【猫の動き全てに感激する】モサモサさん インタビュー
モサモサさん 作品展「ともだちのはなし」を、2024年7月31日(水) – 8月11日(日)の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。
今回は、モサモサさんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。
自己紹介をお願いします。
モサモサさんです。普段は石塑粘土を用いて動物の立体作品を制作しています(動物と言いつつ、猫が好きなので実際は猫の作品が多いです)。
子どもの頃より、夕方の時間 特有の「他の家の気配」に安心感を覚えていました。そこから、一人一人の過ごす日常、日常らしさに興味が広がっていきました。
日常のワンシーンを動物で表現することで、安心感を得た「他の家の気配」のような、ホッとする瞬間を再現したいと思い制作しています。
現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。
元々はイラストレーションを描いていました。
猫を家族に迎えたことで生まれた「自分の猫のアクセサリーを身につけたい!」という親バカ心から、立体に手を出しました。
学生時代の美術予備校の講師に「お前は立体全然だめだな」と言われた悲しい記憶を乗り越え、粘土に触れ、愛猫のブローチを完成させたことから全ては始まりました。
気づけばどんどんやりたいこと、出来ることが増えてゆき今に至ります。猫に救われています。
現在使用している素材を選んだ理由を教えてください。
こねて、削って、くっつけて。自分の感覚に寄り添ってくれる(気がする)ため、大好きな石塑粘土を使っています。
私は手先が不器用で立体造作の知識もなかったため、体当たりで作った初めての立体作品は全く思った形になりませんでした。
ですがその立体作品には、平面作品には現れてこなかった「自分の中身」のようなものが宿っていました。
決して上手とは言えない出来栄えでしたが、この素材を使うことが自分の運命なのだと思いました。
普段、何からインスピレーションを受けていますか?
まずは猫です。
私は毎日、我が家の猫の動き全てに感激しています。真顔に見えて感情豊かな生き物なので、たくさん気づきをもらえます。
次に、外出時に見かける人々の「ハッ」とさせられる瞬間。例えば茂みに手を入れてキラキラの落とし物を拾う子どもや、抱っこ紐で体を密着しているために顔がギュッと押されてる赤ちゃん等からインスピレーションを受けて制作しています。
影響を受けたアーティストや、作品はありますか?
山本タカトさん、上田風子さん、ヒグチユウコさん、デハラユキノリさん、タカハシカオリさん、Kathie Oliviasさん、マーク・ライデンさん、フジサキタクマさん、鈴木のりたけさん、ヘンリー・ダーガーさん、村田沙耶香さん、中村文則さん…ジャンルを問わない様々なアーティストから影響を受けています。
また、造形を愛するフィギュア制作を行う皆様、プラモで作品への愛情と解釈を表現するモデラーの皆様にたくさん影響をうけております。
これからどんな作品を作りたいですか?
生き生きとした猫の作品を引き続き制作してゆきたいと思っています。
今は手のひらサイズですが、もっとサイズの大きな作品を揃えたいです。そして、猫で演出された日常に来場したお客様を巻き込むような仕組みのインスタレーションを制作したいです。
私は「日常らしさ」の表現を通じて、作品を観た人が「なんとなく一人じゃないような気持ち」になることを目標の一つにしています
そのため、お客様に空間全体の展示に入って頂くことで、一層そんな気持ちを感じていただけるのではないかと思っています。
ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?
コアラのおひるねがっこう
コアラは1日約18時間~20時間眠る動物です。言うなれば、睡眠のプロフェッショナルとも言えます。その「おやすみマスターコアラ先生」による、気持ちのよいお昼寝の学校がやわらかい草の上に開かれています。猫も1日約12時間~16時間眠る動物ですが、より高みを目指してコアラ先生のもとにやってきたようです。二匹とも穏やかな風に包まれながら、寝息を立てています。
「きのこの使い時がコツなのさ」
この猫は、ただいまゲーム画面に夢中です。飼い主が出かけている時間はこっそりゲームを楽しんでいるようです。最近のブームはどうやらレースゲームで、ゲーム内で獲得できるアイテムの使い方にこだわりがあるようです。操作している車になりきっているのか、今まさにヘアピンカーブに差し掛かり、思い通りのハンドルさばきができたのかもしれませんし、めちゃくちゃ下手なのかもしれません。この猫の腕前は、一緒に遊んだ生き物のみぞ知るのでした。
たこ焼きマスターにお任せ
今、この猫に話しかけてはいけません。なぜならば、この猫はたこ焼きの仕上げに集中しているためです。猫はたこ焼き知ったあの日から、自分の思い描く究極のたこ焼きを求めて、日夜研究しています。外はカリカリ、中はとろとろ、そしてぷりぷりなタコを完璧な状態で食べたいと毎回楽しみに焼き上げています。しかし、やはり猫、猫舌で焼き立てが食べられないため、思った味わいで食べられない事に悩んでいます。
お客様、ご来場予定の皆様に向けてメッセージをお願いいたします!
まだまだ至らない作家なのですが、今持ち得る技術で、表現したいことは全て出し切れたと思います。
猫が好きな方、なんとなく生きづらい方、可愛いものが好きな方、偶然目に止めて下さった方、興味はないけど何故か足が向いちゃいそうな方。
色んな方にご高覧いただき、ホッとする気持ちになる手助けが出来たら良いなぁと思っております。よろしくお願いします!
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モサモサさん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。
皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは「猫の全ての動きに感激する」という言葉が印象的でした。
目を離した隙にウィンクしそうな、生命感に満ちたモサモサさんの作品たち。その不思議なリアリティは、モサモサさんによる日々の猫観察、そして作家自身と作品の境界が曖昧になるほど夢中で造形する、モチーフ(猫)への愛に満ちた執着心あってこそなのかもしれません。
モサモサさんのもとで産声をあげた「ともだち」たちが、私達に何を語りかけてくるか、会場で耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。
作品実物の、身悶えするほどの愛くるしさを直にご堪能頂ける特別な機会です。皆さまのお越しを、お待ちしております。
モサモサさん 作品展「ともだちのはなし」
〈会期〉2024年8月7日(水) – 8月18日(日)
〈詳細〉https://picaresquejpn.com/mosamosasan_exhibition_2024/
〈モサモサさん 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/mosa2san
Instagram https://www.instagram.com/mosa2san
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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561
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■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/
■開催&開催予定の展示一覧
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