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劇場版名探偵コナンについての雑感

4月中旬、劇場版名探偵コナン「黒鉄の魚影」が公開された。興業収入は公開後3日間で30億円を突破し、歴代のコナン映画で最速である。これまで叶わなかった100億円到達の可能性もありそうだ。私も先週末に地元の映画館で鑑賞した。これまでの劇場版のなかで一番面白かった思う。

ただ、ひとつ気がかりなことがある。詳しくは覚えていないが劇中、登場人物の一人である赤井秀一が「在日米軍は日本を守るためにある」という趣旨のセリフがあったことだ。

別に私は左翼とか反米思想の持ち主ではないが、アニメの中に政治的メッセージを持ち込むことが苦手なのだ(作中では人種差別や年齢差別に反対していることも念のため述べておく)。

本作に限らず近年のコナンの劇場版では政治的メッセージを取り入れていることが多い。

2013年公開の「絶海の探偵」では海上自衛隊のイージス艦に潜入した某国(おそらく北朝鮮)のスパイとコナンとの対決が描かれている。

2018年公開の「ゼロの執行人」ではIR(統合型リゾート施設)で開催予定の東京サミット前に発生したテロ事件を巡り公安警察の活躍が描かれている。また作品の後半で安室が「僕の恋人はこの国さ」と発言している。

2021年公開の「緋色の弾丸」では東京五輪をモチーフにしたと思われるスポーツイベントとリニア新幹線を舞台にしている。

これらの作品に共通しているのは自民党などが主導して推進されている国家プロジェクトが映画の舞台となっていたり、自衛隊や公安警察を礼賛する作風であることだ(つまり右翼っぽい)。

もともと名探偵コナンは各国の警察組織とテロ組織の対決を描いているため、国家や警察を礼賛するようなかたちになるのは仕方がない面があるが、近年の劇場版作品では異様に右翼っぽくなっている。

2013年より前の劇場版では、現在のような自民党推進の国家プロジェクトをPRしたり、自衛隊の宣伝映画のような映画ではなかった。

私は純粋に「黒の組織」や怪盗キッドとの対決を楽しみたい。はやくもとのコナン映画に戻ってほしいと思います。

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