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心象風景 / 詩

町の底に凝った靄は、

ある部分がまとまりを帯びて濃くなったと思えば、

薄らいで離れたり、

そんな風にして漂っていたが、

そこに突如強い光が射し、

絹のようだった靄が俄に粒立った中を車が貫いた。

靄は素早く揺れ、渦を巻いて千切れたが、

暫くするとまた浮かびあがるようにして濃さを改め、

その薄片が粘りながら融合するのだった。

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