エヴァにだけは乗らんといてくださいよ
「ようやくこの呪縛から解放されたんだな」
2時間34分間の鑑賞後に映画館を出ながらふと頭に浮かんだのはこんな感想でした。恐らく私自身がそう感じたくらいなので庵野秀明監督も同じ気持ちだったのではないかと思いました。(個人の感想です)
私が鑑賞後にそう感じた理由は全編の至る所から「これで終わりにするからもういいだろ?ね?何度やったってこうなるんだよ、そして同じように何をやってもコレじゃないって視聴者側が言うんだろ?だからもうこれで終わりにさせてくれ」という庵野監督の幻聴が聞こえてきたからです。(もちろんれっきとした幻聴です)
私にとっての『終わらないエヴァ』はこの日に確かに終わりました。
1995年にテレビアニメが放送されてからずっと『終わらないのがエヴァ』って25年間自分に言い聞かせて生きてきましたからね。
「たとえ『シン・エヴァ』がどんな内容であってもある意味で終わるんだ」
そういった覚悟というか心持ちで『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を観に行ったのでした。
これでもう明日から「いったい『シン・エヴァ』っていつ観れるんだろう?」って考えながら生きていく必要がなくなったわけですよ。
ある意味である種の『呪い』にかかっていたんだと思います、我々はみんな、あの日からずっと、25年間、この日まで。
もう待たなくていいんです。楽しみにしなくていいんです。毎日ベッドで寝る前に『シン・エヴァ』のことを考えなくてもよくなったんです。
きっと我々は庵野監督と共に『エヴァ』から解放されたんだと思います。
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さて早速ですがここからはある意味でのネタバレを含む表現が入ってきますので後半部分に突入させてください。
たぶん感想と言いつつ解説もしてしまっていると思いますので、まだ観ていない方は鑑賞後に読むことをオススメしておきますね。
・新劇場版で動き出したテープ(SDAT)
・意図的な作画崩壊演出
・撮影スタジオ演出時のショボすぎるCG
・寝返りをうつアスカの神作画
・ゲンドウの過去と息子との向き合い方
・辿り着いた先の一巡した世界
だいたいこういった話をします。「あー、やっぱやめとこ」と思う方はここで引き返してくださいね。それでは進めます。
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『エヴァにだけは乗らんといてくださいよ』
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