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エッセイや漫画や小説や……読んだ本の記録
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#漫画

志村貴子『おとなになっても』

志村貴子『おとなになっても』

気づけば、大好きな漫画が完結していた。

志村貴子先生の『おとなになっても』(全10巻)。

好きな漫画の最新刊を追わなくなったのが、2023年だったなあと思う。

でも年が明けてやっと、最終巻まで読めた。

完結おめでとうございます。

ちょっと寂しい。

『おとなになっても』は、女性どうしの恋愛を軸に、パートナーのこと、家族のこと、友だちや職場関係のこと、おとなのこと、こどものこと……
たくさ

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いつでもやり直せる

いつでもやり直せる

マンガ『島さん』がめちゃくちゃ良かった。

深夜のコンビニで働くおっちゃん・島さんが主人公。彼を中心に描かれる人間模様が、人間くさくて泥くさくて、やさしさに溢れていて、とにかくすんばらしい。このご時世も相まって、やたらと染みた。

この中に、「ヤネさん」というエピソードがある。善悪が揺らいでしまうような「どうしようもなさ」と、それをも包み込もうとしてくれるやさしさに心がかき乱されて、お気に入りのひ

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作品と「目が合う」瞬間

作品と「目が合う」瞬間

積ん読は、いい。

なにせ「本と目が合う」瞬間がある。部屋の一角できれいに重なる本の背表紙と、「あっ、」と目が合う瞬間が。

不思議なもんで、そうしたアイコンタクトから始まる読書の旅は、その時その瞬間に自分が探しているものを教えてくれたり、欲していることばをくれたりする。

先日もそんな読書体験があった。読んだのは、吉田秋生先生のマンガ『海街diary』だ。

全9巻のこの作品、実は7巻までは読ん

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恵口公生『キミオアライブ』

恵口公生『キミオアライブ』

「やりたいから やるんだ」

このことばが、こんなにも胸を打つとは。

やりたいことを「夢ノート」に書き溜める高校一年生・長谷川君夫(はせがわきみお)。かつて生死をさまよう経験をした彼が、仲間と共にユーチューバーとなって「やりたいこと」をひとつずつ叶えていく物語。

社会にでると、「こうすべき」「このほうが望ましい」ことを選ばざるをえず、何をやるにも「根拠」「目的」「コンセプト」などなど何かしらの

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