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人間の不変のバランス

 最近世の中は文明の発達によって生活水準が上がり、幸福な生活を送っている人たちも多いが、最近でも、貧困な暮らしをしている人も少なからずいるらしい。逆に戦時中は貧困な暮らしをしている人も多かったが、戦時中でも軍の上層部の人たちは裕福な生活をしていたと聞く。
 これらのことから浮かんだ疑念だが、もしかして、世界的な人口の増加や生活水準の向上で幸せな人が増えたと錯覚していて、もしかして、幸福な生活をしている人と普通の生活をしている人と不幸な生活をしている人の占めているバランスは今も昔も変わっていないのではと考えた。先進国と途上国の関係、バランスは今も昔も変わっていないし、そういう絶対的貧困はいつの時代も存在していた。先進国でも相対的貧困もとい周りとの格差に苦しんでいる者もいるだろう。先進国の場合、周りの生活レベルが高いため、周りとの差が少なめの途上国とは違い、周囲との異常な格差により苦しんでいる者も少なくないだろう。
 アリも働きアリの法則で勤勉なアリと普通のアリと怠惰なアリに分かれて働いているように生物には一定の法則が刻み込まれており、その法則に従った結果、このようなバランスが生まれているのかもしれない。しかし、貧困とは経済的な貧困ばかりではなく、精神的に貧しいと呼ばれる貧困もあったりする。経済的に裕福でも他人の幸せを喜べるなど豊かな心を持っていなかったり、逆に貧困でも他人の幸せを喜べ、不幸を悲しむことができる精神性を持つものもいる。貧困とは一つの概念で括れるものではなく、解釈が困難なものである。


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