怖い?涼しい?バレンシア・ミステリーツアーで体感するオカルトの恐怖①
スペインでは、6月下旬から子供たちの夏休みが始まり、今月に入ってから夏の大セール期間「Rebajas(レバハス)」も始まりました。
一足お先に夏が来ております。
ここ数年というもの、バレンシアの夏は尋常じゃなく蒸し暑く、こんな時は何かヒンヤリするものがほしいですね~。
ヒンヤリするもの…。
納涼…。
そんな時こそオカルトじゃん?
パラノーマルじゃん?
怪奇で涼む概念はスペインにあるのか?
結論から言ってしまうと、スペインでは怖いもので涼むという概念はありません。
ホラー映画やハロウィン、お化け屋敷を楽しむ人は大勢いるけど、それは別に夏だから、暑いから、というわけではないんですよね。
バレンシアでは毎年7月はFeria(フェリア)の時期で、移動遊園地が設置されたり、ほぼ毎日のように様々なイベントが開催されますが、肝試し大会は聞いたことがないかも。
移動遊園地にお化け屋敷はありますけどね。
お化け関連のイベントは、やはりハロウィンの時期が多いイメージがあります。
ちなみにですが、それではなぜ日本では夏と言えば怪談や肝試しなど、怖いものが盛り上がるのか。
1つは、怖がってゾッと身震いする=涼める!ということで、江戸時代に「東海道四谷怪談」などが歌舞伎で上演されていた歴史的な大衆文化があります。
もう1つは、宗教の観点からお盆が関係していると思います。
お盆は死者がこの世に“一時帰省”してくる期間なので、人々の生活や感覚も死者に最も寄り添ったり近づく期間でもあります。
スペインをはじめ欧米でハロウィンの時期にお化け関連のイベントが多いのは、日本のお盆の感覚と似たものなのではないかと思います。
スペインのお盆(…と私は勝手に呼んでいます)は、ハロウィンの翌日11月1日で、Día de Todos los Santos(諸聖人の日)と言います。
この日スペインはお墓参りの日でもあるんです。
同じくカトリック教徒が多いメキシコでは、11月1日を「死者の日」とも言いますよね。
◇ ◇ ◇
それから、これは個人的にも肌で感じていることなんですけど、私の周りのスペイン人は幽霊の存在を信じている人はほとんどいません。
(スペイン人は全員!という意味ではなく、あくまでも私の周りでは、です。)
この世に恨みつらみや未練がある人が、この世にまださまよっている…というような考えは、あまりないようです。
人は死んだら、神の元へ行き幸せに暮らす。
カトリックの宗教の考え方が深く影響しているからでしょうね。
これがこちらでは一般的な、当たり前とも言える感覚です。
しかし私は日本人!
しかし私は日本人!
幼少期の夏はプールと「あなたの知らない世界」三昧ですくすく育ち、思春期は兄の部屋に忍び込んで「ムー」を読むのが日課。
大人になった今でもオカルト系Youtube見まくりで、3度の飯も好きだがオカルトも大好き!
立派なオカルトおばちゃんに育ちました笑。
バレンシアのミステリーツアー「Rutas Misteriosas VALENCIA PARANORMAL」
本格的に暑くなってきた今日この頃、日本人ならオカルトで涼まないと夏は始まりません!
というわけで、今回私はバレンシアのミステリーツアー「Rutas Misteriosas VALENCIA PARANORMAL(ルータス・ミステリオサス バレンシア・パラノーマル)」に行ってきました。
びっくり!
スペインにもこんな粋なイベントがあるんですねー✨
このツアーでは、普段から見慣れている建物にまつわる身の毛もよだつ歴史、過去にそこで起きた事件などの解説を聞きながら、バレンシアの街を巡ります。
実はこの「Rutas Misteriosas」ツアー、バレンシアだけでなくスペイン各地で年中開催されているようです。
こ、これは…!!!
いつかスペイン全国のミステリーツアーを制覇しなければならない!と私のオカルト脳が早速うずうずしておりますが、今回はとりあえず、我がホームタウン、バレンシアのミステリーツアーを紹介して、皆さんにも涼しくなっていただこうと思います。
さあさあ!皆さん!
トイレに行くなら今のうちですよ!
読み終わってからトイレ行けなくなっても、当noteは一切責任を負いかねますからね!笑。
怪異はすでに起きていた!?
この日のツアー集合時間は21時。
その前に軽く食事をするため、私は少し早めに家を出ました。
いくら天気予報が雨だと言っても滅多に(もしくは大して)降らない、太陽とお友達の街バレンシア。
なのにこの日はめずらしく夕方から雲が立ち込め、今にも雨が降り出しそうな怪しい空になってきました。
風もなく、蒸し暑さも半端ない。
まるで我々のツアーの行く手を阻んでいるかのようです…。
◇ ◇ ◇
同行してくれる友人との待ち合わせは20時。
Las Fallasで巨大な聖母マリア像が建つ場所でもお馴染みのPlaza de la Virgenを横切り、待ち合わせ場所のガレット屋さんで軽く夕食を取ることにしました。
チーズたっぷりのピザを遅いお昼ご飯で食べてしまっていたこの日、「あんまりお腹が空いてないけどガレットは食べたい」と気さくなイケメンフランス人店員に相談した結果、「これがいいよ!」と勧められて注文し、出てきたのがまさかのチーズたっぷりガレット。
あの店員はきっと闇の何かに操られていたに違いありません…。
チーズ好きの闇の何かに。
友人が自身のスモークサーモンとアボカドのガレットを半分こしてくれました涙。
友人と久々の再会で、お互いの積もる話を♪とお喋りを始めるや否や、付近のカテドラルや教会の鐘が一斉に鳴り始めました。
それがまた終わらないったらない!
あちこちでリンゴーンリンゴーン鳴ること軽く30分!
長すぎるってマジで!
30分はないってー!
声張らないと会話が全然聞こえないwww
でも、あの鳴りやまない大量の鐘の音はきっと、「今ならまだ間に合う。(ツアーに)行ってはならない。」という、私たちへの警告だったんだと、今ならそう思います…。
いやでもツアー、お金払ってますからね。
行きますよ。
神よ、俗にまみれた愚かな我々をお許しください。
ツアー代14€、背に腹は代えられなかったのです。
◇ ◇ ◇
しかし、あの鐘の警告は、ツアーへの警告ではなかったのだと、この後すぐ、そう、もうなんなら鐘が鳴り止んだ直後に思い知らされます。
ようやく静かになって「やっと会話できるねー。」なんてホッとしていたのも束の間、今度はどこからともなく陽気なカスタネットの音と歌声が!!!
今思えば…、
今思えばですよ?
これがこの日最大の恐怖だったかもしれません。
この蒸し暑い中、ディナータイムで賑わうレストラン街を、両手にカスタネットを携えた陽気な老紳士が、これまた陽気な歌を歌いながらステップ踏んで近づいて来るじゃありませんか!
畳みかけてくるお喋りの妨害www
海外ではあるあるだと思いますが、ここスペインでも、こうしてテラス席で食事やお茶をしていると、時折いろんな人がやってきます。
歌を歌う人、演奏する人、物売り…。
彼らはパフォーマンスを披露した後、各テーブルを回って小銭を求めます。
夏は特に、これで小遣いを稼いで各地を旅する若いバックパッカーの姿も見かけたり。
必ず小銭を払う必要はなく、もちろん断ってもOK!
でもさすがに今回はかなりお年をめしたおじいちゃんの迫真の(!)パフォーマンスだったので、無下にするには胸が痛む…。
私たちのテーブルに回ってきた時、私はコインを集める彼のキラッキラのハットに1€コインを入れました。
無意識のうちに「一緒に写真撮っていただけますか?」と声をかけた私。笑。
きっと私のオカルトレーダーが、おじいちゃんの陽気パワーはミステリーツアーで悪霊を寄せ付けない強力な護符になる!と直感したんですね…。
そうに違いない。
さらなる恐怖
さて皆さん、ここでお気づきだろうか…。
(『ほんとにあった怖い話』風。)
このnoteが、本題のミステリーツアーの話に辿り着く前に、前振りだけですでに3500文字以上費やされているということを。
ぎやぁぁぁーーーー😱😱😱
前置きが長すぎるという、これ以上の恐怖があるだろうか!(ライターにとって)
えっと…、
早速タイトルに「①」を付け加えました💦
次回はいよいよミステリーツアーの全貌をお伝えします!
華麗なる肩透かし、御免!
次回、刮目して待つべし!!!
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