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『すれ違うものに思う』

曲がり角をゆっくりと

傘伝いに雨音が鳴り

人の気配がかき消され

不意に現れて仰天する


細い路地裏でのすれ違い

田舎では会釈が絶えない

極々当たり前の光景

譲り合う心と心がある


ドライな空気が漂う街

ここでは虚無な出来事

期待しないし過ぎない

慌てないこと第一優先


住み方生き方住みやすさは

その人あの人で違うもの

その場所にそぐうように

取り繕うものなのだろうか


傘をさして、細い路地裏ですれ違う

ただそれだけなのに、人の匂いがした

それは、土の香りのようなものだった




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