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【オリジナル作品】短編・長編小説、俳句

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オリジナルの短編や長編小説、他に俳句などの作品をまとめています。
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2023年7月の記事一覧

【旬俳参加】初めての俳句投稿

【旬俳参加】初めての俳句投稿

 TBSテレビの『プレバト』俳句のコーナーが好きで、自分も夏井先生の本を買って、少しずつ俳句を学び始めていたところ、noteでこのような↓記事を目にして、参加させて頂くことにしました。

夏っぽい俳句を三句♡白南風や 
窓辺で躍る 吾子のシャツ

かき氷シャクシャク 
雨のバルコニー

夏夕焼け 
ビーサン重い 帰り道

 最後までお付き合い頂き、ありがとうございました♡

冬眠していた春の夢 最終話 一輪草

冬眠していた春の夢 最終話 一輪草

 それから二年後、私と仁美は元気に同じ高校に通っている。
 家のリビングには、兄や家族4人で写っている写真がいくつも飾られ、家族4人、いやいや、祖父母の写真も入れて家族6人、賑やかに過ごしている。
 そして、兄の部屋のままだった母の部屋は、大人の女性の、ちょっとお洒落な部屋になっている。

 それから…、兄の葬儀から半年後、名古屋の叔父が亡くなった。
 肺ガンだった。ガンが発見された時は、既にステ

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冬眠していた春の夢 第30話 おかえりなさい

冬眠していた春の夢 第30話 おかえりなさい

 11月3日、気持ち良く晴れ渡った文化の日、あの白い鳥居から3人は出てきた。
 まるで、あの頃の3人の少年が、成長して戻ってきたみたいだった。
 嗚咽が止まらないリョータさんの肩を抱いた橋本さんも涙を流していた。
 「お兄ちゃん!」
 仁美が賢吾さんの元へ駆け寄ると、賢吾さんは大きく頷いた。

 すぐに両親に伝えて、警察に連絡をしてもらった。
 そして掘り起こされた骨は鑑定に送られた。
 10年も

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冬眠していた春の夢 第29話 リョータ

冬眠していた春の夢 第29話 リョータ

 リョータさんは、夢の中のイメージと、そんなに変わらなかった。
 Twitterの投稿がサーフィンの事ばかりだったように、見るからにサーファーそのもので、もう秋も深まっているのに、肌はかなり日に焼けていて、笑うと白い歯が眩しかった。
 一番小さかったハッチの背が伸びて、2人はあまり変わらない身長になっていた。
 橋本さんとリョータさんは会うなりグータッチをしたかと思うと、それからしばらくは互いに無

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冬眠していた春の夢 第28話 不在の友を想う

冬眠していた春の夢 第28話 不在の友を想う

 夢の中でおじいちゃんが手に持っていたのは、ウラシマソウの実だとわかった。
 ネットで調べたところ、春から初夏にかけて開花したウラシマソウは、秋が深まるとその雌株には果実(偽果)ができて、赤いトウモロコシといった感じになるそうだ。

 「もう美月の見る夢の信憑性は証明されたから、きっとこの実を付けたウラシマソウが根元に咲いている大きな楠木の近くにお兄さんはいるんだろうね」
 仁美の言葉に異論を唱え

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冬眠していた春の夢 第27話 真実の切り取り

冬眠していた春の夢 第27話 真実の切り取り

 砂浜の流木の上に腰掛けて、私と橋本さんは、サーファー達が波に乗ったりボードから落ちたりする様を、しばらく黙って見ていた。
 「春馬はいいヤツだったよ。美月ちゃんの事をからかう事はあったけど、他の子にいじめられたりしたら、絶対に助けてたし…。オレもリョータも春馬が大好きだった」
 橋本さんは海を見つめたまま言った。

 「なんだか…全然驚かなかったんです。ずーっと夢で見てたから。ああ、やっぱりって

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冬眠していた春の夢 第26話 恋焦がれていたもの

冬眠していた春の夢 第26話 恋焦がれていたもの

 その夜、私はお風呂にも入らず、やっとの思いで着替えて、ベットに倒れ込んだ。
 ドッと疲れが出た。
 あまりにも多くの情報に触れすぎて、いっぱいいっぱいだった。
 何も考えたくない。
 もう何も思いたくない。
 そう思いながら、私は深い眠りに落ちていった。

 朝になって、母が起こしにきたけど、薄目を開けるのがやっとで、母の「今日は学校を休みなさい。学校には連絡しておくから」という言葉に微かに頷い

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