【最高金額27.3億円】2022年7月の資金調達を調査してみた Part1
こんにちは!PreVenture編集部です!
今回のテーマは「7月前半資金調達」です!さまざまなことが影響して資金調達が減った6月から1ヶ月がたちました。今月の資金調達の様子はどのようになっているのでしょうか。ラウンド、規模、目的などの観点からそれぞれの資金調達額に注目して、実際に資金調達を達成企業を見ていきましょう!
〇7月資金調達 1日~15日
株式会社カウシェ
事業内容
ショッピングの醍醐味ともいえる「この商品、よくない?」「一緒に買おうよ!」といったコミュニケーションを、オンラインで実現するショッピングアプリ「カウシェ」の開発・運用
金額
22億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回の資金調達は、シリーズBラウンドでBonds Investment Groupをリードインベスターとして、SIG Asia Investments、三井住友海上キャピタル、Sony Innovation Fund、電通グループ、モバイル・インターネットキャピタル、ANRI、グローバル・ブレイン、千葉道場ファンド、デライト・ベンチャーズ、SBIインベストメントを引受先とする第三者割当増資により実施されました。投資家たちは、「カウシェ」のユーザー本人が消費という経済活動へ積極的に参加できるという独自性、個人の力を最大限に発揮できる職場を目指しており、先端的な人事/組織設計にも取り組んでいる点などに共感し投資に踏み切ったようです。
株式会社Goals
事業内容
外食企業向け業務支援クラウドサービスの開発・販売・運用支援
金額
15億5000万円
調達手段
融資
資金調達概要
今回の資金調達はシリーズAラウンドで既存投資家BEENEXT Capital Managementをリード投資家とし、新規投資家Angel Bridgeなど計8社を引受先として行われました。株式会社Goalsは完成度の高いプロダクトを強みに、外食企業のDX、利益率改善に貢献しています。特に投資家からは「人手不足・コスト削減・食材の適正仕入」という外食産業が抱えるペインを解消するソリューションサービス「HANZO」が評価されました。「HANZO」は佐崎代表取締役及びGoalsのチームが顧客の声をもとに改善を重ねるという開発姿勢から生み出されたもので、今後も継続的な機能改善と高い成長が見込まれると判断されたようです。今回の資金調達により、株式会社Goalsの累計資金調達額は19.6億円にまで登りました。
ROUTE06
事業内容
大手企業のビジネスモデル変革を支援するDXパートナー事業
金額
15億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回ROUTE06は、シリーズAラウンドにてALL STAR SAAS FUNDをリード投資家として、ジャフコ グループ、デライト・ベンチャーズ、ジェネシア・ベンチャーズなどの計7社を引受先とした第三者割当増資による総額15億円の資金調達を実施しました。今回の資金調達の引受先にはみずほキャピタルやSMBCキャピタル、三菱UFJキャピタルなどの大手の証券会社が絡んでいるのも注目のポイントです。引取先からはROUTE06の強力なチーム関係や設立後間もない中、名立たる大企業において大きな実績を上げられている点に魅力を感じ、出資を決定したようです。実績や投資家からのコメントを見ても、今回の資金調達がシリーズAラウンドでは理想的な調達になっているようです。
メトセラ
事業内容
線維芽細胞を用いた心臓疾患の治療方法の研究・開発
金額
14億2000万円
調達手段
融資
資金調達概要
今回、株式会社メトセラはCYBERDYNE株式会社および同社子会社が運営するCEJファンド(サイバニクス・エクセレンス・ジャパン1号投資事業有限責任組合)をリード投資家とするシリーズCラウンドについて、同社グループに加え、日本ライフライン株式会社、Sony Innovation Fund、および株式会社レアゾン・ホールディングスを引受先として、14.2億円を調達しました。今回の資金調達によってシリーズCでの資金調達額総計は18.7億円、累計資金調達額は助成金を含めて46億円となりました。リード投資家であるCYBERDYNE株式会社の代表取締役社長、山海嘉之氏は「当社の心疾患の予防・早期発見・管理のためのバイタルセンシング技術と、メトセラ社の心臓線維芽細胞を用いた再生医療による心不全治療技術によって、心疾患に対する新領域の事業開拓が始まります。」と新規事業への期待のコメントを寄せています。
メディフォン
事業内容
医療通訳事業、健康管理SaaS事業、多言語医療支援事業等
金額
11億円
調達手段
融資、第三者割当増資
資金調達概要
東京大学協創プラットフォーム開発、ファストトラックイニシアティブ2号投資事業有限責任組合、Sony Innovation Fund、ケップルによる第三者割当増資と、三井住友銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行、日本政策金融金庫による融資により、総額11億円超の資金調達を実施しました。「my mediPhone」は2021年現在導入期間数8万以上でトップシェアを誇っていて、近年は自治体や学校法人への導入も進んでいます。投資家からは女性や外国人の方々が多く活躍する同社のチームワーク、そして社会の変化と新たなニーズに対応し、新たに提供開始した「midiment」の持つ企業の健康管理を支える新たなインフラとしての可能性が評価されたようです。
株式会社ambr
事業内容
仮想空間「xambr」の開発・運営を行う。
金額
10億2000万円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回、株式会社ambrは電通グループ、SBIインベストメント、インテージホールディングス、Agya Ventures Fund L.P、ANRIの5社を割当先とする第三者割当増資により、総額10億2000万円の資金調達を実施したと発表しました。近年のビジネスの最先端はメタバースです。圧倒的な没入感と生きたコミュニティにより、いずれバーチャル空間上での生活時間がリアル空間の生活時間を超える世界がやってくると考えられています。そんな中で投資家からはambrのいつもエンドユーザーやコンテンツのことを第一に考える体験設計力、ユースケース創造力、そして、多くの方が活用できるメタバース構築技術基盤プロダクト「xambr」の開発力が強く評価されたようです。
株式会社Sanu
事業内容
“自然の中のもう一つの家”を提供するセカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」を展開
金額
8億5000万円
調達手段
融資
資金調達概要
今回、株式会社SANUはシリーズAセカンドクローズにてSBIインベストメント三井不動産、And Doホールディングス、GOLDWIN PLAY EARTH FUND、サムライインキュベート運営ファンド、みずほキャピタル、静岡キャピタルを引受先とした8億5000万円の調達を実施したと発表しました。投資家からは2年後には首都圏周辺を中心に20拠点200棟へ、さらにその後は全国、そして世界へ拡大予定という大きな規模感の目標と、それに対するSANUの実現可能性が評価されたようです。今回の資金調達によってシリーズAラウンド調達額は19億円になり、累計資金調達額は不動産開発資金ならびに融資を加えて約50億となりました。
クラダシ
事業内容
社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」の運営
金額
6億5000万円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回、株式会社クラダシは新生企業投資株式会社が運営するファンド、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND投資事業有限責任組合、ロート製薬、池森ベンチャーサポート、SGインキュベート第1号投資事業有限責任組合を引受先とする総額6億5000万円の資金調達を実施しました。食品の賞味期限の切迫や季節商品、パッケージの汚れやキズ、自然災害による被害などの要因で、消費可能でありながら通常の流通ルートでの販売が困難な商品を買い取り、流通することによってもったいないという想いをきっかけに、同じ想いをしている人たちとつながり、商品をわけあうことをサポートしているという社会貢献性、そしてその事業のサスティナブルな一面が評価されたようです。
シャトル株式会社
事業内容
子供向けプリペイドカード「シャトルペイ」を提供
金額
5億5000万円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
今回、シャトル株式会社はジェネシア・ベンチャーズ、Spiral Capital、NOW、個人投資家などを引受先とする第三者割当増資により、シードラウンドで総額約5.5億円の資金調達を実施したこと、また合わせて、Mastercard、三菱UFJニコス株式会社、TOMOWEL Payment Service株式会社の各社との提携により、2022年1月にβ版ローンチを行った「シャトルペイ」の正式リリースを行うと決定したことを発表しました。
PIVOT株式会社
事業内容
新時代を創る人のための、経済コンテンツサービス「PIVOT」の開発。
金額
5億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
ビジネスパーソンが気になる最新のテーマを、活字記事とウェブトゥーン、映像番組で配信しているPIVOT株式会社は今回ポストシードラウンドにおいてOne Capitalを引受先とした総額5億円の資金調達を実施しました。また、今回の調達は第三者割当増資という形で実施されました。投資家からは昨年の投資から1年でPIVOTという新しいメディアを立ち上げたPIVOT株式会社代表取締役社長、佐々木さんの圧倒的行動力が評価されたようです。今回の投資により、コンテンツと採用への投資を加速し、新ミッションである“日本をPIVOTする”を推進する方針です。今回の資金調達によって、PPIVOT株式会社の累計資金調達額は8億5000万円となりました。
株式会社スマートバンク
事業内容
“家計簿アプリ”と“Visaプリペイドカード”がセットになった“家計簿プリカ”という新しいサービス「B/43」の運営
金額
20億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
株式会社スマートバンクはグロービス・キャピタル・パートナーズ、グローバル・ブレイン、Z Venture Capital、ANRI、三井住友海上キャピタル、DBJキャピタルを引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドにて総額20億円の資金調達を実施したと発表しました。投資家からはユーザーにしっかりと寄り添うという点や、スマートバンクが前回の資金調達以降、期待を上回る成長を見せている点が評価されました。スマートバンクはB/43をリリースしてから、わずか1年弱で、累積決済件数100万件超え、月間決済取扱高は数億円規模まで成長しました。この成長スピードの速さも投資家が投資を決めた要因の一つになるでしょう。今回の資金調達によって累計資金調達額は30億円となります。
READYFOR株式会社
事業内容
クラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営
金額
17億円
調達手段
第三者割当増資
資金調達概要
READYFOR株式会社はJICベンチャー・グロース・インベストメンツ、第一生命保険、フォースタートアップスキャピタルを引受先とした第三者割当増資により、シリーズCラウンドで約17億円の資金調達を実施したと発表しました。今回の資金調達において、投資家はREADYFOR株式会社が資本主義社会を補完する新たな金融のしくみを創造すべく、日々社会課題解決に挑戦する企業、自治体、個人とともに事業成長を遂げているという点に共感したようです。また、READYFOR株式会社の成長がソーシャルスタートアップ支援のエコシステムを強力に発展させると考えられてもいるようです。これによってREADYFOR株式会社の累計資金調達額は33億円にまで登りました。
株式会社KAKEAI
事業内容
ミドルマネジメント層のメンバーマネジメントの実態を改善するAIクラウドシステム「KAKEAI」の運営
金額
11億円
調達手段
融資
資金調達概要
株式会社KAKEAIはシリーズAラウンドにて、モバイル・インターネットキャピタルをリード投資家とし、DBJキャピタル、博報堂DYベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル、イノベーション・エンジン等を引受先とした、総額11億円の資金調達を実施したと発表しました。働人口減少や雇用流動化の潮流を受け、従業員の事業生産性を高めるために、従業員リテンションを最大化させるための高度なマネジメントスキルが求められる現代において、同社が提供する「Kakeai」は組織間コミュニケーションの円滑化及び活性化に寄与し、マネジメントに関する当該課題を解決できるプロダクトだと投資家からは評価されています。
株式会社Voiicy
事業内容
音声プラットフォーム「Voiicy」の開発・運営
金額
27億3000万円
調達手段
融資
資金調達概要
株式会社Voiicyは既存投資家に加え、新規で海外投資家や国内投資家、ユーザーであるVoicyのパーソナリティなど個人投資家を引受先とする総額27億3000万円の資金調達を実施したと発表しました。現在、欧米や中国を中心に音声市場は拡大しています。少し遅れをとっている日本の中でも、Voiicyはエンジニアを含めた組織作りが進み、熱い想いをもった素晴らしいチームでスピード感を持った機能開発、サービス提供ができるようになっています。投資家からはこの点が評価されて資金調達に成功するに至ったようです。今回の資金調達で累計資金調達額は36億円となりました。
株式会社助太刀
事業内容
建設業現場と職人をマッチングするプラットフォームアプリ「助太刀くん」の運営
金額
18億5000万円
調達手段
第三者割当増資に加え、複数金融機関からの転換社債型新株予約権付社債ならびに融資
資金調達概要
株式会社助太刀はMPower Partners Fund、はたらくFUNDおよび既存株主含む複数投資家を引受先とする第三者割当増資に加え、複数金融機関からの転換社債型新株予約権付社債ならびに融資により総額18億5000万円の資金調達を実施したと発表しました。日本の建築業界では現在、深刻な人手不足と高齢化が大きな課題となっています。投資家は全国で約500万人の方々が働かれている建設業界や職人の世界で、デジタルを活用し、より働きやすく、効率的に、建設現場で働く職人さんの働き方や職場環境をより良くアップデートされていく助太刀のミッションやプロダクトに共感し、投資を決定したようです。職人側と建設会社側双方の課題に寄り添いながら業界変革を目指しているという点でも、共感を得たのだろうと考えられます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は7月の資金調達についてフォーカスしていきました。100億円を超えるような大きな資金調達は実施されなかったようですが、6月に比べると多くの企業が資金調達を成功させているという印象を受けました。後半はどのような資金調達が行われているのでしょうか。それではまた次回の記事でお会いしましょう!
最後に。。。
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