20私の勉強法5 勉強範囲を減らす

☆鉄則 勉強範囲を減らしていく

 勉強範囲を減らすことは、とても大事なことです。
 受験勉強は、時間との勝負です。他の人が1か月かけている科目を1週間で復習できるなら、大きなアドバンテージになります。自信を持って解ける、つまり「瞬殺」できるようになったら、勉強範囲から外しましょう。

 演習を繰り返しているうちに、見た瞬間に「回答までの道筋が見える」問題、瞬殺できる問題が増えていくようになります。
 この段階までくると、初めの全ての問題がわからない問題だった頃と比べ、自分の実力がついたことがわかるようになります。そうなれば、瞬殺できる問題は、もう解く必要がないので、繰り返し解く問題から外していくようにしましょう。

 こうすることで、次第に、問題集の中に何度も間違えてしまう苦手な問題だけが残っていく。
 自分は問題集をバラバラにして、バインダーに入れていて、とかない問題は、別の「用済み問題」用のファイルに移していたので、物理的に問題集が、薄くなっていきました。
 なお、何回かに一回は全問復習の機会が必要だと思うので、相当易しい問題でないかぎり、廃棄することはあまり勧めしません。

 また、一冊の問題集が、薄くなっていくので、短い期間で1冊の復習が、終わるようになります。
 初めは、一冊解くのに1月くらいかかっていた科目が、1週間くらいで解けるようになります。
 そして、受験直前まで残った問題は、割り切って暗記します。

 このような勉強範囲を減らすような段階なれば、すでに相当程度の実力者になっているはず。問題集もボロボロでしょう。自分が何度も解いてボロボロになった問題集は、自分の学習の歴史です。見るだけでも自信になりますし、気持ちよく勉強が継続できます。

 「受験生あるある」ですが、何度も繰り返し解いているので、その問題集の次のページの問題が何かわかるようになったりします。英語の単語カードとかでも、次のカードまでわかることがありますが、アレを問題ごと覚えるようになる感じです。

 こんな感じでルーティンとしての勉強ができてくると、精神的にも安定して、復習に時間もかからない、お金もかからない、学習計画に従った学習もできるなど、勉強の歯車がうまく回っているのを実感できたりします。


 問題を見たときに、まず、知ってる問題か、知らない問題かがわかるようになります。
 知っている問題なら解ける問題か、解けない問題かもわかるはずです。

 この段階の初期で気をつけたいのは、知らない問題について、「どうしようわからない」とパニックにならないこと。
 自分は、勉強していたのに「落ちるかも」という不安から、見たことのない問題や解けない問題に出会うと、すぐにうろたえて居ました。「あぁ自分の勉強は足りなかった」と勉強範囲を増やしていました。
 この勉強を増やしてしまうというのが、罠です。
 これをやってしまうと、知らない問題は無限に出てくるので、勉強量を増やす必要がでてきて、逆に、頻出問題や基本事項の記憶が薄くなってしまうと言う逆効果が生じてしまうのです。

 この勉強範囲を広げたいという欲求、あれもこれもやっておきたい、安心したいという気持ちについて言えることは、「自分のやってきた勉強を信じろ」という事です。
 単なる気休めにしかなりませんが、自分の勉強をして信じることは大事です。安心料として教材を増やせばいいと思ってしまうと、あの教材も欲しい、あの講義も受けたい、と際限なくなります(自分はそういう性格でした。)。そして基本が疎かになっていきます。勉強範囲を広げるのではなく、ボロボロになるまで解いた問題集を安心材料にして下さい。

 何度も書きますが、基本事項がしっかりできていれば、大体の試験は受かるようになっています。基本をおろそかにしてまで応用問題を解けるようになろうと欲張ってしまうがために、結局基本問題のミスを増やすのです。
 しかし、標準的な問題集を何度もやり潰しているような状態で、自分が見たことのない問題は、他の受験生も見たことがない問題なので、できなくても合否の上では大したことはないのです。


 人生は有限で勉強に費やせる時間は限られています。限らなくてはいけません。
 人生の全てを使っても、世界の全てを知ることはできません。試験までの限られた日数の中で学習し、かつ、学習したことを忘れないようにすることが「勉強法」として重要です。

 そのためには、試験によくでるところから、順番に勉強し、あまり出ないところの学習は後回しにすること。
 学習したことを忘れないために、反復学習をすること。
 学習範囲を限定することで、反復を可能にすること。
ということを意識してもらう必要があるのです。

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