キャリアチェンジ~自分の内なる声に正直に~
寄稿にあたって
今回noteに投稿させていただくことになりましたじんのです。私は今年度まで札幌市で暮らしていましたが、大学院への進学とそれに伴う転職にあたって来年度から熊本県へと引っ越すことになりました。コミュネット楽創には5年程前から出会い、以降色々な形でお世話になっています。就労支援委員会にも今年度から携わらせていただきましたが、何をしていたかと言えば就労に関わる事を何か手伝った訳でもなく、遊びに行くような感覚でお菓子を食べて皆さんとただ話していただけのような気がしますが、札幌市で一番多くの就労者が出ているこの法人もそんな厳かで何か凄い方ばっかり集まって崇められるような近寄り難い所かと言われたらそんな訳ではなく(いや凄いんですけどね)、冬はストーブを囲みながら誰かが持ってきてくれたお菓子を食べて、珈琲を飲んでみたいなそんな感じでも居られる様な自分にとっては落ち着ける場所でした。
この度は仕事をしていく上で皆さんが耳にするであろう「キャリア」という言葉、加えて人生において訪れるであろう「転機」から、人生における「キャリアチェンジ」という自らに訪れた機会がこの文章を書くきっかけとなりました。私においてこの転機は何もせずに起こった事かと言われたらそういう訳ではなく、コロナ禍にも関わらず北海道を飛び出して全国の人達との出会い、その旅の果てがこの時点になります。気が付いたらこの2年間で10回以上北海道から家出していましたが、そのどれかが転機に繋がった訳ではなく、そのどれもが、1つ1つが今につながりました。その中でも住み慣れた北海道から今年の春まで行ったことのない九州に行く事を選んだ大きな理由は「こうしたい」という望みがその旅の途中で生まれたからです。
私が追い求めていたもの
私が強く関心を持って学んでいるものの1つが「リフレクティング・プロセス」というもので、北欧のノルウェーという国の精神科医療における実践の中で生まれた会話についての方法であり、哲学でもあります。話すことと聞くことを分け、話したい人が自らの話したいことについて話し、考えるような時間的な間、或いは少し距離を置く空間的な間を持ちながら会話を行っていくというものです。それは「普段自分たちは話したいことをどれだけ話せており、どれだけ相手の話を(そのニュアンスや背景も含めて、思い込みを持たずに)聞けているかという我々のコミュニケーションの在り方を問いかけるものです。障害福祉に関わる仕事をしていた私にとってはクライエントとの間で行われているコミュニケーション、及びそれによって形作られていく支援職との関係、或いは支援職と支援職との関係を現在の在り方から変えていく上で必要だと感じたものであり、もっと言ってしまえば家族や友人、好きな人といったありふれた人間関係の中で自分が相手とどんな関係を作っていきたいか、周りの人達との間で自分の在り方を模索する上で必要なものでもありました。
北海道から飛び出して・・・
この2年間で北海道から飛び出した理由はリフレクティングや対話、ダイアローグといったものから自らの在り方を模索すると共に、同じような関心毎を持った全国の人々との出会う為でもありました。その中でリフレクティング研究の日本における第一人者と言われる矢原隆行教授と出会い、その自由な立ち振る舞いにリフレクティングよりも矢原先生自身に興味を持って今年度から矢原先生のいる熊本大学に科目履修生として通い始めました。講義に参加する目的は「何かを学びたい」とかそんな立派な理由ではなく、ぶっちゃけ通っている途中から矢原先生や同じ講義を受けている人達、或いは熊本にてリフレクティングの実践に携わる地域の皆さんとのご飯を食べてお酒を呑んで話をする時間が楽しくて行っていました。正直初めて行く場所で土地勘ないし、普段あまり接点がない人達と話すのは緊張するし、講義や食事の場に居る事にいっぱいいっぱいで余裕もあまりなかったのですが、それでも何度か通ううちに余裕が出てきて、その途中で人生の限られた時間を「このために使いたい」という感覚が自分の中で生まれました。そこからは大学院の受験に向けて具体的に動き始め、今日までの道中には失恋やら4年間お世話になった職場に辞める事を伝え、北海道でお世話になった色々な方々にお別れの挨拶をし、転職活動や受験の準備、新居探し等まぁ忙しかったのですが、これを書いている今は大体終えてひと段落している所です。
内なる感覚が切り開く未来
これを読まれている皆さんは今を一生懸命生きていて、自分の為に、自分以外の誰かの為に頑張っておられるのではないかと思います。でもそんな中で余裕がなくなってしまい、何か今の自分に対して物足りなさ、或いは居心地の悪さを感じているようでしたら、人との関りの中で、或いは日常や人から離れて1人になってみて、自分の内側の声に耳を傾けてみて下さい。何かにワクワクしたり、温かいものが感じられたら、その感覚に従ってみることで開ける未来もあるかもしれません。
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