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本気で作家になりたければ漱石に学べ!
"漱石は、事のはじめから、いわば、あらゆる定義を欠いていることが唯一の定義となるような『小説』なるジャンルそのものの多様性を一気に体現した作家なのである"1996年発刊の本書は"それでも"作家になりたい人に向けた豊富な漱石作品引用による一考察。中級者編。
個人的に前作の初級編"それでも作家になりたい人のブックガイド"が面白かったので、手にとりました。
さて、そんな本書は文芸批評家の渡辺
究極の学び場 京大吉田寮
"事の始まりは吉田寮だった。『変わりもの』の集まる場所として注目されがちな場所だが、私にとっては人間にとってとても本質的な自由の価値を教えてくれた学舎であった"2024年発刊の本書は日本最古の学生寮『京大吉田寮』を豊かに理解していくための卒寮生や関係者による解説書。
個人的にはフリーペーパー専門店の店主として、吉田寮広報室が発刊している『京大吉田寮通信』も取り扱っている事から自然と本書を手に取
口に関するアンケート
"十年くらい前、SNSが流行り出した頃から『呪われた木』って呼ばれ方に変わってきたらしいです(中略)ただ、『呪いの木』と『呪われた木』では意味が変わっちゃいますけど"2024年発刊の本書は小さなサイズ、僅か60ページという短さ、読者への巻末アンケートにじわじわ。話題になっている一冊。
個人的にはSNSのタイムラインにインパクトある表紙が流れてきたのを見て手にとりました。
さて、そんな本書は
プロだけが知っている 小説の書き方
"もしも無名の人が小説を出版してもらいたいなら、『ふつうに面白い』作品ではなくて、『驚くほど面白い』作品を書かなくてはいけないわけです"2022年発刊の本書は幅広い分野で活躍している著者がおくる『物語づくりの優れたエンジニア』を目指す人に向けた指南書。
個人的に2024年初開催となった、バーチャルシナリオ大賞の選考委員を依頼された事もあって、選考のヒントに手にとりました。
さて、そんな本書
ほたるいしマジカルランド
"朝は白い。いつもそうだ。空だけでなく、目にうつるすべてのものが淡い。すれ違う人の顔も、遠くに見える建物も、すべての輪郭がぼやける"2021年文庫化の本書は大阪ほんま本大賞受賞、ひらかたパークをモデルにした従業員たちの人間模様。
個人的に大阪に縁がある事から手にとってみました。
さて、そんな本書は1度も取り壊されずに現存する遊園地では日本最古である『ひらかたパーク』に取材したうえで書かれた
ネイティブ・サン アメリカの息子
"『俺は殺したくなかったんだ!』とビッガーが叫んだ。『でも、俺が何のために殺したかというのは、それ自体が俺だからなんです!ものすごく奥深くにあるものが、俺に殺しをさせた!(略)』"1940年発刊の本書は、映画化もされた20世紀アメリカ文学の問題作、オリジナル版翻訳。
個人的に主宰する読書会の課題本として手にとりました。
さて、そんな本書は20世紀アメリカ黒人文学の先駆者、ブラックパワーとい
【新聞掲載】めめんともり読書会
昨日5日の読売新聞、夕刊(大阪版)に大阪、メタバースで取材を受けていた当『めめんともり読書会』の事が掲載されています。担当記者の方に感謝。
主宰としては、これまで何年も仲間たちと読み解いてきた課題本を評価、掲載してくれたのがとても嬉しかったです。まだまだ精進していきます。
それでも作家になりたい人のためのブックガイド
"次に何を書くか、次は何か、その次は何かといった線的な意識をあらかじめ優先させるものを、とりあえず『物語』とすると、何かが物語られていくことじたいを問題として追求するのが小説というジャンルだと言えます"1993年発刊の本書は作家になりたい人に向けた具体例溢れる一考察。
個人的にはメタバース芸大RESTで『文学の技法』をテーマに講義を行うことから、サブテキストとして手にとりました。
さて、そ
アートコレクター入門 銀座老舗画廊の主人と学ぶ特別教室
"アート作品に潜む本当の価値も『人』の魂がもたらすものです(中略)どうぞアートを通して『人』に触れる、惚れる体験を多くしていただきたいと思います。"2024年発刊の本書は銀座老舗画廊がおくる物語形式のアートコレクション入門書。良書。
個人的には主宰するメタバース芸大RESTで、参加者に『アートコレクターになるには』といったテーマでの講義を求められた事から補助テキストとして手にとりました。
最後に、絵を語る。 奇想の美術史家の特別講義
"正統と奇、両者が相まって、などというと、ひたすら独自の表現を求める現代画家の反発を買いそうだ。とはいえ、美術史家や美術愛好家に必備なのは、単眼ではなく、みずからの視野を広げる複眼である"2024年発刊の本書は(奇想ではなく)正統派の日本絵画史について対話を重ねた一冊。良書。
個人的には伊藤若冲や曽我蕭白その他を紹介した『奇想の系譜』で知られる著者が『正統の系譜』を語っているのが興味深く、手に
にしむくさむらい 詩人choriの京都十二ヶ月
"京都人全体において詩人がしめる割合というのは厳冬の鴨川における等間隔カップルの占有率以上にすくない。したがって本書はいわば星くずが語る京都、といった立ち位置となる"2011年発刊の本書は不世出の詩人がテキスト詩とともにおくる京都の一年。優しいエッセイ。
個人的に2024年8月20日にベストアルバム発売直前に39歳で急性呼吸不全で亡くなった著者に随分と前に面識があった事から追悼の気持ちで手にと