弁護士のメモ帳 とりあえず、勉強法から

弁護士です。旧司法試験、論文試験12位合格、全科目A評価。 ですが、7回受験しました。…

弁護士のメモ帳 とりあえず、勉強法から

弁護士です。旧司法試験、論文試験12位合格、全科目A評価。 ですが、7回受験しました。論文試験1点差不合格を経験しています。 人生の前半を勉強に費やしたので、自分の勉強法が誰かの役に立てばいいな、と思ってメモしています。

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1受験勉強について 勉強法確立の必要性

■勉強スタイルの確立のために  大学受験までの勉強は、教材や塾なども豊富にある上、仮に勉強がうまく行かなくても目標自体を下げることも許される世界での勉強です。  …

法的文章の書き方 イロハのイ

この文章は大学1、2年生に向けて書いているつもりです。   自分自身法律を学び始めたときに「これ」を理解していないまま法律の勉強を始めて、後になって「これ」を理解…

16私の勉強法3-1 試験時間の使い方

 試験は、限られた試験時間の中で優劣を競うことが前提となるものです。  したがって、試験のための勉強では、限られた試験時間を最も有効に使う、最も得点を獲得する方…

私の勉強法7 試験場で知らない問題がでたら

 試験は、一定の知識があることを前提に問題を出し、試験時間内に一定の点数以上獲得したものに資格を与えるものです。  効率的に時間を使うという意味で、試験時間を制…

私の勉強法6 暗記を軽視しない

■ 知識問題における暗記を重視  基本問題で、用語の定義や英単語の意味、日本史や世界史の年号、漢字の書き取りなど、単純に知っていれば終わりというものでは、暗記す…

20私の勉強法5 勉強範囲を減らす

☆鉄則 勉強範囲を減らしていく  勉強範囲を減らすことは、とても大事なことです。  受験勉強は、時間との勝負です。他の人が1か月かけている科目を1週間で復習でき…

19私の勉強法4-2 間違いの記録は学習の歴史書

■山本七平 『日本人の人生観』 この本に、以下のような記述があります。  トサフィストという、みなさんのあまり聞きなれない言葉があるんですが、これは欄外(トサフ…

18私の勉強法4 間違いを記録する

☆鉄則 間違いを記録に残す  ただ解いて、解けなくて、そのまま次に進むというだけでは不十分です。  その問題での思考過程をメモとして残すこと。  解けなかったこと…

15私の勉強法2-4 問題集の選び方

◾️問題集は解説で選べ  演習で解けなければ、すぐに答えと解説を見るようにします。入学試験、資格試験は答えがあり、わからない問題の答えを知ることができるのが一つ…

14私の勉強法2-3 わからなければどんどん飛ばす

鉄則 わからなければ飛ばす ◾️ 初見で解けないのは当たり前  初めて見る問題を、普通は考えて解けません。少なくとも自分には解けません。  知っていることを思い出…

13私の勉強法2-2 標準的な問題集を繰り返す

■☆鉄則 標準的な問題集をくりかえすこと。 「基本重視+反復演習」これは、反復練習で基本問題を瞬殺できるようになることが目的です。  したがって、演習問題の量は…

12私の勉強法2-1 演習中心主義

 私の勉強法は演習中心です。他の人にも、日々の勉強を演習で進めることを勧めます。  何を当たり前なことを、と思うかもしれませんが、何度も不合格になり、いろいろ試…

17私の勉強法3-2 知識問題で考えない

■ 試験における知識問題の割り切り  試験中に単純な知識問題で悩むのは時間の無駄です。こういう問題で悩んで時間を使ってはいけません。  歴史の年号を問う問題や、…

11私の勉強法1-3 基本重視と正答率

 旧司法試験受験生時代、択一と呼ばれたマーク式の足切り試験がありました。足切りとはいえ結構難しく、きちんと対策を取らなければ一度通過したことがある人でも落ちてし…

10私の勉強法1-2 基本重視は一番楽

基本重視は楽である  基本事項を徹底して学習し、試験では基本問題を瞬殺(時間をかけずに回答)し、また基本点な点数を確実に確保すること。  これを学習の鉄則とする…

9私の勉強法1 基本の重視

『鉄則1 基本の重視』 ■基本を重視する。 「基本なくして応用なし。」 自分が司法試験に合格し採点をする側になってみて感じることは、勉強しているのに合格しない人…

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1受験勉強について 勉強法確立の必要性

■勉強スタイルの確立のために  大学受験までの勉強は、教材や塾なども豊富にある上、仮に勉強がうまく行かなくても目標自体を下げることも許される世界での勉強です。  《勉強法を確立する》ということを意識しないまま受験に臨み、漫然と成績に基づき進路を決めている受験生が多いと思います。  合格のための「勉強法で迷う」ということはあまりなく、このこと自体がピンと来ないかもしれません。  これに対し資格試験などでは「ある試験に受からなければならない」、「絶対合格したい」、「この職業につ

法的文章の書き方 イロハのイ

この文章は大学1、2年生に向けて書いているつもりです。   自分自身法律を学び始めたときに「これ」を理解していないまま法律の勉強を始めて、後になって「これ」を理解したのですが、理解する前と理解した後では、文章の書き方がずいぶんと変わりました。 「これ」というのは、法的三段論法です。  ある意味、法的文書の暗黙のルールであり、これを守らない文章は、法的な文章ではないです。言ってみると、単なる演説であったり、アジビラであったり、評論家の意見です。  法的三段論法を守ることに

16私の勉強法3-1 試験時間の使い方

 試験は、限られた試験時間の中で優劣を競うことが前提となるものです。  したがって、試験のための勉強では、限られた試験時間を最も有効に使う、最も得点を獲得する方法を意識して勉強する必要があります。  そのため、 ・事前に準備できることは準備して試験に臨む。 ・試験場では考えない。試験場は日々の学習で考え覚えてきたことをアウトプットする場所である。 ・日頃の勉強の中で、理解できないことは悩み考えておく。 という姿勢が必要です。  演習中心の勉強をする場合、問題を解いて、解説

私の勉強法7 試験場で知らない問題がでたら

 試験は、一定の知識があることを前提に問題を出し、試験時間内に一定の点数以上獲得したものに資格を与えるものです。  効率的に時間を使うという意味で、試験時間を制するものが受験を制するのです。  もっと言えば、時間を制するものは、人生を制すると言っても過言ではありません。  時間管理は、人生管理です。 ◾️試験場では極力作業をする  事前に予想される問題については、事前に考えていなくてはいけません。  事前準備できることは、日頃の学習の中で考え、一応の答え(出たらこうするとい

私の勉強法6 暗記を軽視しない

■ 知識問題における暗記を重視  基本問題で、用語の定義や英単語の意味、日本史や世界史の年号、漢字の書き取りなど、単純に知っていれば終わりというものでは、暗記するしかありません。  暗記教育を批判する人はたくさんいますし、自分自身暗記頼りの勉強は好きではありません。  しかし、長年の受験勉強を体験してみてわかることは、試験においては「知っている」ということは何にもまして強みであるということ、また、よくわからないまま暗記したことでも、何度も使っているうちに、自然に使いこなせ

20私の勉強法5 勉強範囲を減らす

☆鉄則 勉強範囲を減らしていく  勉強範囲を減らすことは、とても大事なことです。  受験勉強は、時間との勝負です。他の人が1か月かけている科目を1週間で復習できるなら、大きなアドバンテージになります。自信を持って解ける、つまり「瞬殺」できるようになったら、勉強範囲から外しましょう。  演習を繰り返しているうちに、見た瞬間に「回答までの道筋が見える」問題、瞬殺できる問題が増えていくようになります。  この段階までくると、初めの全ての問題がわからない問題だった頃と比べ、自分の

19私の勉強法4-2 間違いの記録は学習の歴史書

■山本七平 『日本人の人生観』 この本に、以下のような記述があります。  トサフィストという、みなさんのあまり聞きなれない言葉があるんですが、これは欄外(トサフト)から来た言葉で本の欄外に自分の見解とか注記とかを順々に書き込んでいった人たちのことをいいます。昔の写本は欄外が広いですから、そこにさまざまな注記を書き込んでいった。これをまた一定時期に再編成しまして、それからまた注記を書き込んでいく。これを一千年ぐらい続けていたのが結局ヨーロッパという歴史であろうと思います。

18私の勉強法4 間違いを記録する

☆鉄則 間違いを記録に残す  ただ解いて、解けなくて、そのまま次に進むというだけでは不十分です。  その問題での思考過程をメモとして残すこと。  解けなかったこと自体は、何も問題ではないし、解けるまでその問題で足踏みする必要は全くありませんが、どこが解らなくて間違えたのかをメモに残すことが大切です。  ミスのメモを残すことで、自分が間違える傾向の「見える化」「パターン化」をします。  これをしないと、せっかくの演習の意味が減ってしまいますし、記録を残してみると、意外なほど

15私の勉強法2-4 問題集の選び方

◾️問題集は解説で選べ  演習で解けなければ、すぐに答えと解説を見るようにします。入学試験、資格試験は答えがあり、わからない問題の答えを知ることができるのが一つのメリットだと思います。  すぐに回答・解説を見るのだから解説が詳しい、わかりやすい問題集を選ぶのが重要です。時々、答えは書いてあっても解説がなかったり、薄かったりする問題集がありますが、「何故この答えになるのか?」という謎ばかり残りますのでお勧めできません。解説が詳しければ、問題数は少なくても構いません。  自分

14私の勉強法2-3 わからなければどんどん飛ばす

鉄則 わからなければ飛ばす ◾️ 初見で解けないのは当たり前  初めて見る問題を、普通は考えて解けません。少なくとも自分には解けません。  知っていることを思い出して解くのが普通であり、「考えて」は解いていません。  その場で「考えて」解けるなら勉強はいらない。  解けないのが当たり前なので、解けない問題を前にして、そこで考え過ぎるのは時間の無駄です。  少し考えて解らなければ、素直に答えを見ましょう。  だから、解説が詳しく、わかりやすい問題集を選ぶのです。  日頃の勉

13私の勉強法2-2 標準的な問題集を繰り返す

■☆鉄則 標準的な問題集をくりかえすこと。 「基本重視+反復演習」これは、反復練習で基本問題を瞬殺できるようになることが目的です。  したがって、演習問題の量はさほどいりません。  とにかく反復できることが必要です。  自習で一度解けても、しばらくすると忘れて、解けなくなってしまいます。解き方を忘れないようにするための反復です。  繰り返さないと忘れてしまいます。試験は他の学生との勝負ですが「日々の勉強は忘却との勝負」です。  また、繰り返すことで、次第と機械的に短時間で解

12私の勉強法2-1 演習中心主義

 私の勉強法は演習中心です。他の人にも、日々の勉強を演習で進めることを勧めます。  何を当たり前なことを、と思うかもしれませんが、何度も不合格になり、いろいろ試して、やっぱり問題演習抜きに効率的な受験対策はあり得ないとの結論に至った上での「やっぱり演習中心主義」です。  演習中心に学習してるのに成績が伸びない人は、別の問題点があると思うので、演習中心であることは変えないで欲しいと思います。  ここで言う演習中心主義とは、 ・インプットの段階から問題集を解いていくこと。 ・目

17私の勉強法3-2 知識問題で考えない

■ 試験における知識問題の割り切り  試験中に単純な知識問題で悩むのは時間の無駄です。こういう問題で悩んで時間を使ってはいけません。  歴史の年号を問う問題や、漢字の書き取り問題、などが知識問題の典型です。知らなければ分かるはずがありません。  知らなかったり、忘れてしまったならば「今日の運試し!」と思うしかありません(特にマークシート式試験の場合は。)。試験中に思い出すことができるかどうかは、偶然に過ぎません。知識問題を悩むのは、限られた試験時間中に運試しに時間を使ってい

11私の勉強法1-3 基本重視と正答率

 旧司法試験受験生時代、択一と呼ばれたマーク式の足切り試験がありました。足切りとはいえ結構難しく、きちんと対策を取らなければ一度通過したことがある人でも落ちてしまうような試験です。  ある模試で不合格点をとった後、回答を正答率が高い順番に並べてみたところ、正答率8割を超えるような問題を普通に解けば、合格点をとれていることに気がつきました。  以前は、間違えた問題の全てを解けなくてはならなかったものとして考え、他方でケアレスミスによる失点を軽く見ていたので、正答率が2割のよう

10私の勉強法1-2 基本重視は一番楽

基本重視は楽である  基本事項を徹底して学習し、試験では基本問題を瞬殺(時間をかけずに回答)し、また基本点な点数を確実に確保すること。  これを学習の鉄則とすることは、日々の学習を楽にします。 学習範囲を限定できる効果  まず、基本事項の範囲は限られていますので、日々の学習範囲を限定できます。限定された範囲の学習は心理的にも「楽」になります。応用問題に手を広げていき、無限の学習範囲を前にすると心理的には絶望です。どれだけ勉強しても「絶対に終わらない」と感じながら勉強する

9私の勉強法1 基本の重視

『鉄則1 基本の重視』 ■基本を重視する。 「基本なくして応用なし。」 自分が司法試験に合格し採点をする側になってみて感じることは、勉強しているのに合格しない人は、基本事項をおろそかにしている人が多いということです。  一通りのことを書いている感はあっても、実際は理解していないことが答案から伝わってきます。  司法試験に限らず、論述型の試験を受ける方は、基本的な事項を徹底的に理解し、自分の身体に染み込ませ、概念として使いこなせるようになっていなくてはいけません。そうで