未来への糸
――ミサンガをつくることになりました。10年後のふたりが新しい夢を結べるように。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「未来への糸」というテーマで話していこうと思います。
昨日は仕事をおやすみにして、日中おだやかに過ごしていました。ドラマを観たり、パートナーとご飯を食べたり。
そして、とあるひとつの伏線を張ったりしました。未来への糸をふたりで伸ばしたんです。
今日はそんな話です。
僕の主な仕事は、木の家ゲストハウスのマネージャーです。茨城県水戸市上水戸にある宿泊施設で、現在は10棟を管理運営しています。今後は前橋や宇都宮への展開を目指しているという状況です。
僕はそこで現場統括マネージャーとして活動しています。10棟ある施設の管理、運営を担っているんです。先週のお盆の時期はありがたいことにたくさんのゲストに恵まれましたが、その分イレギュラーに対応する必要があったり、清掃スタッフをはじめ仲間と協力する必要がありました。
どうにか乗り越えることができて、自分も難局を乗り切れるだけの力がついてきたんだなと認めることができています。
オーナーが他都市開拓で飛び回っていたこともあり、お盆の時期の水戸は基本的に僕が回していました。基本的にずっとゲストハウスに居て、ゲストハウスのことばかりを考えている時期でした。
それが終わると、僕の頭は謎解きイベントのことでいっぱい。お盆明けの8月19日、泊まれる謎解き「花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~」のプレ公演が控えていたからです。
これは、木の家ゲストハウスを舞台にした謎解きイベント。ゲストハウスに泊まりながら、参加者自身が主役になれる体験コンテンツです。僕が物語を書いて、大学時代の後輩で謎解きサークル「Mito Escape」を運営しているしゃんちゃんが謎を解いて、ふたりで運営していきます。
木の家ゲストハウスで開催された謎解きサークルの合宿のなかで、突然現れた「花火の幽霊」。彼女をあの世へ帰すべく、謎解きサークルのメンバーの「あなた」は謎を解いていく……というストーリーです。真夏の夜に恋と謎の弾ける青春ラブミステリー、僕好みの笑えてえもくて伏線満載の物語になりました。
そのプレ公演が、先日開かれたんです。
集まったのは、「Mito Escape」のメンバー。謎解き慣れしている人たちに解いてもらってフィードバックをもらいました。結果としては、手応えあり。物語も評価されたし、謎も評価されたし、ふたつのバランスも評価してくれました。自分たちのやってきたことは間違いじゃなかったと認めることができた瞬間でした。
仕事に謎解きに、体力と睡眠時間を削る日々が続いた先に訪れた昨日、久しぶりにゆっくりできる時間がありました。さっきも触れたように、パートナーと過ごす時間が多かったんですが、特に印象に残った出来事がありました。
一緒に、ミサンガをつくったんです。
先日、僕とパートナーはふたりの物語を始めてから1年が経ったことを祝福したんですが、そのときに未来への手紙を書いたんです。ひょんなことから10年後のふたりに手紙を書こうと思い至り、それぞれが未来の相手に向けて、思いを綴りました。
書いた手紙は「タイムカプセル郵便みらいぽすと」というサービスを受け、10年後の自分たちに届くようにお願いすることにしました。
あれから、1カ月が経ったわけですが、なんだかんだ忙しくて手紙を投函できていなかったんですね。それを受け、せっかくだから何か一緒に同封するものがあってもいいかもね、という話になり、ミサンガをつくることになりました。10年後のふたりが新しい夢を結べるように。
ハンドメイドの小物好きなパートナーはミサンガづくりなんてお手の物。僕は仕方を教わりながら、丁寧に糸を紡いでいきました。「10年後のふたりへのギフトを、今、ふたりで一緒につくっている」そんなことを思って、僕はひとりにやにやしていました。
10年後、僕は、パートナーは、どんな顔をするのだろう。どんな顔して手紙を読み、どんな顔してミサンガを結ぶのだろう。遠い未来だけど、なんとなく、ふたりの様子を想像することができたこと、それはしあわせの正体といえるかもしれません。
未来への糸を伸ばした昨日が、どんな未来を手繰り寄せるのか。
願いをかけながら、期待を膨らませながら、変わり続けながら、これからも日々を紡いでいきます。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240823 横山黎
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