後。大学の最寄り駅近くのカフェに行きました。『君はマスクを取らない』最終章の感想を語り合うためです。
初めて対面で会う緊張感もありましたが、作品の話から、それ以外の話題まで、コーヒーをお供にしてずっと、ずっとしゃべっていました。
それから2ヶ月も経たずして付き合ったけど、結構すぐに距離を置くことになったし、ついには別れることになりました。それでも、たまに会ったり、相談に乗ったり、か細い関係は続いていたんです。
時を超えて、昨日、あの頃と同じような感覚で、おしゃべりに夢中になっていました。彼女の悩みについても話したけど、それだけじゃなくて、近況とか、付き合っていた頃の思い出とか、ざっくばらんに話していたんです。
話題は、『君はマスクを取らない』にまで及びました。
そんな会話の果て、1つの約束が生まれたのです。
そうです。2人をつないだ作品『君はマスクを取らない』を作り直して、本にしようと決めたのです。
◆元カノと一緒に作品をつくる
改めて思います。
すごい巡り合わせです。
彼女と別れたとき、まさかこんな風に関係を新しくするとは夢にも思いませんでした。そもそもかなりのレアケースのような気がします。
ってか、別れた人と思い出の作品を作り直すなんてこと、普通しないじゃないですか。多分僕も彼女も何か欠けているものがあるんだと思います(笑)
でも、面白くないですか?
これこそ「人生は物語」です。人生を物語にしていくし、物語のように生きていきたい。そんな僕のモットーにふさわしい計画です。
まだまだ具体的なことは決まってません。既存の物語をどこまで変えるのか、自分たちの人生をどこまで反映させるのか、何も決まっていません。
でも、表紙には彼女を被写体にした写真を使いたいなあ。当時から、あの物語のヒロインが彼女に似ているというくだりがあったので、彼女を表紙にしたいと思いました。
それを伝えたら、快諾してくれました。ありがたいことに、なんかすごい乗り気になってくれています(笑)
どんな物語になるか分かりませんが、大学卒業までに綴る夢ができました。
昨日、約束を交わした場所は、彼女から別れを告げられた場所でもあります。
終わりの場所から始まる夢。
最高じゃん。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
20221029 横山黎
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