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世界の微妙なバランスについて
この間、今のきな臭い情勢について、同世代のやはりベルリンに住む知り合いと言葉を交わした。開口一番、彼は僕にこう言った。「君はドイツ観念論者だね」。そして、世界を短く解説してくれた。「いいかい、世界は微妙なバランスの上に成り立って来た。それが今崩れかけているんだよ」。僕はそういうバランスこそが世界の平和の基盤だとは信じていないので、米国が日本の安全を保障するというのは一種の迷信じゃないか、と言った。
もっとみる君との朝食、そして一日。
ベルリンの旧西部に、What do you fancy, love? というカフェがある。今日ぼくは君とそこで朝食を取った。君は、ぼくがとても尊敬するパパであり、シリアルアントレプレナーだ。自身の誕生日に君が書いたエッセイを読んで、心動かされてコメントをしたぼくに、君はすぐに返事をくれて、一緒に朝ごはんを食べよう、と言ってくれた。30分のカレンダー予約を送ったぼくに、それでは短いから一時間にしよう
もっとみる海外で日本人の気持ちが分かってもらえないのはなぜか。気圧モデルで考える。
「親譲りの無鉄砲で、子供の頃から損ばかりしている」とは『坊ちゃん』の冒頭の有名な一文だが、こと日本そのものについては、次の形容がむしろ当てはまるように思う。
「歴代譲りの内弁慶で近代の頃から損ばかりしている」国際会議に行くと、日本政府代表団はほとんど発言がないか、あっても極めて少ない場合が多く、とにかく一生懸命他国の発言メモをとって、あとは徹夜で内部報告書を作成しているパターンによく遭遇する。そ
ドイツ語から見た、日本語における言葉の射程距離について
ドイツに暮らしていると、大人も子供も1日に話す言葉の量は日本の3倍は行くのではないかと思うことがある。そもそもより多くの会話をする文化であることもあるけれど、同じ1分あたりでも、そこに詰め込むセンテンスやワードの数が違う。これはドイツ語から日本語への同時通訳をする人は痛切に思い知るに違いない。聞き取った内容をコアとなるメッセージに切り詰めて要約していかないと、とてもついていけないだろうからだ。それ
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