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37.カレーは人生のスパイスだ。


キッチンに新しい色が加わりました。
と、いっても華やかな色ではありません。

茶色、茶色、黄色、赤。

主に土色です。
それでも、僕の目には美しく、夢のある色に見えてしまうのです。


最近僕は、市販のルーを使わないスパイスカレー作りにはまっています。
キッチンの新たな色になってくれたのは、カレーに使う「スパイス」たちです。


平日は仕事もあり時間も限られているので、なかなか作れないのですが、休みの日は毎日カレーです。
先週の土日も先々週の土日もスパイスカレーでした。
何事もなければ今週の土日も来週の土日もスパイスカレーです。
もはや習慣と化しております。スパイスカレー作り。


妻は文句ひとつ言わず、「夫さんの手料理なら何でも食べる!」と笑顔でカレーを食べてくれます。

主に、クミン(茶色)コリアンダー(茶色)ターメリック(黄色)レッドチリパウダー(赤)を使って作るのですが、結局一番のスパイスは、スマイル(笑顔)なのかもしれませんね!!!



さて。


ある日曜日、何気なくラジオを聴いていると、耳障りの良い女性の声が聴こえてきました。
休日にのんびりとラジオ。気持ちが落ち着きますよね。

しかし、そうは問屋が卸さない。


「んんっ?!」


耳障りの良い声の女性は、聴きなじみのない言葉を、たびたび発するではありませんか。


「印度カリー子さんは~」「印度カリー子さんって~」「印度カリ―子さんなら~」


印度カリ―子、さん!??


落ち着いて耳を傾けると、その正体、、
東京大学の大学院でスパイス料理を研究しているスパイス料理研究家の印度カリ―子さん

というではありませんか。
それも何やら、とても簡単そうにレシピを紹介しているではありませんか。


印度カリ―子さんは言います。


「クミン、コリアンダー、ターメリックを1:1:1で混ぜるだけで、おいしいスパイスカレーが作れます!」


僕は、思いました。


「なんだ、簡単じゃないか!これなら僕にも作れる!!」


実際、簡単においしいスパイスカレーが作れたものですから、もうびっくりです。

ただ、そこで僕は思うのです。


本当に簡単だったのか、と。


僕はコロナ禍になるまで、包丁を握ることすら抵抗があるほど、料理をしませんでした。食わず嫌いならぬ、やらず嫌い、です。

野菜や肉を切り、市販のルーで煮込むなんて、やったこともなかったし、初めて作ったときには右も左もわからず、苦戦したことを鮮明に覚えております。
ましてや、スパイスカレーなんて、考えもしませんでした。レトルトカレーが、ギリ、だったのですから。

僕は、思います。

結局大切なのは「順番」なのかもしれない、と。

例えば、「そうだ、時間があるから本を読もう!」と意気込んだとします。

まずは名作と呼ばれる「人間失格」「罪と罰」「老人と海」なんてどうだろう。
なんて思ってしまうと、「読書なんて、つまらない!!」への近道をたどってしまうかもしれません。
「人間失格」なんて今でこそ、キャッチーなタイトルっぽくなっていますが、厭世的で破壊願望が強い太宰後期の作品です。
決して小説を読み始たばかりの人が、入りこみやすい作品ではないでしょう。
(それに有名になり過ぎて、わかりずらいですが、「人間失格」なんてとても残酷なタイトルです。)
もちろんこれらの本を読んで、読書の素晴らしさを学ぶ人もいるでしょう。
ですが、大衆性やエンタメ性のある起承転結のはっきりとした小説を読んだ方が、読書の楽しさがわかりやすいかもしれません。


筋トレも同じです。いきなり100キロのダンベルを使ってトレーニングをしても、何の効果もありませんし、怪我にも繋がります。
20キロ、30キロと段階を踏んでこそ、やがて強靭な肉体が身につくはずなのです。


そして、スパイスカレーも同様なのです。
料理を始めてみて、野菜の切り方を覚えて、市販のルーでのカレー作りが難なくできるようになって初めて「スパイスカレー」が簡単に作れるようになるのです。

少し前の僕だったら、印度カレー子さんのラジオでのお話を聞いても

「変な人が、変なことを言っているよ。」

としか思わなかったことでしょう。
実際にスパイスカレーを作るなんて、もってのほかです。


大事です。順番。


僕は今日も、朝起きて妻に「おはよう」と言い、家を出るときには「いってきます」と伝えます。
帰ってきたら「ただいま」と言って、眠るときには「今日もありがとう」と伝えてから「おやすみ」と言って眠ります。
順番どおりです。階段を1段1段上るように進もうじゃありませんか、人生よ。


聴いてて良かったです、ラジオ。
買って良かったです、スパイス。

ではでは〜。

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