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Amazon.co.zaに続けAmazon.ie!2025年アイルランドにAmazon開設

今月はじめ、ついにAmazon.co.zaが南アフリカにローンチされました。

アフリカ大陸では2021年にエジプトにAmazon.egが開設されており、同大陸で2番目のAmazonとなります。

“Amazonは世界中にあるECモール”だとついついイメージしがちですが、実はそうでもありません。
Amazon.com、Amazon.co.jp、Amazon.co.ukなど、国独自のドメインで展開されているのは、今回の南アフリカを含め現在23か国。
また、ドメインがある国でナンバーワンのECモールかというと、それも決してそうでもなく、例えば中国ではAmazonよりもやはり自国の有名どころのECモールが圧倒的に人気を博していますし、エジプトでもまた、ナイジェリア発のインターネットマーケットプレイスJUMIA(ジュミア)に圧されています。

されどAmazon。
Amazon.comだけでも2022年の月間訪問者は20億人以上に達し、昨年2023年時点で世界最大のオンライン小売業者および市場、スマートスピーカープロバイダー、AWSを介したクラウドコンピューティング サービス、Twitchを介したライブストリーミングサービス、およびインターネット企業などと言われています。
米国のBig Techの1つとしても有名ですよね。

さて、そんなAmazonですが、今月5月6日に南アフリカでのローンチを発表したわずか3日後、次の新たなフロンティアを発表しました。

今日はそのお話です。


Amazonがアイルランド専用のオンラインストアを開設中

アイルランドのオンラインショッピング利用者は、来年からAmazonの専用ドメインを利用できるようになる。このドメインでは、「低価格、現地価格、追加関税なし」の幅広い商品が紹介されます。買い物客は、アイルランド企業の品揃えの拡大、迅速な配送、より簡単な返品を期待できる。

Amazon.ieは、アイルランドのオンラインショッピング利用者の多くが購入するイギリスのオンライン市場のリーダー、Amazon.co.ukのオープンから27年後の2025年にオープンする。アイルランドに専用ストアを開設することで、Amazonは既存顧客と新規顧客の小売体験を向上させることを目指している。

ビジネスチャンス

この店舗は、2022年にダブリンに開設されたAmazon初のフルフィルメント・センター(写真)に続くもので、すでに週7日、全国の顧客に迅速な配送を行っている。Amazonの英国・アイルランド担当カントリー・マネージャー、John Boumphrey氏は、配送スピードのさらなる向上を約束した。

Amazon Fulfilment Centre, Baldonnell, Dublin.(Amazon launching new online store in Ireland, Amazon.ie, in 2025 / Amazon EU)

買い物客にとってのメリットに加え、Amazon.ieは販売者にとってもメリットがあるとしている。Boumphrey氏は、「アイルランドの中小企業にとって、国内外のより多くの人々に商品を届ける大きなチャンスとなるでしょう」と述べている。

これは、アイルランドに対する我々の継続的なコミットメントを強調するものだ。

同社によると、すでに1,000社を超えるアイルランドの中小企業(SME)がAmazonで販売しており、2022年だけで1億5,000万ポンド以上の輸出売上を生み出している。中国の競合企業との戦いの中で、Amazonは欧州の中小企業の取り込みに力を入れている。

ヨーロッパのAmazonドメイン取得店

Amazonは、ヨーロッパ諸国向けの専用オンラインストアの数を着実に拡大している。
昨年、同社はBVOH(Bundesverband Onlinehandel)の「ヨーロッパで最も人気のあるトップ150のオンライン・マーケットプレイス」で、ドイツ、イギリス、イタリア、フランス、スペインの5つのAmazonが上位10位内に入っている。
また近年、Amazonはオランダ、スウェーデン、ポーランド、ベルギーに国ドメインの正規店舗を開設している。

Source:
Amazon launching dedicated online store for Ireland(Ecommerce News Europe)
Amazon launching new online store in Ireland, Amazon.ie, in 2025(Amazon EU)

おわりに

中国発のECマーケットプレイスは、一応彼ら独自のリサーチをおこなった上で…ではあるでしょうが、この国!この地域!とターゲットを決めたら、あらゆる手段で瞬く間に市場を拡大していくイメージが(すみません)ありますが、Amazonの国・地域開拓は慎重にリサーチをおこない、物流環境をよく整えた上で、まるで外堀からじわじわ攻めていくように店舗を増やしているように思えます。

長年イギリスのAmazon.co.ukを利用していたアイルランド。
Amazon.co.ukもAmazonの中では歴史もありユーザー数も多いですから、そのまま使用していた方が使い勝手もわかっていて良いのでは?と思いました。
しかし、BrexitによりEUを離脱してしまったイギリスからの越境ECは、EU加盟国であるアイルランドにとっては何かと不便なこともあったのではないかと推測できます。

最近アイルランドでは、米半導体大手Intel社が、アイルランドに110億ドル(100億ユーロ)の半導体工場を建設するため、Apollo Global社と独占交渉に入るなど、大国アメリカをはじめ各国からビジネスの場として注目が集まっています。

アイルランドはEU他国に比べると、あまり注目を集める国ではありませんが、例えばスペインなどに比べれば、格段に経済が安定している国の1つです。
今後、アイルランドはEUを牽引する主要国に成長していくのではないかと、個人的に感じています。


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