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夫の2,000文字エッセイ

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2020年12月の記事一覧

43.素敵な記憶喪失

43.素敵な記憶喪失

僕は人の話をよく覚えている人間です。
妻が話したことや、友達が話したことも、きちんと覚えていて

「よくそんな話、覚えてるね!」

と話をした当人から驚かれることが今までに多々ありました。

「全然、興味無さそうに聞いてたくせに!!」

と、まあ最後には何故か怒られてしまう、なんてことも多々あるのですが、それはまた別のお話です。


記憶力の良さは自分でも自覚しているところもあり、学生時代は勉強

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41.クリスマスのお裾分け

41.クリスマスのお裾分け

華やかなイルミネーション、高層階のレストラン、煌びやかな夜景。
グラスを傾けて飲むのは、宝石のように輝くスパークリングのワイン。
甘いデザート。甘い言葉。甘い口づけ。少し背伸びしたプレゼント。
体を寄せ合い、歩く夜。いつもより明るい、聖なる夜。
「冬が寒くって本当に良かった。」
自然と口から出てしまったフレーズ。
「君の冷えた左手を僕の右ポケットにお招きする理由になるから?」
そう言って、はにかむ

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42.おじいちゃんとおばあちゃんに会いたい!

42.おじいちゃんとおばあちゃんに会いたい!

仕事納めました。

今年も無事、仕事を納めました。

足元の数字をチラチラと気にしながら業務に取り組んでいると、目の前の壁に気が付かず、平気でぶつかって事故なんかも起こしました。

が、振り返ってみると概ね平穏でした。

そんなもんですよね。

今年の年末年始は妻と二人で過ごします。

実家には帰りません。生まれて初めて実家以外の場所で年を越します。

おじいちゃん、おばあちゃんにその旨を連絡しま

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40.妻へのラブレター

40.妻へのラブレター

僕は妻と飲むのが好きです。

付き合う前も、付き合ってからも、よく二人で飲みに行きました。
もちろん結婚してからも、よく二人で飲みに行っています。
今はコロナだったりを気にして頻度がかなり減りましたが、それでもたまに二人で飲みに行きます。

家の近くにカウンターだけの小さなレストランがあります。

近くで働いていたり、近所に住んでいる方しか来ない、常連さんだらけのお店です。

4年前に就職と同時に

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38.スタイルの良いクマ

38.スタイルの良いクマ

皆さん、「スタイルの良いクマ」と聞いてどんなクマを想像しますか??

クマではなく、人間だったら容易に想像がつきますよね。

顔がこぶしのように小さく、手足がスラっと長い、いわゆるモデルのような体型がスタイルの良い人間だと思います。

では、クマの場合はどうでしょうか。
ご存知の通り、そもそも人間とクマでは体つきが全く違います。

ちなみに僕は「スタイルの良いクマ」と聞いて、はじめに、筋肉隆々の逞

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37.カレーは人生のスパイスだ。

37.カレーは人生のスパイスだ。

キッチンに新しい色が加わりました。
と、いっても華やかな色ではありません。

茶色、茶色、黄色、赤。

主に土色です。
それでも、僕の目には美しく、夢のある色に見えてしまうのです。

最近僕は、市販のルーを使わないスパイスカレー作りにはまっています。
キッチンの新たな色になってくれたのは、カレーに使う「スパイス」たちです。

平日は仕事もあり時間も限られているので、なかなか作れないのですが、休みの

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