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本屋と文学フリマの違い

――本屋にはない特性。文学フリマだからこそ追求できることを見極めれば、どんな風に準備を進めていくべきか、どんな風に当日は振る舞うべきか、見えてくる気がします。


人生は物語。
どうも横山黎です。

11月20日に開催される文学フリマ東京35に、僕は出品者として参加します。当日に向けて絶賛準備中ということもあり、最近は文学フリマに関する記事を投稿しています。


今回は「本屋と文学フリマの違い」というテーマで話していこうと思います。結論からいうと、次の3つかなと思います。

①アマチュアも参加できる
②全部自分で決める
③作者がそこにいる

◆アマチュアも参加できる

改めて、文学フリマとは何でしょうか。公式ホームページでは次のように説明されています。

文学フリマとは、全国で開催されている文学作品の展示即売会です。

文学フリマの「場」には一般商業流通には乗らない作品がたくさん集まります。
自費出版の書籍、ホチキスで綴じたコピー誌、手製本の書籍、CDや電子書籍、Tシャツ、豆本、その他……。
本屋さんでも通販でも出会えない、さまざまな形の〈文学〉が一堂に会し、販売されます。
内容も、小説・物語・詩・俳句・短歌・ノンフィクション・エッセイほか、評論・研究書など多岐にわたり、対象年齢やジャンルも実にさまざまです。
既存のジャンルや定義・価値観にとらわれない、自由な発想・斬新な視点から生まれた作品も多く出品されます。
文学フリマは、新たな才能の発掘の場ともなっているほか、プロの作家やライター、編集者が限定版の作品を出品することもあります。

文学フリマホームページ(https://bunfree.net/about/)

この文章からも分かるように、本屋にはない文学フリマの特性として、「プロアマ問わず誰でも参加することができること」が挙げられると思います。

本屋に並ぶ本は、出版社を通して出版されたものです。著者と出版社との間で金銭的な契約が結ばれているわけですから、それはつまりプロの本と呼ぶことができます。アマチュアの介入する余地はほとんどありません。自費出版という形もありますが、たかが知れています。

一方、文学フリマは違います。

申請して当選すれば、誰でも参加することができます。アマチュアでも本を売ることができるのです。公式が指摘しているように、「新たな才能の発掘の場」にもなっているので、文学フリマからプロとして羽ばたく機会もゼロではないのでしょう。


◆全部自分で決める

本屋に並ぶ本は、本屋に並ぶまでにたくさんの人が携わります。担当ごとに人が分かれています。

内容を書くのは筆者、装丁を担当するのはイラストレーター、添削するのは編集者や校閲者、印刷するのは印刷会社、出版するのは出版社、取次をするのは取次会社、本を売るのは本屋です。

それぞれの担当者が責任を持って、プロとして仕事をするので、質の高い商品が生まれるわけです。


しかし、文学フリマは違います。

申請して当選すれば、出品者として自分の店を持ち、自分のつくった本を売ることができます。基本的に誰かの許可を必要としないので、自由度は高いです。自分の思うように商品を作り、売ることができます。手作りでもいいし、どんな値段を設定してもいいわけです。

ゼロから全部自分で決めないといけないということは、全ての責任が自分にあるということです。また、全ての分野において卓越したスキルはないでしょうから、全部自分でやるとなるとクオリティの低下を避けられません。

印刷や装丁をプロに依頼するとなるとコストが発生します。個人で負担するのは痛かったりしますよね。

このように、全部自分で決め、つくらないといけないので、自由度は高まりますが、それぞれの要素におけるクオリティが低下したり、個人で負担するコストが大きくなったりします。自分が責任を持つ範囲が広いのです。もちろんプロの方が責任は重いですが、自分の領域に限ってのことです。


◆作者がそこにいる

最後に、本屋と文学フリマの大きな違いとして、「作者がそこにいる」ことが挙げられます。

本屋にはたくさんの本が並びます。1冊1冊それぞれに、作者がいます。制作に携わった関係者がいます。しかし、姿かたちはそこにありません。作者がそこにいません。


文学フリマでは、作者がその本を売ります。

本のそばに、作者がいるのです。これは大きな違いであり、メリットだと考えます。なぜなら、自分の作品の魅力を自分の言葉で伝えられるからです。

丹精込めてつくった本、できるかぎり多くの人に届けたいじゃないですか。だからこそ、文学フリマに出品するじゃないですか。僕だってそうです。1冊でも多く本を売って、1人でも多くの人に自分の物語を知ってほしい、読んでほしい、そして感動してほしいわけです。

全ては売ることから始まるわけですが、何もせずにぼっーっとしてても十分な結果は望めません。目の前に自分の本が並んでいて、お客さんがいるので、売り込むことができるわけです。

お客さんとコミュニケーションを取りながら、自分の言葉で、声で、心で、売り込むことができるのです。


本屋に並ぶ本は、そうはいきません。作者がそばにいられないからです。だからこそ、帯やポップ、時に映像を使って、魅力を伝えるのです。

文学フリマでは、作るのも、印刷するのも、売るのも、営業するのも自分。そして、帯もポップも映像も自分なのです。


本屋にはない特性。文学フリマだからこそ追求できることを見極めれば、どんな風に準備を進めていくべきか、どんな風に当日は振る舞うべきか、見えてくる気がします。

何かの参考になったら嬉しいです。


最後におしらせします。

僕は今、「文学フリマ東京35を盛り上げたい!」というメンバーシップを運営しています。当日までの準備の過程を共有したり、オンラインで交流会を開いたり、当日イベント後には打ち上げを企画したりしています。

興味を持たれた方は、是非のぞいてみてください。100円から参加できます!

文学フリマを、一緒に盛り上げていきませんか?


最後まで読んで下さりありがとうございました。

20221003 横山黎

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