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世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
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2021年6月の記事一覧

スリランカの熱帯建築とは【本:熱帯建築家ジェフリー・バワの冒険】

スリランカの熱帯建築とは【本:熱帯建築家ジェフリー・バワの冒険】

ちょうど、隈研吾氏と山田由美氏著書の『熱帯建築家ジェフリー・バワの冒険』を読んだ後に、スリランカの友人にThe Barnhouse Studioというコロンボ市から約1時間の場所にある竹建築の場所を紹介され、ベトナムのメコンデルタにあるEco Bamboo Villageを思い出した。(以下は、The Barnhouse Studio のサイトにあった写真。ウッディな感じと、挙式や食事パッケージの

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世界は繋がっている:日本の農業の生産性に貢献したスリランカの溜池灌漑とジェフリー・バワ氏を想う

世界は繋がっている:日本の農業の生産性に貢献したスリランカの溜池灌漑とジェフリー・バワ氏を想う

経済学の巨匠ともいえる宇沢氏の本を読んでいて、ふとしたところで「スリランカ」に出逢った。これは、『世界』という1994年12月号に岩波書店により発行された『空海が学んだスリランカの溜池灌漑』というタイトルだった。

私にとってスリランカといえば、アーユルヴェーダの聖地と熱帯建築家ジェフリーバワ氏の存在。そして、最近出会ったスリランカの友人達の名前の長さ。(これは、父親の名前をそのまま受け継ぐスリラ

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共感の可能性【本:経済学は人びとを幸福にできるか】

共感の可能性【本:経済学は人びとを幸福にできるか】

感動と知的な衝動。この本を読んで思った。経済学は、これほどまでに広かったのか、ということ。合理的に、正解のある答えをもとめる数値結果だけではなかった。ある限られた知識人だけの専門領域ではなく、皆、それぞれ「幸福」を考えながら、それぞれの時代を生きていたんだな、と俯瞰することもあった。でも、何よりも、この「広い」のは、経済学が、というよりも、宇沢弘文氏の知的好奇心の広さと深さによるものなんだろうなと

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