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長ねぎをもらったら終わり

農家でバイトをしていると、いかにも農家らしい出来事が起こるので面白い。余った野菜をもらったり、軽トラをぶつけたり、畑でカマキリと遊んだりしている。 ただその一方で、問題も多い。 オーナーからはなるべく早く作業するようにと言われるのだが、タイムカード制を採用しているため、早く作業すればするほど勤務時間が短くなり、私たちの給料は減る。 また、一日あたりのノルマが決まっているわけでもないので、一生懸命やった結果「早く終わったからもうちょっとやろう」となる場合もある。これでは、

    • まぐろを注文するかっこよさ

      天丼に乗っている天ぷらには、たいてい米粒がついていると思うんだけど、この、米粒がついているという事実は、天ぷらの「天ぷら」としての品格を著しく損わせているような気がする。 ということを考えながら、そばとミニ天丼のセットを食べていた。最近はもう、天丼はミニがちょうどいい。かつ丼もミニでいい。ラーメンも、種類によっては、ミニでいいかな。 さて、俺という人間の、何よりもどうしようもないところは、こうした脂っこいものに対する、「もういいかな」という態度が、かっこいい、と思っている

      • 書店にいると思い出す言葉

        中田敦彦が何かの動画で、本を買う時のマイルールの一つに「立ち読みして、一行でも"いいな"と思う文章があったら買っていい」というものがあると話していた。この動画を観たのは、おそらく四年以上前なのだが、今でも書店で本を買うか迷っているときに、よくこの言葉を思い出す。そして、買う。結局のところ、その言葉を思い出すのは、その本をどうしても手に入れたいからで、中田敦彦は、本の購入を正当化するためにその都度、都合よく召喚されているにすぎない。「本っていうのはさ、一行でもいいなって思うとこ

        • 友だちの親の車(中島美嘉が流れてる)

          小学生の頃、親の車だったか友人の親の車だったか忘れたが、よく中島美嘉の曲が流れていて、こんな暗い曲、勘弁してくれと思っていた。それから大人になるまでほとんどまともに聴いたことがなかったのだが、最近なぜかやたらと「あの虹を渡って あの朝に帰りたい」という歌詞が頭に浮かんできて、そういえばこれは中島美嘉の曲じゃなかったかと思って調べてみるとやはりそうだった。あの虹を渡って。たしかに虹というのは、時折私たちの前に現れるささやかな奇跡とでも言うべきもので、その意味では、日常と非日常の

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        • 大喜利について
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          神になりたいからですよね

          筋トレとか資格勉強に寄りかかっているやつが俺の人生に首を突っ込んでこないで欲しい。俺は現在進行形で筋トレをしているし、資格勉強をしていた時期もあるからそれ自体は全く否定しない(当然だ)けれども、ただ単に社会的に承認・賞賛されやすいからという理由でトレーニングやら、何やらを選び取った人間がその権威にぶら下がりながら他者に対して高圧的に当たっているのを見ると「マジか」「こいつマジか」と思うのである。自分が筋トレをしているからこそ分かるのだが、メンズコーチジョージはまさに氷山の一角

          神になりたいからですよね

          観光地にほとんど触れない旅行記(山梨編)

          友人と山梨に行った。二泊三日。と言っても、最初の一泊は神奈川に住んでいる友人の家に泊まらせてもらった。お邪魔するのに手ぶらでは…ということで、アイリッシュウイスキーを買って行った。アイリッシュウイスキーというのは、三回蒸留しているので癖がなくて飲みやすいんです。と、店員さんが言っていた。私は酒が飲めないので酒に関する知識もなく、ウィスキーというのはハイボールとかのやつですよね?くらいの認識であったが、良い店員さんのおかげで何とかなったし、実際喜んでもらえた。 ただ、この友人

          観光地にほとんど触れない旅行記(山梨編)

          この世のどこかにある扉

          最近のくら寿司ではビッくらポンを遊ぶかどうか選べるようになっており、タッチパネルの初期画面では「ビッくらポンを遊ぶ・ビッくらポンで遊ばない・ビッくらポン!プラスで遊ぶ」という三択が提示される。最後のビッくらポン!プラスというのは、一皿あたりの価格がプラス10円される代わりに当選確率が「三回に一回」になるというサービスらしい。殺伐としている。というわけで、通常の確率で遊ぶことにした。正直ビッくらポンをやりたい、当てたい、ここらで一発逆転狙いたいなどの気持ちは十年ほど前から皆無な

          この世のどこかにある扉

          それの何が面白いの?

          馬鹿馬鹿しい・どうでもいい・死ねなどの内なる声に抵抗しながら、ここ数年は何とかかんとかしており、最近ようやく深呼吸する、姿勢を正す、腹筋に力を入れるなどの方法で早急な復帰が可能になりつつある。具体的には、あーどうでもいい全てが。と思ったら腹筋に力を入れる。そういうことである。ところで、筋トレすれば全て上手くいくみたいな説が人口に膾炙していたりしていなかったりすると思うがこれは完全な嘘である。もうしばらく週3、4くらいの頻度でトレーニングを続けているが、ただ面白いだけで精神的に

          それの何が面白いの?

          赤いスイートピーの畳み掛け感

          えーこんにちは 俺の悩みを一言で表すなら「この世界(の意味)に完全にコミットできないこと」という感じでしょうか。敢えて言い切りますが、そもそも人生に意味なんてないのに、みんなよくTOEICの勉強できるなあ!TOEICの勉強してる人すげー(皮肉じゃない) andymoriのweapons of massdistractionという曲に「きれいな人形が欲しいよ 僕にとっての君みたいな」という歌詞があるのだが、最近そういう気持ちになることが多い。今後もこの虚しさと付き合っていく

          赤いスイートピーの畳み掛け感

          日記 9/8

          今回の日記は、かなり重ための内容になってしまうと思います。自分自身、他人が書いた文章を読んで、感情的に不安定になるということがそれなりにあるため、心当たりのある方はここで読むのをやめていただきたいです。私は他人を不安にさせるために文章を書きたいわけではない。しかしそれでも、敢えて日記として公開しようと思ったのは、これから書くことが、私たちはどうあるべきかという、実存的な問題に触れていると思ったからです。 昨日、自転車でジムに向かう道すがら、目の前で猫が車に轢かれました。その

          日記 9/8

          ほとんど観光地に触れない旅行記(鎌倉編)

          友人二人と鎌倉に行った。 ガレット食べたことある?と聞かれたので、とりあえず「あるよ」と答えてから記憶を遡ったのだが、どう考えても食べたことなかったので「ごめんやっぱりない」と言った。友人からは「ガレット食べたことないと思われたくなくて一度は嘘を付いたけど、罪の重さに耐えきれず訂正した」みたいに思われたかもしれない。だとしたら不服だなあ。結局、朝食はガレットではなく鯖の塩焼き定食になった。食べている時、頭の中では完全に鯖だったのに「このホッケ美味しいね」と言ってしまい、「鯖

          ほとんど観光地に触れない旅行記(鎌倉編)

          ほとんど観光地に触れない旅行記(東京編)

          友人二人と東京に行った。朝4時半に集合して、歩いて駅に向かった。いきなり話は飛ぶが、美容室に行った時、担当のお兄さんが「ラーメンおじやって知ってる?」と聞いてきた。知りませんと答えると、以下のような話をしてくれた。子供の頃、よく母親がラーメンおじやという料理を作ってくれた。時間がないからラーメンおじやでいい?疲れてるからラーメンおじやでいい?ラーメンおじやは、本格的な料理というよりは、どちらかと言えば手抜きの、簡単に済ませたい時に作る料理だったという。そして、お兄さんは二十代

          ほとんど観光地に触れない旅行記(東京編)

          「大喜利研修会『OGT』」の感想

          虎猫さん主催の「大喜利研修会『OGT』」に参加しました。生大喜利会に参加するのは八ヶ月ぶり二回目、久しぶりだったので非常に緊張しましたが、自分のやりたいことが全くできなかったわけではなかった(できたというわけでもないが)し、生大喜利会という(場を共有する大喜利)空間に身を置くことで得られた気付きも多くあったので、勢いで応募して良かったなと思っています。帰りの電車で会の感想をノートにまとめたので、それを基に感想を書いていきます。先に断っておくと、この記事では自薦や(他人の回答に

          「大喜利研修会『OGT』」の感想

          もずが枯木で 鳴いている

          友人から勧められて「容疑者Xの献身」という映画を観た。たぶん十年ぶりくらいに観たのではないか。すごく良かった。二つほど思ったことがある。一つは、石神の生活と、それに伴う絶望が、以前観た時よりもはるかに生々しく、たしかにこの世に存在するものとして感じられた、ということである。石神はマフラーに顔を埋め、俯きながら通勤路を歩く。石神にとって、日々はもはや決まった型の反復でしかない。また、俯きながら歩くのは、あらゆる目線によって審査されることを拒絶する姿勢に見える。下を向くことで世間

          もずが枯木で 鳴いている

          エンスト(エンジンストール)

          寿司打をしていたら腹が立ってきたので日記を書くことにした。最近はなぜか教習所に通っていて、しかもマニュアル車の免許を、これまたなぜか取ろうとしている。教習所では怒られることが確定している。教習を受けるには予約を取る必要があるのだが、来週の何時から何時まで車に乗る、というより、来週の何時から何時まで怒られる、ということに、実質、なっている。灰色の日々である。前々回の教習では、同乗した教官が自分と同い年の女性だった。二十二歳で教官、というと、おそらく十二歳ごろにはもう車を運転して

          エンスト(エンジンストール)

          ツイートまとめ

          知人のみフォローしているツイッターアカウントがあって、最近はもっぱらそこでツイートをしているのですが、あまりにもお気に入りのツイートが多いのでまとめます。適当にコメントも付けていきます。 そうぺこか 万札あると微妙かもね そうだね 遡るとね 麻雀プロにそんなこと聞くなよ はい ぺこらそんなこと言わないよ 座右の銘にしてもいい 元気にしてるといいけど 美味しいとかじゃなくて、かっこいい そんな欲ないよ ないって これは週5で働いてた時期に思ったことだね

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