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共通テスト(旧センター試験)/国語

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#現代文

2023共通テスト/国語/第2問(小説)

2023共通テスト/国語/第2問(小説)

【2023共通テスト/国語/第2問(小説)/解答解説】

出典は梅崎春生「飢えの季節」(1948年発表)。近年のセンター試験・共通テストの第2問では、戦中から戦後にかけて書かれた小説が頻出している(2019上林暁「花の精」(1940)、2020原民喜「翳」(1948))。また2019年以降、「私」の内面を掘り下げる型の小説が続いている。前書きに「第二次世界大戦の終結直後、食糧難の東京が舞台である。

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2023共通テスト/国語/第1問(評論)

2023共通テスト/国語/第1問(評論)

【2023共通テスト/国語/第1問(評論)/解答解説】

共通テストも3年目となりサンプルが出揃ってきました。形式の複雑性という点では昨年レベル。第1問では、昨年同様、複数テクストからの出題で、共通テストに顕著な「くらべる(類比/対比)」「まとめる(抽象/還元/帰納)」「ひろげる(具体/敷衍/演繹)」といった主体的な思考力、判断力が試されました。ただ各々のテキストに向かい合う姿勢は変わることなく、

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2022共通テスト/国語/第1問(評論)

2022共通テスト/国語/第1問(評論)

【2022 共通テスト国語 第1問 解答解説】

共通テスト2年目となり、評論と古文で複数テキストの組み合わせ問題が出題されるなど、昨年と比べセンター試験からの移行が一段進んだ感じがします。ただ現代文において各々のテキストに向かい合う姿勢は変わることなく、引き続き厳しい時間的な制約の中で客観的に本文を読解し、それに基づき正しい答えを導くことが求められます。
ところで「客観的に読む」とはどういうこと

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2021共通テスト国語/第2問(小説)

2021共通テスト国語/第2問(小説)

【2021共通テスト国語 第2問(小説) 解説講義】

出典は加能作次郎「羽織と時計」(1918年発表)。前書きに、「「私」と同じ出版社で働くW君は、妻子と従妹と暮らしていたが、生活は苦しかった。そのW君が病で休職している期間、「私」は何度か彼を訪れ、同僚から集めた見舞金を届けたことがある」とある。

1️⃣(16行目まで)春になって、陽気がだんだん暖かになると、W君の病気も次第に快くなって、五月

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2020センター国語 第2問(小説)

2020センター国語 第2問(小説)

【2020センター国語 第2問(小説) 解説講義】

出典は原民喜「翳」(1948年発表)。
1️⃣(12行目まで) 私は1944年の秋に妻を喪ったが、少数の知己へ送った死亡通知のほかに、満洲にいる魚芳にも端書を差出しておいた。妻を喪った私は悔み状が来るたびに、丁寧に読み返し仏壇のほとりに供えておいた。紋切型の悔み状であっても、喪にいるものの心を鎮めてくれるものがあった。本土空襲も漸く切迫しかかっ

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2019センター国語/第二問(小説)/解答解説

2019センター国語/第二問(小説)/解答解説

【2019センター国語/第二問(小説)/解説講義】

こんにちは。GV国語科の大岩です。今回も前回の評論文に引き続き、2019年のセンター国語から小説文の解説をします。
小説も基本的には評論の読解法に準じますが、特に「場面」と「心理」を押さえながら全文を一読し、その理解と設問の要求に基づいて選択肢を積極的に選んでいきます。

出典は上林暁「花の精」。戦時中の私小説(心境小説)。「サナトリウム」

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2019センター国語/第一問(評論)/解答解説

2019センター国語/第一問(評論)/解答解説

【2019センター国語/第一問(評論)/解説講義】
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こんにちは。GVの国語を担当しています大岩です。今日は、先日行われたセンター試験の解説を、できるだけ簡潔に行おうと思います。GVでの授業の雰囲気を感じとってもらえたら幸いです。
まずは第一問の評論から。出典は沼野充義「翻

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