マガジンのカバー画像

ビールとナッツをバケツにいっぱい

83
食べ物についての雑記やエッセイ。 子供の頃の事。 大人になってからの事。
運営しているクリエイター

#小説

しゅわしゅわの飲み物と・・・

しゅわしゅわの飲み物と・・・

シュワシュワシュワシュワシュワシュワシュワ・・・

この部屋はマンションの7階にあるのに、蝉の泣きわめく声が聞こえてくる。マンションの一階の駐輪場にはたくさんの木が植えてあって、そこに蝉がたくさんとまっているのだ。

茶色の古い年代物のクーラーはリビングにしかなく、自分のいる子供部屋にはクーラーはなかった。7階なので午前中は全部の窓を開け放しておいて、自然風と扇風機で耐える。強い西日がリビングに差

もっとみる
スタバは特別な場所だった、その1

スタバは特別な場所だった、その1

今から約20年前。

「スタバでコーヒーを飲む」

という事が、特別な意味を持つ時代があった。

日本に初めて「スターバックスコーヒー」が上陸した時は、そこまで話題になっていなかったように思う。
その時代の情報源は、テレビ、○○ウォーカー等の情報誌。口コミ。
じわじわと情報が、テレビや、情報誌から広がっていき、スターバックスコーヒーは「今までにないようなコーヒーを買って飲める所らしい」という認識が

もっとみる
インスタント酩酊

インスタント酩酊

ストロングゼロにまつわる、面白い話はたくさんある。ストロングゼロについて書くなんて今更感があると思うけど、約1カ月振りにストロングゼロを飲んだので、ストロングゼロの事を書きたい。ストロングゼロという単語がたくさん出てくるから、ストロングゼロ断ちをしてる方は読まない方がいいと思う。

ストロングゼロが麻薬だ、とネット界隈で揶揄されるようになって、影響されやすい私は「もう飲むのやめとこう」と思った。ス

もっとみる
幼稚園の頃のお弁当

幼稚園の頃のお弁当

自分が子供の頃、幼稚園に行く事があまり好きじゃなかった。出来る事なら行きたくなくて、熱を出して休めないか、とかそんな事ばかり考えていた。

私の娘は・・・というと、正反対で全くそんな事はなく、とっても楽しそうに幼稚園に行っていた。年中さんの時は熱や風邪で何日か休みはしたが、年長さんの時は、指定の登園日は休むことなく、皆勤賞でみんなの前でたった一人表彰された。すごすぎる・・・と母親の私は他人事の様に

もっとみる
子供の一月一日

子供の一月一日

「お年玉いくら貰えるかな?」

「私の方がお姉ちゃんやねんから、私の方が多いに決まってる。」

大晦日の日。早めに寝るように促され、年が2つ下の妹と一緒に布団に入った。足が冷たくてそわそわする。妹の足に自分の足をつけたら、妹の足も冷たかった。

妹は私の台詞に不服そうだったが、しょうがないと理解したのか

「おせち料理たのしみやな・・・」

と、言いながら寝息を立てていた。私は、新しい年が来るワク

もっとみる
ビスケットとアルバイトのお姉さん

ビスケットとアルバイトのお姉さん

中学生の頃、よく友達とファーストフード店に行っていた。よく色んなファーストフード店に行ったし、よくそんなにも喋ったものだ、と思う。

超が付くほどのオタクだったので、週刊誌の少年漫画のキャラがどーのこーのという話や、あーんな事やこーんな事の妄想話に花を咲かせていた。約20年前は、「アニメオタク」的な趣味をもった人は、とんでもなく寒い目で見られていた。オタクはスクールカースト制度の中でも最下位に位置

もっとみる
普通のお昼ご飯

普通のお昼ご飯

「ただいま。」

これが家に帰ってきた時の第一声である。マスクでくぐもって不機嫌な声に聞こえる。だいたい、私が家に帰ってきた時は誰も家にいないので「ただいま」もへったくれもないのだ。むかーし母親に「誰も居なくても、ただいま、って言うねんで、家の神様に。」と言われていたので、それを律義に守っている。

家に帰るとお昼ご飯を食べる。朝、簡単に準備をしてから、家を出るようにしている。家に帰ってからも、や

もっとみる
子供を産んだ後の自分のおやつ

子供を産んだ後の自分のおやつ

子育ての仕方や常識、というのは、年々情報が変わっていく。今はどうかはわからないけど、私が子供を産んだ時は・・・

母乳育児促進期間中か?何のキャンペーンだよ!と、いうぐらい母乳を飲ませることを推奨していた。

極端な言い方、かもしれないが、母乳さえあげておけば「お風呂あがりの湯冷ましがいらない」「果汁もいらないよ」「離乳食もそんな焦らずオッケー」「自然卒乳を見直そう」みたいな感じだった。

もう右

もっとみる
ツールへのこだわり

ツールへのこだわり

調理器具にこだわりを持つようになったのは、ここ最近の事。

料理が上手くないうちから、形だけを整えても意味がないからだ、と一応、思っていた。欲しいけど。少しずつ買えばいい。長く使われているものはそうそう廃版にならないから・・・と、自分に言い聞かせていた。

お洒落でシンプルな雑貨屋等でセレクトしているような、ホーローのバットや、鍋等を見ては「欲しいな」と思う。けど消耗品ではないので、そんな軽くぽん

もっとみる