NPO法人コミュネット楽創就労支援委員会

札幌市のNPO法人/1998年小規模作業所からスタート/2つの就労移行支援事業所と就業…

NPO法人コミュネット楽創就労支援委員会

札幌市のNPO法人/1998年小規模作業所からスタート/2つの就労移行支援事業所と就業・生活相談室を運営/法人設立以後、1000名以上が一般企業に就職/IPSに準拠した支援を実施/就労支援に関するイベント・研究、市民活動も/法人理念:自分力をいかし、そしてわかちあう

最近の記事

第9回IPS全国研修会in北海道キックオフミーティング

6月28日に第9回IPS全国研修会in北海道のキックオフミーティングを開催ました。このIPSは、本noteの記事で何回も出てきている就労支援のIPSです。IPSをご存じではない方は、下記のYouTubeを見ていただけるとよいかなと思います。 今年の3月に東京で第8回IPS全国研修会が開催されましたが、次回の第9回は2026年に開催予定です。会期や場所も決めなければなりませんが、昨日は、まず、集まった方々で、どのようなことをやりたいかという話をしました。 「参加型がいいんじ

    • IPS型の就労支援の実践について思うこと

      IPS型の就労支援ってなに?と思われた方は以下を見ていただけると参考になるかと思います。 私が現在勤めている就労移行支援事業所では、以前は就労前訓練として毎日作業訓練を取り入れていました。コロナ明けから完全に作業をやめ、現在は就職活動をメインにし、それに必要と思われるプログラムを週に2日程度取り入れた就労支援を行なっています。 私たちの事業所は、過去には様々な作業を訓練として取り入れていました。そのため作業を残すか、なくすかについても職員から賛否両論がありました。作業をなく

      • どうして自分はIPSをいいなと思うようになったのか

        私たちのnoteで時々出てきているIPSという就労支援のモデルですが、今回は、少し、IPSをどうして自分が「いいな」と思うようになったのかについて書いてみたいと思います。IPSって何だろうと思った方は、下記のHPを読んでいただけるとクリアになるかなと思います。 IPSに出会う前 さかのぼること数十年前、精神科の医療関係で仕事をしていた自分は、すっかり、その当時の以下の考え方を信じていました。 「精神科の病気がある人は働かなくてもよい。だから年金があるんだ」 「健常者の60

        • からびな学習会「職業リハビリテーションの理念を問う」を終えて

          からびな学習会とは  NPO法人コミュネット楽創は2つの就労移行支援事業所と札幌市から委託を受けた障がいのある方の民間企業等への就職と雇用の継続を目的とした就業・生活相談事業(ナカポツ)を運営しています。後者にあたる就業・生活相談室からびなは札幌市の就労支援の向上に寄与することを目的とし、外部からの講師を招き、就労支援に関わる支援者や医療関係、当事者、家族の方々を対象に学習会を行ってきました。コロナ禍により2020年度以降は開催を中止していましたが、今年度新型コロナウイルス

        第9回IPS全国研修会in北海道キックオフミーティング

          キャリアチェンジ~自分の内なる声に正直に~

          寄稿にあたって 今回noteに投稿させていただくことになりましたじんのです。私は今年度まで札幌市で暮らしていましたが、大学院への進学とそれに伴う転職にあたって来年度から熊本県へと引っ越すことになりました。コミュネット楽創には5年程前から出会い、以降色々な形でお世話になっています。就労支援委員会にも今年度から携わらせていただきましたが、何をしていたかと言えば就労に関わる事を何か手伝った訳でもなく、遊びに行くような感覚でお菓子を食べて皆さんとただ話していただけのような気がします

          キャリアチェンジ~自分の内なる声に正直に~

          「働く」ことができなくなって感じたこと

           「このままだと危険な状態です。明日から仕事は休んで自宅で安静にしてください。でないと入院になりますよ」  とある日の妊婦検診で突如言い渡された言葉だった。不調の自覚は全くなく、毎日仕事に行き、研修に参加し、休日も友人と出掛けたりと妊娠前と同じような生活をしていた。それが原因なのかはわからないが、とにかく急に仕事に行くことができなくなり、半ば他人事のように職場へ連絡をし、上司や同僚の配慮もあり長期でお休みをいただくことになった。当初は一週間、長くても一ヶ月以内には復帰できるだ

          「働く」ことができなくなって感じたこと

          札幌市の就労系障害福祉サービスの今後について

          はじめに 2006年に始まった障害福祉サービス(当時、障害者自立支援法)は、すべての障がい者が、自身で必要とするサービスを選択すること、身体・知的・精神の3障がいのサービス格差をなくしたものとして重要な転換点であった。そしてさらに、制度の名にもある「自立」の要素として「就労」が大きくクローズアップされ、障がい者の一般就職を後押しすることとなった。  法施行から17年の時間がたち障害者総合支援法と名前を変え、より包括的な支援制度となって、インクルーシブな社会へと進んでいるはず

          札幌市の就労系障害福祉サービスの今後について

          2023度日本版個別型援助付き雇用フィデリティ(JiSEF)調査に行ってきました

          フィデリティ調査とは  先日、千葉県の就労移行支援事業所(以下、X事業所)にIPSのフィデリティ調査に行ってきました。  IPSとはご存じの方も多いと思いますが、アメリカで生まれた精神障害者の就労支援モデルです。そしてフィデリティ調査とは、効果的支援を利用者に届けるための組織評価や効果的モデルの再現度を計測し、現状を確認するものです。  つまり、フィデリティを測定することで客観的かつ体系的なプログラムの発展に関する情報が得られることができるのです。  初めての調査員

          2023度日本版個別型援助付き雇用フィデリティ(JiSEF)調査に行ってきました

          IPS実践研修会第5回「トライ&エラー」

          9月26日からはじまった、NPO法人コミュネット楽創の就労支援委員会によるIPS実践研修会は、今回が最終回(全5回)となりました。受講者からは「あっという間だった」などの声があり、始まる前から就労支援の話が尽きませんでした。  いつものように講義のはじめは、前回(「クライエントの可能性(キャリア、願望等))」)の振り返りからです。前回の講義を受けて感じたことを参加者と話し合う中で、講師の本多氏から、「弱い部分にストレングスはある」ことに触れ、「できない」ことばかりの中で、信

          IPS実践研修会第5回「トライ&エラー」

          IPS実践研修会 第4回 「クライアントの可能性(キャリア・願望等)」

           お茶やお菓子を囲みながら、本日もおだやかな雰囲気で始まりました。  はじめに前回の振り返りを行いました。前回は支援者と元利用者の語り合いが中心となりましたが、元利用者の経歴がユニークなものでありながらも特別なケースということではないことが伝えられました。さらに支援者への質問タイムがとられ、IPSを実践するなかでの支援者や当時の利用者の戸惑いが正直ありながら、職場開拓など実際に動き、同僚同士で学び会うことを通じて、参加者が変化していったことが語られました。  今日の内容は「

          IPS実践研修会 第4回 「クライアントの可能性(キャリア・願望等)」

          IPS実践研修会 第3回「コンポステラの場合」

          9月26日からはじまった、NPO法人コミュネット楽創の就労支援委員会によるIPS実践研修会は、今回で第3回(全5回)となりました。3回目ともなると参加者も講義が始まる前から和やかな雰囲気で、共に学ぶ仲間のような一体感も感じられました。今回は4名の方が参加されています。  いつものように講義のはじめは、前回(「どうしたら就活に踏み出せるか(支援者も含む)」)の振り返りからです。支援するひとり一人の顔を思い浮かべ、その人が最高に輝けることを考えることや、講義を受けて、これから挑

          IPS実践研修会 第3回「コンポステラの場合」

          IPS実践研修会 第2回「どうしたら就活に踏み出せるか(支援者も含む)」

          NPO法人コミュネット楽創の就労支援委員会では9月26日より、コンポステラでIPS実践研修会を隔週火曜日全5回シリーズで開催しております。参加者は5名、どなたもIPSに関心を持つ障がい者支援職の方々です。 第一回は「障がい者が働けるという哲学」というテーマでした。 今回、第二回は「どうしたら就活に踏み出せるか(支援員も含む)」というテーマです。 ウォーミングアップとして前回の研修内容を振り返り、参加者は自身のクライエントを思い浮かべ考えたこと、疑問に思ったこと等自由

          IPS実践研修会 第2回「どうしたら就活に踏み出せるか(支援者も含む)」

          IPS実践研修会 第1回「障がい者が働けるという哲学」

          NPO法人コミュネット楽創 就労支援委員会では9月26日より、隔週火曜日開催でIPS実践研修会を開催しております(全5回) 今回は、その第1回の研修内容を報告しようと思います。 受講対象は、医療、福祉、労働で障がい者就労支援に携わっている方になっています。IPSとはアメリカで生まれた科学的根拠に基づいた精神障がい者の就労支援モデルです。今回、興味を持って受講された方は5名でした。どの方も熱意溢れる雰囲気の印象を受けました。 19:00からスタートの予定でしたが、全員が集ま

          IPS実践研修会 第1回「障がい者が働けるという哲学」

          僕(濁乃れざいす)が自身の就労について思うこと

           障がい者として今の会社に就職したのが2012年10月です。その時から2023年の現在まで失業していません。  ひょっとしたらnoteの閲覧者からは、僕は楽創の事業所の元サービスユーザーとして「楽創さんにはお世話になった」とか「僕は就労に向けて努力しました」といった話を期待しているのかもしれないと思います。  しかし、今回はその期待には応えられないのではないかと思います。  僕は「自分の就労は『巡り合わせ』というか『運』というものに強く影響を受けている」と、感じます。言

          僕(濁乃れざいす)が自身の就労について思うこと

          就労支援の原風景

                                     PN.窪 棚沖  今回の投稿にあたり「就労支援」について書くことになった。  私は現在、福祉職として障がいを持った方々の就労支援の仕事をしている。 就労支援とは、就労を通して本人の自立を目的に、就職活動や就職後のサポートの提供を行うことである。具体的な例の一部として、ハローワークに同行し窓口で一緒に相談し、応募した際には場合によって面接の同行もする。 就職後は必要に応じて職場訪問し、本人や企業担当者と業務の様子

          私たちについて

          はじめまして。NPO法人コミュネット楽創(らくそう)と申します。 北海道札幌市で障がい者福祉・就労支援事業をしている市民団体です。 事業の中心は障がい者福祉ですが、そのほかにも地域の茶の間事業やイベントの企画運営、調査研究(これらについては後々記事にしていこうと思います)なども行っています。 障がい者就労支援については、事業所を多数抱える大手に総数ではかないませんが、小さいながらも事業所単位では大手にも負けない国内有数の就労実績を誇っています。 今回、私たちの自己紹介ととも