フッサール まとめ(随時更新)

現象学とは簡単に言えば
『目の前の現象が一体どういう構造のもとで成立するかを解明する学問』

なぜ現象学が必要とされたのか

科学の発展・資本主義の加速
あらゆる真理探求のためには、その大前提となる『絶対に正しいもの』を間違ってはいけない
もし科学がその大前提を間違えたまま発展しているとしたら

科学や数学をはじめとする諸学問を
現象学(意識の立場)から記述できるようにすべき

超越論的還元

人間は対象(客観)を
自分の意識(主観)と独立して存在していると認識している
【自然的態度】

この自然的態度を捨て、
対象(客観)について【判断停止(エポケー)】して
『そこにものがある』という客観的な世界像を脇に置く

判断停止(エポケー)=『括弧に入れる』

【現出】…『赤い』や『丸い』のような直接的な体験
【現出者】…その体験から推論されて現れる結果(リンゴ)

【超越論的態度】…対象の経験に先立ち、経験そのものが可能となる条件に対する態度
【超越論的還元】…自然的態度から超越論的態度への思考の転換

カントのコペルニクス的転回に類似

カント:認識の転回をしてその認識された結果が世界であり、
    物自体は人間には理解できないと言った
フッサール:認識(現出者)が現れる前の推論している段階が重要

ノエシス(志向作用)

【超越論的還元】
自然的態度から、「現出を受け取り、推論することにより現出者という認識が表れる」という認識に至ること

【志向性】…主観の背後に存在する、意識を対象へ向ける働き

【ノエマ(志向対象)】…超越論的還元後の認識プロセス全体
【ノエシス(志向作用)】…受け取った体験を推論して認識として立ち上げる工程

ノエシス(志向作用)を研究することで
現在の科学や数学などもその立場から再度記述することができるはず
これが真の学問の再出発

時間と空間

【現印象的現出】…現在体験しているもの
【過去把持的現出】…過去に体験してそれを保持しているもの
【未来予持的現出】…未来にあらかじめ期待されているもの

パースペクティブの変更の結果これらの現出を受け取り
それらを推論することで
時間・空間の認識が生まれる

一度この処理が行われ、客観的な時間と空間の認識が完了すると
その処理の過程自体は無意識に隠される

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?