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海外生活振り返り日記-ニュージーランド前編-#12

12月

 気づけばあっという間に3ヶ月が経ってしまった!もう卒業である。エレメンタリーの頃から一緒だった仲のいいブラジル人も国に帰る。私は悩んだというか、このまま卒業しても働けないと確信していた。
 ふとここで、あれ?働くのは予定に無かったのでは?と思うかもしれないが、私は南島を旅してから帰りたかったのでその費用と飛行機代を稼ぐ為に働こうと予定変更した。
 もしかしたら先に卒業したフランス人の女の子の影響もあったかもしれない。彼女は卒業後、季節労働をしながら南島を旅していた。その子がオークランドに戻ってきた時に「南島は壮大でスケールが違う!」「自然が本当に美しかった。」「北島だけで終わらせるのは勿体無い。」と熱弁していたのに影響を受け、私も働いて旅するコースを視野に入れた。それに学校で習った英語を外国で実践できる機会は中々無いので一度は経験として働いてみたかった。
 でたらめな英語のままでも職を選ばなければ働くことはできる。例えばジャパレスと呼ばれる日本人フタッフの居る日本食レストランや、日本人が紹介しているホテルやゲストハウスのハウスキーパーならそこまで英語に自信がなくても何とかなる。季節労働も代表的なワーホリの仕事だ。季節労働なら接客も無いので必要最低限の英語が話せればいい。
 でもどうせなら日本レストランで働いて日本語を話しているよりも季節労働をしたいと思っていた。しかしこの時点ではその季節労働でさえ求人を見て電話で連絡して契約書を書くなんてスキルに全然達していないのが現実だった。
 それなので学校をあと3ヶ月間プラス、ホームステイも3ヶ月間延長したので卒業する頃にはもう帰りのチケットを買うお金は残っていない。しかし、それはそれで卒業後は働くしかないと腹を据える事も出来たので良かったと思っている。
 あと3ヶ月でどれくらい成長できるのか未知ではあったがどうにか働けるくらいにはならないとと思った。

寄り道

 前に学校の帰りに何処かによるのが日課だったと言ったが、私の好きな寄り道は美術館とたまたま見つけた小さな古本屋さん。オークランドにAuckland art gallery toio tamaki という美術館がある。表側は全体的にガラス張りで屋根は美しい木でできていて明るくモダンな印象だ。常設展はいつも無料で、現代アートやマオリの肖像画等が展示してある。この美術館だけではなくニュージーランドの美術館でいくつか山の絵が展示してあったがよくジャガイモのような山肌の風景画を見かけた。少し抽象画が混ざったような山で、こうゆう作風なんだなと思っていたが、後日実際に旅をしていると本当にジャガイモのような山を何度も目にして本当にこうゆうのか!!と驚いた。
 お土産売り場にはニュージーランドのアーティストの手作りアクセサリーが売っていて欲しい物がいくつかあった。折角だからニュージーランドで稼いだお金でニュージーランドのものを買おう!と思いその時は我慢したが楽しみが増えた。

クリスマス

 ニュージーランドでクリスマス。夏のクリスマスだ。昔中学の英語の教科書で見たオーストラリアのサンタがサーフィンしている写真を思い出す。
 ホストファミリーはクリスマスの数日前から各々プレゼントを大量に用意をし、自分でラッピングペーパーを買って包んでいた。私も小さなプレゼントを人数分用意していた。
 海外映画で見るような大きなクリスマスツリーは天井まであり、倒れないように下の方は頑丈なネジみたいなので留めてある。クリスマスが近づくにつれ、ツリーの周りにプレゼントが増えていき、暖炉の上には各国から送られてくるクリスマスカードが並べられていく。以前ホームステイをしていた人たちからのカードも毎年勢揃いするらしい。私もいつか送るんだろうなと思いながら見ているとジェーンもせっせと大量のクリスマスカードにメッセージを書いていた。
 そういえばニュージーランドにはポフツカワという赤い花が咲く木がある。ポフツカワはマオリ語で、他の言い方ではニュージーランドのクリスマスツリーとも言われているらしい。
 ポンポンと赤い花が咲いていて、このポフツカワという名前の響きと合っている。
 見た目はちょっとタワシのような、色は違うが光ファイバーを束ねたような、彼岸花の細い雄しべと雌しべが沢山あるような感じの花だ。
 クリスマスイブの夜は皆で教会に行って静かに過ごし、クリスマス当日は朝から家に親戚中が集まりクリスマスパーティーをした。多くの国ではクリスマスというのは家族と一緒に過ごすもので、恋人と二人だけで過ごすというのは日本人くらいらしい。
 さて、当日のクリスマスパーティーだが早速皆クリスマスツリーのある居間に集まり、ジェーンがプレゼントに付けられた名前シールを読み上げながら皆に渡していく。そして皆バリバリビリビリと包み紙を破き、周りを散らかしながら開けていく。あっという間に床は包装紙の断片でいっぱいになった。おもしろい。
 私の名前もあった!プレゼントは赤と白のボーダーの大きな手提げだった。まだまだ日本人気質の抜けない私は包装紙を丁寧に開け、たたみ、それをしばらくとっておいた。
 プレゼントを開け終わると次のイベントへ突入。大量のトイレットペーパーを用意し、三人一組3チームでの戦いだ。このイベントの参加者は皆女性。あとは皆観客だ。何をやるのかというと、一人がモデルとなり、もう二人でそのモデルの体に服の上からトイレットペーパーを巻きながらウエディングドレスのようなドレスを作り、一番素晴らしい作品を作ったチームが優勝。というゲームだ。制限時間は10分程度だったと思う。皆わーーっと焦りながらそして笑いながらぐるぐると巻いて制作。ちなみに私はモデル役だった。皆が凄い勢いでトイレットペーパーを巻き付けてくる。輪っかにしてブレスレットを作ったり指輪を作ったり、お花っぽい飾りを作ったり、まるで服を制限時間内で作って競うテレビ番組の様だった。
 そしてタイムズ・アップ!と声がかかり終了。皆並んでお披露目をした。観客が投票してモダンな私達のチームが優勝した、、と思う。ちょっと最後の記憶だけ薄れていて定かではなが、とにかく皆でわいわい盛り上がった。
 こんな感じでゲームをしたり机に並べられた沢山のご馳走を食べて過した。
 クリスマスパーティーはこの後も続いたが、実はこの日の午後、日本から友達が二人遊びに来てくれる予定だったので私はここでパーティーを後にした。

つづく

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