ゲストハウスの宿泊者にラジオ出演してもらった。
――ゲストハウスに宿泊してくださったお客さんに、ラジオ番組に出演してもらうことができたんです。一期一会の出逢いをより良いものにしたいという思いから、ずっとやりたかったことだったんですが、ついに叶えることができました。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「ゲストハウスはやっぱり交流が価値になる」というテーマで話していこうと思います。
📚宿泊客がラジオ出演⁉
僕は今、木の家ゲストハウスで仕事をしています。ゲストハウスはホテルや旅館とは違い、リビングやキッチン、風呂、トイレなどが共用で、「交流」に重きを置いた宿泊施設です。
木の家ゲストハウスは1年前にオーナーの宮田さんが茨城県水戸市上水戸でオープンしました。100万円で世界一周の旅に出かけた結果、ゲストハウスを運営する事業に思い至り、1年かけて全部で7つの宿泊施設を展開していきました。さすがにひとりでは回らなくなってしまい、人手が欲しい状況になり、以前から親しくさせてもらっていた僕に白羽の矢が立ったというわけです。
全国探してもなかなかいないと思いますが、教育学部を卒業してゲストハウスで仕事をするという異色の進路を歩むことになりました(笑)
大学4年のときに場づくりの魅力や場所を持つ意義を知り、自分でもいつかそんな場を、場所をつくりたいと思うようになったんです。その未来を迎えにいくための第一歩がゲストハウスの運営について学ぶということでした。
もちろん大学生の頃のように作家としても活動していくし、縁から生まれたラジオパーソナリティーの仕事も引き続きやっていきますが、軸をゲストハウスの運営に置くことにしたわけです。
もう仕事を始めて2ヶ月が過ぎようとしています。多忙のGWを乗り越えたこともあり、仕事にも慣れてきた今日この頃、やっぱり僕の信じた道は間違いじゃなかったと思う瞬間がありました。
ゲストハウスに宿泊してくださったお客さんに、ラジオ番組に出演してもらうことができたんです。一期一会の出逢いをより良いものにしたいという思いから、ずっとやりたかったことだったんですが、ついに叶えることができました。
今回ラジオに出演することになったお客さんとの出逢いはクレームから始まりました。
📚クレームから始まった出逢い
さっきも触れたように僕と宮田さんは7つの宿泊施設を運営しているんですが、そのうちのひとつにいちょう坂ゲストハウスという水戸駅近くにある宿泊施設があるんです。値段が1泊3000円~かつセルフチェックインなので、安く気軽に宿泊したい旅行者や飲み会終わりにタクシーや代行を呼ぶのがめんどうくさくなった人におすすめの宿泊施設です。
今回ラジオに出演してくれることになった小野寺さんは当初、いちょう坂ゲストハウスに宿泊する予定でした。しかし、チェックイン当日思いもよらぬことが起きたんです。いちょう坂ゲストハウスに連泊で泊まっているゲストがタバコを吸っていて、部屋内に匂いが充満していたんですね。チェックインしたときにそれに気付いた小野寺さんは僕らに連絡しました。今からでもキャンセルを考えるほど、匂いがきつくて困っていると。
僕らは何かあればすぐに行ける場所には常駐しているけれど、いちょう坂ゲストハウスにいつでもいるわけではないので、今回のような細かい管理が行き届かないケースがあるんですね。管理する人がそこにいないからこそイレギュラーが起きることは少なくありません。その度、僕らはどうにか対応しているんですが、今回も上手く切り抜けることができました。
結論からいえば、小野寺さんを別の宿泊施設(木の家ゲストハウス別館)に移動してもらうことにしたんです。
施設内な禁煙なのでタバコを吸っていたお客さんが100悪いんですけど、統制できていないのは管理側の落ち度なので、ランクが上の部屋を料金そのままで案内しました。また、いちょう坂ゲストハウスから木の家ゲストハウス別館まで距離があるので、車で送迎することも決めました。
不快な思いをさせてしまったことに対してお詫びをしつつ、僕の運転する車に乗ってもらいました。小野寺さんは東北大学の大学院生でして、蒲生君平という江戸時代の学者について研究している方です。僕も日本史は好きな方でして、車中では歴史トークで盛り上がりました。
小野寺さんはゲストハウスだしこういうこともあるよね、と寛大に受け止めてくれました。それどころか、宿泊先の移動、そして送迎をしてくれることに感謝をしてくれました。
仲良くなれた感覚があったし、もっと満足してもらいたいという思いもあったから、「ラジオに出演してもらえるかもしれない」という希望を、僕は抱いたのです。
📚やっぱり交流こそ価値になる
以前、「ゲストハウスの期待を超えるサービスは交流だよね」という記事を書いたんですが、こんなにも短い時間でやっぱりそうだよねと再認識することができました。
クレームの連絡をもらって、ちゃんと会って話して、お客さんの求めていることに気付いて、動く。タバコ臭くて嫌な思いをして一時はキャンセルを考えたけど、それでも良かったなと思えるように、もっとできることはないかなとできることを探す。一貫して意識しているのは、「交流」でした。
以前から、ゲストハウスのお客さんにラジオインタビューできたらいいなと夢見ていたんですが、それは単純に、人を探さずともラジオのゲストを見つけることができるのと同時に、半強制的に交流を生む機会をつくってくれる利点があると感じていたんです。一期一会の出逢いに価値をつくってくれる、お客さんの満足度の向上につながる可能性を秘めているんですよね。
最後に僕の方から「ラジオに出演してもらえませんか?」というわがままを快諾してくれるくらいには、この度の宿泊に満足してもらえたみたいです。また、今後も何度か水戸に来る用事あるそうなので、そのときはまた木の家ゲストハウスを宿泊してくださるとのことでした。
今回の経験を糧に、今後も「交流」を念頭にゲストの方々を迎えていけたらなと思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。
20240519 横山黎
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