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宇野将実
2023年3月29日 21:47
根方に咲いてる一本の俯き顔のその花のなんてきれいな色でしょう指で触れるとゆらゆらと右に左に笑ってる明日に枯れると知っていて今を今をと笑ってる
2023年3月28日 22:28
そんなんじゃだめだと誰かが叫ぶ時代は変わったと誰かが叫ぶ攻めてくるぞと誰かが叫ぶ立ち上がれと誰かが叫ぶそして平和ぼけだと誰かが叫ぶ昔の人は言った戦争をしてはならないと過ちを繰り返してはならないと人が人でなくなるからと平和ぼけだと誰かが叫ぶそう叫ぶ世が平和ぼけ恐さ忘れた平和ぼけ
2023年3月28日 07:26
ひかりをふくむかぜまえがみながれてかおをなでむこうにだれかのしろいすそいっぽいっぽのくつなかこいし
2023年3月27日 23:23
2023年3月26日 18:49
曇り空 部屋の明かりが目に痛い頭がほんやりうつらうつらしんとした部屋にこころがひとつ回転椅子に宇宙がまわる帰りたいのは昔のお家道を忘れた昔のお家
2023年3月25日 23:02
2023年3月23日 22:10
2023年3月23日 07:10
2023年3月22日 23:32
2023年3月22日 00:03
壁が波紋を継続したのなら、それもこれも終わりのやまびこである。蝶番に蝋を塗ってももう元には戻らないのが教育なのだから。茅も焼石である。ただ磁場だけは振動しているから、麩菓子にしても倫理的には乙となろう。見上げれば柿の木。金魚ともつかぬ薫風に肝臓が笑っている。
2022年12月17日 21:51
町の底に凝った靄は、ある部分がまとまりを帯びて濃くなったと思えば、薄らいで離れたり、そんな風にして漂っていたが、そこに突如強い光が射し、絹のようだった靄が俄に粒立った中を車が貫いた。靄は素早く揺れ、渦を巻いて千切れたが、暫くするとまた浮かびあがるようにして濃さを改め、その薄片が粘りながら融合するのだった。
2022年12月16日 08:21
夜の空に閃光が走って、あれは天狗星。深山へ下りて人界に紛れようと、嘴鋭く、大目玉を見開いて、背中の翼は紫のゆらめきを僅かに帯び、無数の松の影の間を飛び抜く姿は妖獣の類。狗か鳥か、混じりものか、怖じ気か。
2022年12月13日 21:59
マッチを擦ると暗闇の部屋に燐光が走り、どこから吹くのか風に焔がぼぼぼと鳴った。その橙のほのめきに手をかざし、もう軸に延びはじめた焔を蝋燭へ近づけて、つと火がうつると、部屋がぼうっと朧に浮かびあがった。闇に紛れた場景は、焔に潤んで、ひそやかに震えていた。
2022年12月13日 21:28
微細な振動を有したそれらは、寄り集まることで模様を呈しはじめる。その一つ一つは無意識的でありながらも、巨大な全体なる一塊は、連なりあった肉体に甚だしい唯一の頑な精神を有し、ただ直進する。しかし、その精神の中心は不気味に空洞で、同時に高圧で、それ故もはや止まる術を知らずに拍車がかかる。