見出し画像

第255号『術式を開示せよ』

“術式の開示”とは漫画『呪術廻戦』の作中で表現されている概念です。

自分自身の能力や仕組みを相手にペラペラしゃべって説明することでリスクを高めてその覚悟から術式そのものの威力を向上させるという概念のこと。

よく色んな漫画の中で敵や味方が相手に対してペラペラと偉そうに自分の能力を自慢げに語っているシーンがありますが、あれは読者に対して作者が情報を提供しているわけですがどうしてもマヌケに見えてしまいます。(だって解説するとどうしても自分が不利になる情報をベラベラ喋ってしまっているわけですから)

しかし『呪術廻戦』の中ではそれを相手に開示することで自身のリスクを高める『縛り』を発生させて術式を強化させるというルール=概念があるため実に自然に(読者への)説明が可能となっています。

同じような概念が『HUNTER×HUNTER』の中にもありましたね。

『グリードアイランド編』に登場したゲンスルーが使う念能力『命の音(カウントダウン)』がそうでした。

相手の身体に念能力で作った時限式の爆弾を取り付けるという能力ですがその発動条件は①対象者に触れながら「ボマー」と言う②対象者に能力の内容を説明する、というものでした。

この条件さえ満たせば一斉に何人でも爆弾を取り付けることが可能なのでより自分にとって不利な条件が設定されています。

だからこそ無敵の能力だったのです。(最終的にはもちろんゴン達によって倒されてしまいますが)

これもある種の『術式の開示』とも言えます。

今回はこの『術式の開示』の有効性に関する話です。

先に言っておくとこれは日常生活や仕事の中でも『術式の開示』を実践することでその能力や結果は飛躍的に向上するということです。

以前この『週刊少年松山洋』で似たような記事を公開しました。

記事の後半部分でも実際に『術式の開示』について触れていますが、厳密にいうと必ずしもイコールという話ではありません。

『情報は出した人間に集まる』というのはクリエイターの負けず嫌いな性質を利用した戦略のことで、結局のところ情報発信した人間が一番得をするんだよという考え方であって『術式の開示』の概念とは正確には異なります。

私が以前勤めていたコンクリート会社で上司に最初に教わったことは以下のような内容でした。

「これからやろうと思っていること、成し遂げたいと思っていることは全部口にして宣言しろ。思ってる事を全部だ。よく最近の若者は何かを恐れるかのように『無言実行』ばかり考える。それじゃあ駄目だ。カッコ悪い。男は黙って『有言実行』だ。あ、黙ってちゃアカンか。とにかく『有言実行』をモットーとしろ。やろうと思っていることを直接口にしろ。その方がグッと腹に力が入るから。そしてそれを実践実行して成し遂げろ。その方がカッコ良かろーが」

まぁ言い方はともかく『術式の開示』の真理に割と近い考え方なのかな、と私は(当時も今も)思いました。

思っていることを口に出して宣言してしまうと出来なかった時に「お前あの時になんて言ってた?」と突っ込まれてしまうのでみんなやっぱりそれが嫌でなかなかフワっとしたことは口にしたがらないのもよくわかります。

それがリスクって事なんですよね。

だからこそ言葉にすると(腹に)力が入る。=強化

そして同時に制約と誓約から「口にした以上は何としてでも成し遂げなくては(嘘つきになってしまう)」という『縛り』が生まれるということです。

そういった負荷がかかることをみんな恐れるから『有言実行』はしたがらない、まぁそれがフツーですよね。

みんな黙ってやって上手くいったら「最初から狙ってやりました」なんてことをようやく口にするわけですが、なるほど(かつての上司が言った通り)カッコ悪いですね。

やっぱり『有言実行』の方がカッコ良い!

成功率を上げてなんとしてでも実践実現したいことはどんどん宣言して『術式の開示』により威力を高めて成し遂げていきましょう!

私ですか?ええ、もちろんかつての上司の教えを25年以上も守り続けて『術式の開示』をやり続けて生きてきていますよ、当然これからも。

*****

それはそうと『呪術廻戦』のテレビアニメが2020年10月から放送予定ですね、めっちゃ楽しみです。(放送前に投稿した記事です)

制作スタジオがMAPPAというのも期待が高まりますね。面白くて難解な原作漫画をどのように料理してアニメーションとしてその世界を更に広げてくれるのか期待しちゃいます。五条悟の反転術式とか無量空処をアニメでどうやって具体的な動きを表現するのかなぁ、ワクワクです。

*****

さて後半部分はそんな(私が大好きな)【『呪術廻戦』に学ぶ仕事術】の話をしてもっと掘り下げていきましょうか。

『呪術廻戦』から学ぶことはたくさんありますよ。

【『呪術廻戦』に学ぶ仕事術】

ここから先は

1,529字
この記事のみ ¥ 300

この記事が参加している募集

読書感想文

良かったらサポートいただけると嬉しいです。創作の励みになります。