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近代~現代哲学・思想

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2021年11月の記事一覧

ヤーコプ・ベーメ(随時更新)

主著『アウローラ』『シグナトゥーラ・レールム』『大いなる神秘』『キリストへの道』

Godの顕現ベーメの見たヴィジョンは万物の神的な実相とでもいうべきもの
我々人間はGodの歓びの調べをかなでる楽器の弦

無底…三位一体のGodの根源。他の何かによって根拠づけられず、また底がないので何かを根拠づけることもない。どこまで行っても何もない無

無底の中には他の「あるもの」を求める憧れがある
憧れは無限

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前期シェリング まとめ

フィヒテ:この世の根元は自我、 自我によってこの世界は作られている
→モノ自体すらも自我の中に内包
自我は非我を乗り越えることで【絶対我】へと向かう
→語弊を恐れずにいうならば、【絶対我】は自我の枠組みに内包されている
しかし絶対的な自我と呼ぶ以上、その存在は絶対でなくてはならない

シェリング:絶対的な自我はもはや【絶対者】
絶対者であるならば、それは自我の根拠(自我の定立の根拠) であるだけで

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ヘーゲル まとめ(随時更新)

ヘーゲルが行ったこと→カントを批判したフィヒテとシェリングの哲学を批判的に統合、ドイツ観念論を完成

カント:現象とモノ自体を完全に分類
    現象については理論理性で把握することができるが 物自体については人間に把握することができないのだから その領域は実践理性で対応する必要がある

フィヒテ:理性が二つに分かれるのはおかしい
     自我を根元に据えた一元論
     自我の中に理論理性と

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ショーペンハウアー まとめ(随時更新)

表象
『意志と表象としての世界』
世界は人間の意志と表象である

『世界は人間の表象である』…カントの【現象界】と類似
視覚やその他感覚器官で受け取った情報を 人間特有の時間的、空間的な認識方法で処理、対象を把握
ショーペンハウアーは この世界の一方の側面は表象

博士論文『根拠の原理の4つの根について』
人間固有の認識方法についての研究

私が死んだとして、 私が表象していた世界は消えてなくなる

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キルケゴール まとめ(随時更新)

ヘーゲル:弁証法を繰り返すことで、人間の営みはいずれ真理に到達する
→そこには個々の個性を持った人間は考慮されていない
自分の人生には何も答えを与えてくれない

ヘーゲル:【あれも、これも】
キルケゴール:【あれか、これか】
客体的普遍的真理を批判、主体的個別的真理を提唱

人は自己の内面の貧しさを忘れたいがために客体的真理の観想に赴く
博識が貧しさを忘れさせる手段

人間の実存の三段階

①【美

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ニーチェ まとめ(随時更新)

ニーチェ まとめ(随時更新)

キリスト教批判
キリスト教道徳を「奴隷道徳」と表現
キリスト教が教えてきたことは、弱者を正当化させる詭弁であり妄想でしかない
『貧しいものは幸せである』『富めるものは天国に行くのが難しい』
強者に虐げられた弱者がその現実を受け入れられないがために正当化した想像上の復讐の物語

キリスト教はいわば象徴であって、
科学技術の進歩に対する信仰、
さらには民主主義、社会主義、国家主義など、
ヨーロッパで信

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ソシュール(随時更新)

『過去を知らなくてもみんな言語を使っているんだから、
言語を理解するのに歴史は必要ないのでは』

歴史を考慮しないその時点の言語のルール
【共時態】
共時態が次の共時態へと変化していくこと
【通時態】
言語学はまず、共時態を研究すべき

言語を二つの側面に分けて考察
①【パロール】
これは個々の発話行為
②【ラング】
言語の文法や規則の体系

【ランガージュ】…【パロール】と【ラング】を合わせた言

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フッサール まとめ(随時更新)

現象学とは簡単に言えば
『目の前の現象が一体どういう構造のもとで成立するかを解明する学問』

なぜ現象学が必要とされたのか科学の発展・資本主義の加速
あらゆる真理探求のためには、その大前提となる『絶対に正しいもの』を間違ってはいけない
もし科学がその大前提を間違えたまま発展しているとしたら

科学や数学をはじめとする諸学問を
現象学(意識の立場)から記述できるようにすべき

超越論的還元
人間は対

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西田幾多郎 まとめ(随時更新)

前期
前期西田哲学のキーワード【純粋経験】

西洋哲学的な『経験』の解釈
『私』という主観と『世界』という客観が明確に分離
『私(主観)』が『世界(客観)』を感じることで『経験』が発生

西田はこれを批判
『私(主観)』と『世界(客観)』は【純粋経験】を推察した結果に過ぎない

対象に集中するという経験が発生している時
主観と客観が一体の状態…【主客未分】
主観と客観の分離を意識していない
【没頭

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ハイデガー まとめ(随時更新)

「存在と時間」問題意識とその必要性
「存在」とは何か…神学的、神秘主義的な問い

存在への問いはアリストテレス以来全く問われていなかった
…最も普遍的な概念であり、定義は不可能であるという理由

あらゆる学問は、その学問の根本概念を設定する
一方、あらゆる根本概念の基礎は存在概念であるため、
存在概念を基礎づけることが、あらゆる学問を基礎づけることに繋がる

・二種類の存在のあり方
「永遠性」…時

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ヤスパース まとめ

ヤスパース「科学では人間を捉えるのに限界がある」
人間の本質を捉えるには目に見えないものを含めて考察しないといけない
科学では主に目に見えるものを扱う

キルケゴールの哲学に影響を受けつつ、人間の実存について一つの仮説を立てる

【限界状況】長い人生の中で、どうしても超えられない壁
乗り越えることができない壁を目の前にした人間は、挫折を経験
キルケゴールの絶望と類似

挫折を経験した人間は、そこで

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ウィトゲンシュタイン(随時更新)

前期
『世界(そのもの)は人間が理解できる意味を備えていない』
世界理解には、人間が理解できるフレーム【言語】が必要

言語を分析することで、思考=言語の限界を明確にする必要

【写像理論】
前提:世界は事実の集まり
各事実には対応する【科学的言語】が存在

山が綺麗に色づいている
トロッコが線路の上を走っている

以前の哲学は言語の誤用で成り立っている

例『神は善である』という命題

『神』や

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メルロー=ポンティ まとめ

なぜ身体を哲学するのか科学に対して否定的
主著【知覚の現象学】
『科学は二次的な表現である』
科学は知覚された世界の一つの規定でしかない

ドイツ観念論をはじめ、哲学者は精神を重要視
→精神を生み出す知覚を司るのは身体
 無視するのは整合性が取れていない

メルロー=ポンティはフッサールの現象学にも批判
現象学的還元により人間の純粋意識を捉えるのは不可能

知覚は知覚の瞬間に意識を介在させてしまう

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サルトル まとめ(随時更新)

ハイデガーと同様
『人間はこの世に生を受けた瞬間には何の意味も目的も有していない』
と考える

【実存は本質に先立つ】
物の場合は本質があらかじめ決まっている
例えばナイフは切るための道具という本質が定まっている
人間は生まれた時には本質が決まっていない
本質が定まらないまま現実存在してしまっている
Godがいようがいまいがこのテーゼは成り立つ

「存在するとは、われわれにとっては自己を選ぶことで

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