11私の勉強法1-3 基本重視と正答率

 旧司法試験受験生時代、択一と呼ばれたマーク式の足切り試験がありました。足切りとはいえ結構難しく、きちんと対策を取らなければ一度通過したことがある人でも落ちてしまうような試験です。

 ある模試で不合格点をとった後、回答を正答率が高い順番に並べてみたところ、正答率8割を超えるような問題を普通に解けば、合格点をとれていることに気がつきました。
 以前は、間違えた問題の全てを解けなくてはならなかったものとして考え、他方でケアレスミスによる失点を軽く見ていたので、正答率が2割のような問題も解けなくてはいけないと必死に復習していたのですが、結局、その試験で合格点を取れないのは、8割の人が解ける問題を間違えていたからだ、と気がつきました。

 ケアレスミスの1点も、難問を正解したときの1点も同じ1点であり、基本重視(この場合はケアレスミスを防ぐということ)をすれば、合格点に達していたわけです。

 それまでは、人より一点でも多くとるには、人より多くの知識が必要と考えて、まず解けない問題を無くすことに力を注いでしまっていました。
 その結果、学習範囲が増え、勉強量は増えていくのに、基本事項の学習が薄くなります。薄い学習では記憶の定着が不十分になり、基本的なことでのミスを生んでしまっていたと思います。

 こういうことに気がついてから、正答率が高いにも関わらず、自分が間違えた問題を中心に復習をするようになりました。ほとんどが凡ミスや基本事項の記憶違いで、復習がしやすくなりました。正答率が低い問題は、間違えてもあまり気にせず、解説読んで、ヘーと思って終わりでいいです。

 基本事項に勉強範囲を絞りましょう。その絞る時の目安が「正答率」です。他の人が解けるなら、自分も解けなくてはいけません。自分の経験では、初期の勉強では、正答率80%をカットラインにしていた時期がありましたが、模試などで合格推定点を超えるのが当たり前になった後は、50%をカットラインに下げました。この辺りは試験によって違うので、自分の目標とする試験の合格ラインと正答率を知っておく必要はあります。

 この合格ラインを意識した勉強の目的は、学習範囲限定のためです。
 学習範囲が少なくなれば、反復演習が容易になります。繰り返し学習すれば、記憶が定着し、試験場で出会ったとき瞬間で正答を判断することが可能になり、逆に捨て問題の峻別もし易くなります。その裏返しとして、応用問題に時間を残せるようになり、応用問題でも得点しやすくなるのです。


☆学習範囲を限定する。その目安に正答率を意識すること。
 知らないことは無限にあります。全てを知ることは受験には不要で不可能です。
 範囲が限定されたり、ゴールが見える勉強は、時間的、金銭的、心理的にも楽です。
 楽なことは続けられ、続ければ成績は上がります。

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