ほとんど観光地に触れない旅行記(東京編)


友人二人と東京に行った。朝4時半に集合して、歩いて駅に向かった。いきなり話は飛ぶが、美容室に行った時、担当のお兄さんが「ラーメンおじやって知ってる?」と聞いてきた。知りませんと答えると、以下のような話をしてくれた。子供の頃、よく母親がラーメンおじやという料理を作ってくれた。時間がないからラーメンおじやでいい?疲れてるからラーメンおじやでいい?ラーメンおじやは、本格的な料理というよりは、どちらかと言えば手抜きの、簡単に済ませたい時に作る料理だったという。そして、お兄さんは二十代半ば頃まで、ラーメンおじやをカレーライスやチャーハンなどと同じ部類の、いわゆる定番料理だと思っていたらしい。各家庭にそれぞれの味のラーメンおじやがあるということを疑わず、二十数年を生き抜き、ある日ある飲み屋のある会話でラーメンおじやという単語を使ったところ、一緒に飲んでいた友人に「そんなものはない」と喝破されたらしい。それぞれの味どころか、ラーメンおじや自体が存在しなかったのである。ちなみに、ラーメンおじやは「サッポロ一番のような袋麺に余ったご飯を入れて煮込んだもの」とのことだった。それを聞いて、自分の家庭にもそういう、気付けていないだけで全く一般的ではない料理があったりするのかな、と少し考えたが、何も思い付かなかった。それで、ようやく話は戻るが、歩いて駅に向かっている時にその話題を出してみた。だが、二人ともやはり思い付かないようだった。「まあそうだよね」「ないよねえ」と惰力で会話が進んでいく中、友人の一人が「あっ」「カレーに醤油かけるかも」と言った。カレーに醤油かけるの?それは結構珍しくない?聞いたことない。シチューに醤油ならかけるけどさ。えっシチューに醤油かけるの?シチューに醤油かけるでしょ。かけないかけない。そうなの?シチューと言えばさ、ご飯に直接かけるか、別々で出てくるかで分かれるよね。うちはご飯にかけちゃうけど。うちもそうだなあ。えっかけるの?かけちゃうね。うちはかけないわ。へえー。やっぱり違うんだね。家庭によってね。そういう流れで、私が「でもシチューって元々はそういう料理というか。ハンジさんがさ、鍋に色々な野菜とか肉とか、あとお腹が膨れるようにじゃがいもを多めに入れたりして乱暴に煮込んでた、ああいうのが元々のシチューだよね。日本で一般的なホワイトシチューはご飯に合うように味が調整されているのかな」と言ったら、「お前が進撃の巨人好きすぎるのもういいよ」と言われてしまった。ええ?進撃の巨人より面白い作品なんてないのに。でも確かに最近すごくて、マジで何も考えてない時とか無意識に「駆逐してやる…」って言っててヤバかった。今更中二病とか言われたくないよ。他にも色々と言ってはいるんだけど、ネタバレになっちゃうから言わない。みんなも読んでね。もし進撃の巨人大好き!って人がいたら話しましょう。

電車の中でW杯のアルゼンチン対オランダ戦を観た。これまでの日本戦とかほぼ観てなかったんだけど、面白かった。東京に着いた。カフェでモーニングを食べて、何となく代々木公園に向かった。歩いてる時、なんかぼーっとしてて、ふと左見たら選挙ポスターに「ながつま 〜(下の名前は忘れた)」とあって「ナガツマガツチ(アマツマガツチ)」と思ったけど、(言うほどでもないか…)と判断して黙っていた。そうしたら突然、友人が「危ない!」と叫んで自分の裾を引っ張った。何?と思ったが、どうやら地面に何かの汚れがあったらしく、私が踏まないように配慮してくれたようだった。「ごめん、今モンハンのこと考えてて、ながつまっていう人の選挙ポスター見てナガツマガツチって思ってたんだよね」と言ったら、そんなに反応がなく、わりと速やかに鍋パーティーしたいねという話題に移っていったので「鍋つかみ(ヤマツカミ)」と言ったら、「もういいよお前」「(汚れを)踏んどけ」と言われてしまった。でも、確かに鍋パーティーはしたいなと思った。代々木公園に着いた。歩いているだけで楽しかった。

その後は喫茶店でパフェを食べたり、ちょっと高めの回転寿司で昼食を取ったりした。タワレコにも行った。TWICEとITZYのアルバムを買った。最後は日比谷公園で開催されているクリスマスマーケットに行った。店名は忘れたが、適当な出店でソーセージ6種盛り(2000円)を注文したら、今まで食べたソーセージの中で一番美味しくなかった。こんなことしていいのかよ。金さえ稼げればそれでいいのか。若干みんな怒りながら帰った。今回の東京旅行はこんな感じ。なぜ急に駆け足になったかと言うと、飽きてしまったから。代々木公園を歩いていたのは朝の十時で、帰りの電車に乗り込んだのは夜の十時です。十二時間分の出来事を数行にまとめてしまった。けど楽しかったです。またね。

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