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IPS型の就労支援の実践について思うこと

IPS型の就労支援ってなに?と思われた方は以下を見ていただけると参考になるかと思います。

私が現在勤めている就労移行支援事業所では、以前は就労前訓練として毎日作業訓練を取り入れていました。コロナ明けから完全に作業をやめ、現在は就職活動をメインにし、それに必要と思われるプログラムを週に2日程度取り入れた就労支援を行なっています。
私たちの事業所は、過去には様々な作業を訓練として取り入れていました。そのため作業を残すか、なくすかについても職員から賛否両論がありました。作業をなくしたらその時間は何をするのか?一日中就職活動をしているのか?など職員もどうなっていくのか、今まで当たり前にあった時間がなくなることについての戸惑いが少なからずありました。しかし利用者さんは作業はあった方がいいと言う意見もありましたが、別になくてもいい、あれば参加する程度という方も多くどちらかというと職員の不安の方が大きかった印象でした。
また、作業をやめた後も私たちの事業所でまだ作業訓練をしていると思っている関係機関も多く、もうやっていないことを伝えると、「何を日頃やっているのか?」と不思議そうに質問されることもあります。

実際、作業をやっていた時間は事業所内外での就職活動に充てられ職場見学や実習、実際の応募に向けての準備をする時間となっています。個別に動くため職員は以前より忙しくなりました。利用者さんもスケジュールを組んで通所するため、一日中いる方もいれば時間になったら来所し用事が終わったら帰る人もいます。やることは職員と相談して決めていきます。決められた集団のスケジュールをこなすのではなく、個別のスケジュールを自身で決める。就活を自分で決めていくことを大切に支援しています。

通所してすぐに就活を始められるので、1ヶ月以内で就職が決まる方もいます。本人の希望でここに応募してみたいとなればすぐに応募、採用されてからは手厚く定着支援をしていくことになります。

IPSを実践して利用者さんがより就活に集中できているように感じています。作業やプログラムで一日が埋まっていると職員も利用者さんもやることが決まっているためそれを終えると“やった感“はあります。しかし本来の通所目的である就活をした時間はごく僅かだったりします。

作業訓練とIPSの両方を経験した私の感想は、IPSは目的に対して真っ直ぐに向かっていく就労支援と感じます。作業訓練を否定するものではありません。どちらの方法が良いかは本人のニーズによって変わると思います。ただ就職したいという本人の希望を叶える最短距離の方法なのではないかと感じてはいます。

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