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【実態調査】自然災害、避難困難なシニアの防災意識は?

いつもお読み頂きありがとうございます。
前回の実態調査では、緊急搬送が続く酷暑の中「高齢者の熱中症対策と飲料事情」について公開しました。

 私達、RARECREWではこれまで20年以上高齢者介護に携わり、数多くの要介護高齢者そしてそのご家族様と接してきた実績があります。今も1500名を超えるご利用者様から生のお声をニーズとして調査しデータとして保有しております。拡大の一途をたどるシニアマーケットにおいてデジタルデータが取れない現状から新しいビジネス創出に向け取組結果を公開しています。

  数多くニーズ調査はもちろんのこと、商品デモ、商品企画、販売戦略などの相談などにもお応えしております。

 2023年は関東大震災から100年という節目の年。改めて災害に関して意識を高く持つ必要性を感じています。
 今回は毎年のように災害級の大雨による水害、大型台風、土砂災害、熱波・酷暑、冬は大雪による雪害、そして地震となかなか気の休まるところが無くなってきた日本列島です。どこにいても何があるかわからない現代だからこそ、緊急時にすぐに動ける準備が必要です。
 なかなか避難できない高齢者は、どんな意識でいるのか調査してみました。その一部をご紹介します。


■災害大国ニッポン

 私たちの住む日本は災害を受けやすい国土であることはご存じだと思います。「日本の位置、地形、地質、気象などの自然的条件から台風,豪雨,豪雪,洪水,土砂災害,地震,津波,火山噴火などによる災害が発生しやすい国土となっている」と内閣府のホームページにも記載されています。

(1)台風,豪雨,豪雪
 我が国は,おおむね温帯に位置し,春夏秋冬のいわゆる四季が明瞭に現れる。そして,四季の様々 な気象現象として現れる台風,大雨,大雪などは,時には甚大な被害をもたらすことがある。
 春から夏への季節の変わり目には,梅雨前線が日本付近に停滞し,活動が活発となって多量の降雨をもたらす。
 また,夏から秋にかけて,熱帯域から北上してくる台風は,日本付近の天気に大きな影響を及ぼしており,毎年数個の台風が接近(年平均10.8個),上陸(年平均2.6個)し,暴風雨をもたらしたり,前線の活動が活発となって大雨を降らせたりする。
 冬には,シベリア大陸から吹き出す乾燥した強い寒気が日本海上で水蒸気の補給を受け,日本海側の地域に世界でもまれに見る大量の降雪・積雪をもたらし,しばしば豪雪による被害が発生している。

(2)洪水,土砂災害
 我が国は,その急峻な地形ゆえに,河川は著しく急勾配であり,ひとたび大雨に見舞われると急激に河川流量が増加し,洪水などによる災害が起こりやすくなっている。特に,洪水時の河川水位より低い沖積平野を中心に人口が集中し,高度な土地利用が行われるなどの国土条件の特徴と相まって,河川の氾濫等による被害を受けやすい。
 また,我が国は,急峻な山地や谷地,崖地が多い上に,地震や火山活動も活発である等の国土条件に,台風や豪雨,豪雪に見舞われやすいという気象条件が加わり,土石流,地すべり,がけ崩れ等の土砂災害が発生しやすい条件下にある。特に,近年の林地や傾斜地又はその周辺における都市化の進展など土地利用の変化と相まって,土砂災害による犠牲者は,自然災害による犠牲者の中で大きな割合を占めている。

(3)地震,津波,火山災害
 地震の震源と火山のほとんどは,ともに地球上の特定の場所に帯状あるいは線状に細長く分布している。これらの分布と世界のプレートの分布を比較すると,地震の震源や火山の集中しているところのほとんどにはプレートとプレートの境界があることが分かる(図1−1−2,図1−1−3)。
 我が国は,海洋プレートと大陸プレートの境界に位置しているため,プレートの沈み込みにより発生するプレート境界型の巨大地震,プレートの運動に起因する内陸域の地殻内地震などが発生している。
 また,四方を海に囲まれ,海岸線は長く複雑なため,地震の際の津波による大きな被害も発生しやすい。
 さらに,我が国は,環太平洋火山帯に位置し,全世界の約7%にあたる108の活火山が分布している。
 これらの一方,自然災害をもたらす自然の力は,火山周辺地域における温泉や美しい風景,豊かな水資源などの恵みをもたらしている。有珠山の周辺のように,「火山との共生」を目指した地域づくりを行っているところもみられる。

内閣府ホームページ

■高齢者介護とBCP

度重なる災害時に高齢者介護施設では入所者の非難が難しく犠牲者が出てしまっています。

 近年では特に災害級の大雨による土砂災害。そして河川の氾濫等の水害時にヘリを使った救助の様子が度々映し出されているの見たことがあると思います。寝たきりの方、歩行困難で車いすの方が集まっている施設は特に災害に対してしっかり準備しておく必要があります。また、地震などの大規模災害の場合、自治体の職員も被災し行政サービスが機能しないケースが発生しています。

 そこで、高齢者介護事業者においては事業継続計画(Business Continuity Plan/以下BCP)の作成が義務付けられました。
BCPは、地震などの自然災害や感染症の流行などが起こったときに事業的な経営の影響やシステム的損害を最小限におさえて、緊急事態が発生時に出来るだけ通常時と同様の事業継続や事業が困難な状況になったとした場合でも早期に復帰できるようにする目的で作成します。

ですので一時的な災害発生時の対応をまとめた防災計画や避難計画とは少し意味合いのことなる計画となります。

所管の厚生労働省でもBCP作成支援をしています。この辺りはしっかり確認しておく必要がありますね。


■自然災害に対する備えは?

【61%が「特に何もしていない」】

<調査結果(一部)>
デイサービスに通っているシニア高齢者に、自然災害に対する対策や備えについてヒアリングを行いました。なんと驚きの結果で最多は61%「特に何もしていない」で、対策や準備を行っている方は33%という事実がわかりました。

その他の調査項目、
・どんな準備・備えをしているか
・食料の備蓄量
・避難時の連絡先は?
・避難場所、避難経路は知っている?
・避難時のサポートを頼める人はいるか? etc

多数の項目にて実態調査を行っております。ご興味のある企業様は下記より問い合わせください。
(「note記事を読んだ」と記載頂けるとスムーズに対応できます)

これだけ、毎年、毎シーズンごとに何らかの災害が発生して、ニュースや報道で危険性や備えについてアナウンスされているにも関わらずこの結果は如何に!どういう心境でいるのかその理由を聞いてみました。

■災害対策していない理由は?

第3位:「何が必要かわからない」

 それぞれの災害に対してどんなものを準備すればいいかわからないと言う理由です。確かに、水害、火事、地震それぞれに準備するにはそれなりに知識が必要です。毎年、新しい防災対策グッズが出てきますが、そもそもシニアの方々にはその情報すら届いてない可能性がありますね。
スマホがまだまだ使いこなせていないシニア層に対してアプローチ方法を見直しましょう。

第2位:「身体的に準備が難しい」「準備・作業が面倒」同率

 備えの必要性が分かっているものの、腰や膝が悪かったり、筋力低下で重いものが持てなかったりするシニア層。水や食料の準備も一苦労です。また避難時にけがを防止するために必要な軽くて履きやすい靴なんかもなかなか探し出せないのも事実。周囲のサポートが本来は必須のはずです。
 また、ついつい先延ばしにして準備に着手できないのもわかります。自分でできないからこそ誰かに頼むべきですか、それはそれでなかなかハードルが高い。まずは、家族が確認すべきですが近年は独居で身寄りのない方も多いですね。

第1位:「備える必要がないと思っているから」

 驚きの理由第1位は、「備える必要がない」!!!!!!!
健常者である私達は体が自由に動く分、いざとなったら何とかなると準備意識が薄いのはなんとなくわかりますが、不自由なご高齢のシニア層はもっと意識が高いものと思いましたがまさかの結果に。
もしかしたら、すでに諦めの境地にいるのかもしれませんね。それでも、人の命がかかっている以上は、災害時は救助に動くものです。この辺りは更に深い調査が必要になりそうです。

最近はTV等でしきりに避難に関するアラートを発信していることから意識の高い方は自主避難するようになってきましたが、まだまだ一部なのだと改めて認識しました。

 内閣府から出されている情報にガイドラインもあります。しっかり把握しておきましょう。

 「自分だけは大丈夫」という都合のいい解釈を【正常性バイアス】と言います。危険を想像し、客観的な事実をしっかりつかみ冷静かつ的確な行動が必要になりますね。日頃からしっかりシミュレーションしておくことが「いざ」という時に効果を発揮します。

 高齢者の在宅生活は実態がベールに包まれていてなかなかきちんと把握できないものです。今回の防災意識に関する情報も新たなビジネスにつながっていくことは言うまでもありません。面白いと思いませんか?

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