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【陶器でつくる動物とおもちゃの世界】いとう さき インタビュー

いとう さき 個展「おもちゃな世界の宝箱」を、2024年4月17日(水) – 4月28日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、いとう さきさんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


自己紹介をお願いします

陶芸家のいとうさきです。現在は生き物をモチーフに、陶土を使ってオブジェや食器を制作しております。

最近はトカゲやヤモリなどの爬虫類をモチーフとした作品が多いですが、インコやねずみや猫、お魚系だとフグやイカ、メンダコといった自分が見ていて可愛い、カッコいいと感じた生き物を選ぶことで制作の際に気分が乗るように意識しています。

現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

最初はいわゆる伝統工芸の、大皿や鉢に筆で絵付けをした作品を制作していました。主に雀を描いており、この時から生き物をモチーフにするという意識はありました。

描いていて楽しい気持ちはありましたが、作風になかなかしっくりできず、それならばいっそのこと今描いている生き物を立体に置き換えようと考えたのが始まりです。

現在使用している素材を選んだ理由を教えてください。

粘土は乾燥時や焼成の際に収縮されます。収縮率が大きいとヒビが入ってしまったり、歪みやすかったりします。粘度の種類にもよりますが、おおよそ陶土の収縮率は12〜13%程度です。

私は主にオブジェを制作しており、器よりも複雑な成形が多いです。上記のリスク回避のため、なるべく収縮率が低い10%程度で、なおかつ色が白くなる粘土を使ってます。

普段、何からインスピレーションを受けていますか?

生き物を主なモチーフにしているので、動物園に行ったり、図鑑や動画を見たり、景色や季節ごとの空気感からインスピレーションを受けています。

今回は「おもちゃの世界」がテーマなのでロボットや木製玩具、郷土玩具からインスピレーションして制作しました。

影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

幼少期に手塚治虫先生や鳥山明先生の漫画を読んでいたり、アニメだと「トムとジェリー」や「おはなしKing」をよく観ていました。

特に意識をしているわけではないのですが、この時に読んだり観たりしていたものが、今の作風、特にシチュエーションや生き物のポーズ、動きの魅せ方などに影響していると思っております。

これからどんな作品を作りたいですか?

生き物をモチーフにして制作している作家はたくさんいるので、作品を一目見ただけで、どの作家が制作したのか分かるようになりたいです。

ただ生き物を模刻した表現だけに留まらずに、あえて形を崩したり、表情・質感・色味であったり、何か装具を加えてオリジナリティを突き詰められたらと思います。

加えて、陶芸ならではの土や釉薬での表現が足りないと感じている部分もあるので、今後意識していきたいです。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

Pearbox−mecha−

今回展示のDMのメインビジュアルになっているものです。「おもちゃの世界」がテーマなのでそれに沿った作品となっております。

以前からトカゲとメカを組み合わせた作品を制作したいと思っていました。ただの普通のメカやロボだけでなく、そこから何かひと工夫欲しいと考えていたところ、自分の好きなフルーツの形・枝・葉っぱからメカ要素が展開できるのではと思い制作しました。

Geso−shipⅠ

この作品は船だけでなく、上に乗っているイカにもおもちゃの要素として「ねじ巻き」が付け加えられています。

今回の展示でオリジナリティの作品を展開できるきっかけにしたいと考えていたため、普段モチーフにしている生き物の模刻だけにとどまらないように意識した作品となっております。

また、木製玩具をイメージして船の形はシンプルに成形しました。

でんでん箱

「おもちゃの世界」をテーマにするにあたり、和と洋それぞれのおもちゃを表現したいと考えていました。こちらは和を取り入れた作品となっています。

最近ではトカゲにお面を付けて表現する作風が多くなってきています。今後はこの作風を1つのスタイルとして確立していきたくて、お面の要素を取り入れて制作しました。

お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!

今回で2回目の個展となり、東京では初めての個展です。

テーマは「おもちゃの世界」です。以前からずっと作りたかったテーマなので、今回の個展で制作・展示することができて大変嬉しく思います。

オブジェとして飾るだけでなく箱物や蓋物といった陶芸ならではの要素を含むよう意識しました。まだまだ発展の最中ではございますが、よろしくお願いいたします。

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いとう さきさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。

皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは「もともとは絵付けをしていたけれど、しっくりこなくて動物を立体にしてみた」というお話が印象的で、ユーモラスな動物たちに息が吹き込まれた瞬間を想像しました。

いとう さきさんの展示作品実物を一堂に鑑賞できる貴重な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。

いとう さき 個展「おもちゃな世界の宝箱」

〈会期〉2024年4月17日(水) – 4月28日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/sakiito_exhibition_2024/
〈いとう さき 公式SNS〉
Instagram https://www.instagram.com/saki_sigt


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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/

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