「大喜利研修会『OGT』」の感想


虎猫さん主催の「大喜利研修会『OGT』」に参加しました。生大喜利会に参加するのは八ヶ月ぶり二回目、久しぶりだったので非常に緊張しましたが、自分のやりたいことが全くできなかったわけではなかった(できたというわけでもないが)し、生大喜利会という(場を共有する大喜利)空間に身を置くことで得られた気付きも多くあったので、勢いで応募して良かったなと思っています。帰りの電車で会の感想をノートにまとめたので、それを基に感想を書いていきます。先に断っておくと、この記事では自薦や(他人の回答に対する)しがみは極力しないつもりなので、そういったものが見たい方にとってはつまらない内容になるかもしれません。

今回の会では、三つの企画がありました。①通常大喜利(勝敗なし)②コンボDEベストアンサー(チームとしての勝敗あり)③初心者トーナメント(勝敗あり)です。①は6人×5ブロックに分かれて、4分×2問ずつ大喜利をしていく形式。勝敗や順位は付かない。②は6人×5チームに分かれて、チーム同士で(審査員による)総合得票を競う形式。③は初心者のみのトーナメント。5人×3ブロックに分かれて、各ブロック2人ずつ勝ち抜け、決勝を6人で行い優勝者を決めるという形式。自分は①>②>③の順で好みでしたが、勝敗の付く形式の方が頭が回っている感じはあったので、集中力とか、頭の回転率では③>②>①だったのかなと思います。

通常大喜利(勝敗なし)が好きな理由は、みんなが好きなタイミングで好きなことをして、言って、そして、そういう一つ一つの言動が余すことなく場に漂って、共有された空間を形成していくと思うからです。もう一点、今回の会では経験者の方もプレイヤーとして参加していたのですが、その中には独特の佇まいを持っている方(とりわけジャスミンさん)がいました。次は何を言うんだろう、とわくわくしながら待つ。回答の強度とかアイデアの質とかではなく、その人が何を言うんだろう、ということです。そうなると、ウケていなくても面白い、ということすらあり得る。にも関わらず、そういう佇まいや姿勢までもが、最終的には点数や順位に収斂してしまう(点数や順位のためのものになってしまう)のは、単純に勿体ないと思いました。勘違いして欲しくないのは、勝敗を付けること自体を嫌っているわけではない、ということです。たとえば、ネット大喜利において、勝敗や順位は必須だと思います。でも、みんなでお題と回答を共有し、それによって場を共有することができる、もっと言えば、同じ世界に入ることができるという生大喜利にしかない良さは、勝敗や順位を付けることによっていくらか損なわれてしまうのではないか、と思いました。とはいえ、勝敗を付ける大喜利にも良さがあると思うので、ここは棲み分けかなと思います。きちんと区別して、その時に何を求めているかによって、参加する会を選んでいければいいのかなと。

あと、打ち上げの時に、経験者の方々が「初心者会には誰々(プレイヤー名)がいて欲しいよね」みたいな話をされていたんだけど、それで言うと自分はジャスミンさんの大喜利を見られて良かったなと思いました。ジャスミンさんの大喜利はホワイトボードの中で完結しない、文章だけで完結しないものなので、生であればこそ、という大喜利が見られると思います。

回答者になって感じたのは、やっぱり自分は多答が苦手だということ。理由はある程度分かっている。自分はお題から要素を拾ってズラす(ボケにする)という考え方をほとんどしていない。自分がしているのは、お題の外から適当な単語を持ってきて、それをお題に沿わせていく、という考え方。この考え方は、上手くハマれば意外性のある回答になるが、ハマらなかった場合、一答もできないとか、できたとしても納得感に欠けたりしてしまう。その上、どの単語ならボケになるだろう、と吟味する時間が必要になるので、多答に向いていない。一方で、生大喜利メインでやっている方々の回答スピードは恐ろしく早い。自分の三倍くらいは回答を出していたのではないか。推測でしかないけど、生大喜利をしている方の多くは前者の考え方を採用しているのではないか、と思った。回答スピードの速さは、お題から要素を拾う能力の高さなのではないかと。ただ、そうした考え方の違いからか、生大喜利の方とは多少ツボが違うんだろうなとも思った。だから、尊敬ラーメン屋さんがネット的な回答をたくさん出しているのを見て、めちゃくちゃ凄いと思った。尊ラーさん(略してごめんなさい)に関しては、もう一つ印象的だったことがある。彼がある回答を出そうとして、その内容を喋り始めた瞬間に、まだどんなボケかも分からないのに「あ、これウケるな」と直感したことがあった。そして案の定、その回答は大きくウケていて、不思議だ、と思った。多分、出し方が上手いのだろう。考え方のバランスも、回答の出し方も勉強しないといけないなと思わされた。

色々と書いてはみたけど、全体としてはやっぱり楽しかったです。ホワイトボードにペンを走らせる、あの身体性も良い。今後は少しずつ生大喜利会にも参加していきたいと思えるような会でした。それに、いろいろな形式を体験できるという点でも素晴らしい初心者会だと思いました。主催していただいた虎猫さん、経験者の方々、初心者の方々、ありがとうございました。

少しだけ打ち上げのことを書くと、まずえすわいさんとたくさん話せて良かった。えすわいさんのことをなぜか年下だと思っていたのだが、年上だった。なんか、他人のツイートとかを見て、年齢を推測して、このくらいの方なんだろうなと一度思ってしまうと、時間の経過によってそれが確定情報みたいになってしまう。以前もそういうことがあった。チームを組む約束とまた今度大喜利関係なく遊べたらいいねという話ができて嬉しかった。帰り際、駅のホームで虎猫さんとえすわいさんと三人で話している時間も楽しかった。最後はえすわいさんとハグして別れた。私たちさんとはツイッターでも交流がなかったけど、同い年だと分かって、最後はタメ口で喋ったりして楽しかったんだけど、なんか酔いすぎてて「おうかさんの大喜利は面白い!」しか言われない時間あって、そこだけ意味分かんなかった。打ち上げの中で、とかじゃなくて、昨日という一日全体の中で、そこだけがよく分からなかった。以上

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