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道議会議員の質問に関して情報提供をさせていただきました

いつも、noteでは就労支援に関することを多く記事にしておりますが、我々は市民活動団体です。様々な方が生活しやすくなるために、特に障害のある方に関連することでは、いろいろな活動を行っております。
 
その一つに、北海道議会や各市町村の議員の方との情報交換があります。今回は、我々の情報提供が議会の質問につながった例として山根道議会議員の質問に関して、その回答も含め掲載させていただきます(掲載許可をいただきました山根道議会議員には深く感謝いたします)。なお、回答分に関しましては、録画配信より文字起こしをしております。

重度心身障がい者医療費助成について

現在、身体・知的・精神の重度障がい者に対する医療費助成は地方自治体がおこなっていますが、各自治体によって助成対象者の範囲が異なっています。身体・知的にはある入院医療費助成が、精神にのみ適用されていません。札幌市では令和6年8月より、他の重度障がい者と同等に精神1級にも入院医療費助成を行う改正をすることで検討を進めています。広域自治体であり179市町村を俯瞰する道として公平性を鑑み今後どのように対応していくのか、所見を伺う。

(回答:道場保健福祉部長)
この事業は重度の障害のある方々の健康の護持と経済的負担の軽減を図るため医療費の助成を行っている市町村に対し道が助成するものであり昭和48年から身体や知的に重度の障がいのある方への医療費支援を実施し平成20年に精神障がいのある方へも支援費を拡充したところでもあり、地域移行や社会的入院患者の解消などの観点から支援の範囲は通院分としているところではありますが、今般、札幌市では入院費への支援を検討していると承知をしております。道といたしましては、こうした札幌市や道内市町村の取り組み状況を注視するとともに、このような医療費助成制度につきましては、全国一律の制度であることが望ましいと考えておりますことから、引き続き障がいのある方々やご家族等の意見を十分伺いながら他の都府県とも連携し粘り強く国に要望して参ります。

障害福祉サービス就労選択支援について

現在、厚労省で検討されている障害福祉サービスの報酬改定では、令和7年10月から新たに就労選択支援の開始が検討されています。これは就労系障害福祉サービス(就労移行・就労継続A/B 型)を新規に利用を希望する障がい者に対し「本人の就労ニーズや能力・適性とともに、就労に必要な支援や配慮を整理し、個々の状況に応じた適切な就労につなげる」ことを目的としています。現行制度下の元では、就労に際し本人の希望に沿ったものであるかということや、職業能力を持っていながらも就労継続支援A/B型に滞留している者が多数存在していることが指摘されています。
検討の中では、就労選択支援の指定要件として「過去3年間において3人以上、通常の事業所に新たに障害者を雇用させている」就労系障害福祉サービス事業者となっております。ところが札幌市を中心とする人口密集地以外の地方に行くほど、この事業の指定の一つである就労系事業所は減少し、道の実態調査をもとに見ると振興局に1か所しかないところもあると承知します。
福祉サービスの都市と地方との格差が広がっていくことにならないためには「民間の創意工夫と経営努力によって」とか「国の制度なので」と棚上げするのではなく、道やリーダーと市町村との連携を強化し、責任をもって就労選択支援をしえる事業者へ直接的な助成や保護、場合によっては誘致が必要と思われます。そしてそのような状況であることを、また国に対して訴えていくことも必要と考えます。
障がい者が住んでいるエリアによって著しい不利益を被ったり、その福祉サービス事業者が撤退し空白地帯となり、福祉が受けられないという状況は平等性の観点からも絶対に避けなければいけません。目の前に迫った制度改正に対し、道はどのように取り組みを進めるのか、また具体的な施策を講じるのか所見を伺う。

(回答:道場保健福祉部長)
令和7年10月から開始される就労選択支援事業は障がいのある方の特性や希望を重視しながら本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう支援するものであり、過去3年以内3人以上の利用者が一般の企業に雇用された実績等の要件を満たす就労系事業所が実施出来ることとなっております。就労系事業所は年々増加傾向にあるものの要件を満たさない事業所も一定数あることが想定されますことから、道といたしましては、この事業の開始時期に向け、実態を把握したうえでより多くの地域で実施されるよう障がい福祉事業者を対象とする、集団指導やサービス管理責任者養成研修等を活用して制度の周知に努め障がいのある方に寄り添った就労支援が出来るよう体制整備を図って参ります。


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