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【2024創作大賞ミステリー部門】創作大賞対象非対象かも知れない小説 by黒影紳士 subtitle「見えない現実」1頁


#創作大賞2024 #ミステリー小説部門

 えー、応募の仕方がわかりません。
 web小説史上、現在一番長いミステリー枠で許されているだけの、ぶっ飛んだ何かを書いている小説は何処に行けば良いですか?

第一頁 五千文字斬り!多分完結間に合わないだろうな企画中


僕は……何処へ……向かえば良いのだろう……。

 そんな途方も無い虚無感…不安を抱えて、ただ探偵と言うだけで、何でも許される。
 そんな時代に甘え切っていた事を今頃恥じた。
 鳳凰が脳内に降臨し、燃え盛る翼を激らせ犯人を何故か警察でも無いのに追っている……。

「実に……(眼鏡をシャキーン!)……ナンセンスだ」

 黒影は、普段の紳士姿からは想像出来ないクールさに変わると謂れる、ギャプ萌えを発症させると噂の通称”キャピキャピ眼鏡”を態とらしく掛け直し中指を顳顬に真っ直ぐ指して言った。

黒枠無し



「先輩!やばいですって、応募してるんですよね?これ!ギリギリどころの話じゃないですよ!」
 と、サダノブが言うのだ。

「はぁ?良いじゃないか。此れが「黒影紳士」だろう?何時もと何ら変わらない。実に……実に……だから、ナンセンスだ。でも考えてもみろよ。眼鏡掛けて中指をシャキーンするだけで、ミステリーだか推理感だかが増すなら容易いご用じゃあないか」
 黒影は漆黒のロングコートを揺らし、腰に手をあて何が悪いと完璧に開き直っている。

「ミステリー感じゃなくて、俺等ミステリー枠なんですよ!」
 と、サダノブの癖に説教のつもりらしい。

「誰が決めたんだ?探偵=ミステリーなんて。僕は決まり決まった壁を見るだけで蹴り飛ばして突破してやりたくなる。……良いか?神秘的である事!此れたった一つがミステリーの真髄だ。ならば、僕は正統派ミステリーだろう?ミステリアスで神聖な生き物である鳳凰……そして……此の一見ファンタジックな巫山戯た会話から誰が想像出来ようか!」

何を歌って欲しいですか?

 黒影はまるでオペラ座の劇場にでも立つオペラ歌手の様に、其の最後の言葉を響かせ、大袈裟の限りを尽くし、両手と……何故か……コートのヒラまで風を受けた様に広げ、たなびかせたのだ。

「今、文字だけを良い事に……何でも出来ると思っていません?」
 サダノブが聞いた。

「何がだ、当然だろう?良いか、僕等はミステリーの中にいる。
 全てに神経を研ぎ澄まし、観察力と洞察力を駆使し……そして……己の脳を信じなくてはならない。
 想像力と言う……もう一つの力を育ててこそ、我々「黒影紳士」のキャスト全員ですべき事だ。
 想像力は空想し、推測を先ず立てるのに必要な能力。
 其処から一つに絞るのに、洞察力と観察力が必要となる。
 読者様をエスコートしてこその紳士だとは思わないか?」
 と、黒影は今頃何かと言わんばかりの呆れ顔で言い、溜め息を吐いた。

「ぜ〜んぜん思いません!其れより、先ず主人公として謝罪会見でもして下さいよ!
 こんな素晴らしい大賞に何時ものノリで巫山戯た挙げ句、もしも各関係者の方や推理ミステリーを期待して読んだ読者様は総意でがっかりですよっ!
此の始末、如何着けるつもりなんですかっ!」
 サダノブは鳳凰付きの狛犬だけあって、良く吠える……黒影は態とらしく耳を塞いで見せた。

「誰に言っているんだ?まさか、此の僕にではなかろうな?
今、言った言葉の意味も、長年一緒にいて分からんとは……。
今……約千文字弱、サダノブと会話した。
だがな!他に何が分かったと言うのだ!一体、一千文字で僕の何が分かったのかと問うているのだ!」
 黒影は突如烈火の如く声を張った。

「えっ!?ちょっ…逆切れ?
だから、大賞選びなんですから、もう少しお行儀良く行きましょうよ。ねっ、ねっ?」
 サダノブは何時もの様に我儘な上司を宥めるが、行形(いきなり)逆行した理由だけが分からない。

「僕は一行たりとも無駄にはしない。
前半の千文字で、既に事件は始まっている。ヒントも言った。想像力を付ける為にエスコートをすると。
見えていないんだよ。
気付いたかな?サダノブが文章だから何でもしているんだと僕に言った。僕の声はやたらに急に響いた。
あの時、僕は遊んでプレスリーの様に骸骨マイクを出して、マイクスタンドを斜めに太腿に掛け言葉を発したからだ。サダノブには其れが見えていた。
僕等は普段「黒影紳士」と言う物語りの中にいる。
紳士が骸骨マイク……想像も付かなかっただろう?だからあえてやって見せた。
如何に文章が足りない存在であるか、知らしめる為である。
……だが、これから……蕾がゆっくり美しく開花して行く。
まさに、神秘的な輝きを以って。先ず花を飾る舞台がいる。
サダノブ……骸骨マイクがある此処は何処だ」
 黒影は気怠そうにマイクスタンドに腕を掛け聞いた。

「えっ?ライブハウスですよ。閉店後の。閉まってなきゃ人がいて五月蠅い。俺の会話なんて地声なんですから、先輩に届く筈が無い」
 と、サダノブは答える。

 そうだ。
 きっとこれから事件が起こるに違いない。
 だってミステリーなんだから。

 そう思われましたかな?お読みの皆様。
 そんな至極簡単なダラダラした話は嫌いでね。
 定番が放つ美しさの其れとはまた違う。

 僕ならばこう言うだろう。
「甘いな……サダノブ。事件はもう……既に……起こっている」
 黒影は声のトーンを落として言った。

「へ?じゃあ……ライブ中に揉め事でも?……其れより先輩、お前は既に……的な言い方止めて下さいよ。怒られますよー」
 サダノブは何かを隠す様に言った。

「サダノブにも行形のスタートで言い忘れた。
此の今回の舞台について、約二千文字にしてやっと……あえて想像力を使って頂きたく、今から詳細を述べる。
此処はライブが始まる前のライブハウスだったと言っておこう。
僕は最初から至極真面目にやっている。
冒頭重視で中身を知ろうとしなくなった者へ、反旗を翻すべく此の逆の書き方をした。
魅力とは何だ?
中身が在るだとか無いだとか人は人に対して言ったりもするが、物語の中身は空っぽか!!
飽きたんだよ……そんなものに、僕は。
簡単過ぎた……冒頭から惹き付けるなんて。
そんな事に慣れたら……脳味噌が腐っちまう……そう思った。
死前端命(デスラトル)や、遺体を手前で転がせば済む。
そんな物に僕の心はもう動かなくなっている。
其処に神秘的さの欠片も感じない。
裏切れるだけ裏切りたい……。
想定から逸脱した時、始めて人は驚きや心を動かすのだと信じている。その閃きこそが光を帯びた真実への鍵となるのだ。
誰に伝えたかったか、今……分かってくれたね?

 では、足並みが揃った所で順序を正し、話す。
僕は殺害事件がライブ前のライブハウスで起きたと、兄の風柳さんから知らせを受けた。
ウチの探偵社は能力者犯罪に長けている。
よって、普通のご遺体では無い…若しくは変死体であると僕は確信した。
そして、出掛けていたサダノブに此処の住所を教え、来る様に伝えただけだ。
聞いてみれば数行で終わる舞台背景だろう?
舞台が見えるまで会話を長くしたのは、見えない不安を感じるか如何か試させて貰った」

「えっ?!何ですか其れ?だったら初めから「事件だ!」とか、「現場に来いっ!」って、早く言って下さいよ〜」
 と、サダノブは肩をだらりと下げて言う。

「事件は何時起こるか分からないと何時も言っただろう?
何時もより呼び出してから、距離と混雑度合いから換算して約一キロにつき5分遅いっ!」

 黒影はサダノブのバイクに常備してある発信機と其の動きをタブレットPC画面で追い乍ら言った。
タブレットPCとは言え、全てが軽量化された「夢探偵社」と、パートナー契約する「たすかーる」と言う小さいながらも日本でNo.1のセキュリティ専門店との技術の結晶が詰まっている。

 さて…そろそろ三千文字。
今度は何が分かるか……楽しみかい?
そう、三千文字の議題は此れだ。
「何か、違和感を感じないか?サダノブ……」
 黒影は不安そうな顔を急にして辺りを見渡し始めた。
「なっ……止めて下さいよ。そう言う不吉な事とか先輩も気嫌いするじゃないですか」
 サダノブは此のライブハウスと言う特有の暗い空間で、怖がる。

 照明も小さなバーカウンターにダウンライトが三つあるだけ。
 黒影の姿も顔が肌色で、コートも揺れれば光の濃淡が出るから辛うじて分かるぐらいだ。
 骸骨マイクだけが、微かなライトの光を乱反射し白銀に浮かんで見える。

「未だ気付かないのか?黒影紳士の常連読者様ならばもうとっくに気付いて笑っているに違いない」
 と、黒影は言い終えると不安そうな真似は止め、クスッと小さく笑い……何かが相当可笑しかったらしく下を向いた。

「えっ?何?また俺だけ分かって無いんですか?」
サダノブは全く分からず、そう言ってまた馬鹿にしてと言いたいのか、頬を膨らませる。

「ああ、恐らくな。子供騙しだ」
 黒影は笑い過ぎては可哀想だと思い乍らも、クックッと、つい笑ってしまう。

「教えて下さいよっ!ほら、如何せ四千文字にも何かしなきゃいけないんでしょう?三千文字の半分……三千五百ですよ!」
 サダノブは笑っていては、物語の進行に支障をきたすと注意する。

「少しは分かっているじゃないか。
此の一千文字単位で区切られているんだ。謎のヒントが。次にお前が聞くべきは、怖がりなのだから決まっているんだ。早く言わないからだろう?」
 と、黒影は言うのだ。

「えっ……。其れってまさか……」
 サダノブは嫌な予感に武者震いを覚える。
「ああ……其れだ、其れ」
 黒影は聞いてもいないのに確信していた。

 俺が……ご遺体は何処ですか?と、聞こうとしている事を。

「ご遺体……どぉ〜こだ?」
 黒影がニヒルな笑みを浮かべ言った。

 何故……こんなにも、暗くなって感じるんだ?
 何故……急に、寒く感じるんだ?

 まるで影に……凍らされた様に。

 外は真夏日和だと言うのに、エアコンが効きすぎているからか、妙に寒く感じた。
 さっきまでは先輩と巫山戯けて喋っていたから全く感じなかった。

 ……そうか……未だ説明不足。
 完成されていない舞台説明の間にいたんだ。
 俺からもちゃんと伝えなくてはいけなかった。
 読んでいる人へ……感じる事、思った事を。

『文章だけでは足りぬ』
 そう言った黒影の言葉が、今頃分かった。
だから言ったんだ。

『言葉の意味も分からないとは……』

 そして、今……きっと、望む答えをくれる。
 そう信じる事が出来る。
 だって……

 …………

 ……四千文字突破したからだ。

「もう一度僕が、マイクスタンドで遊んでみよう。僕は、斜めにこう……太股に掛けた。そして一方ではこんな説明があった。
両手を広げロングコートをたなびかせた……とな。此れは一体どんな状況だ?ナレーションと僕の間違いだろうか?
否、何方も正しい。画像に騙されてはいけない。実際に正しい順でやってみせよう……」

 そう言うなり黒影は、両手をゆっくり離そうとする。

「えっ?マイク……倒れちゃいますよ!」

 と、思わずサダノブは止めに入る。

「倒れたなんて書かれてはいない!!」

 黒影はそうはっきり言い放つと、制止させようとしたサダノブの手を払い続けた。

「真実だけが確かだ。一度書かれた事は確かである。例え後でどんでん返しが待っていようが、其の定説を覆してはならない……」

 黒影は、そんな事を言うと見事に両手を離す事に成功し、マイクスタンドはゆっくりと立ち上げるのだ。

「先輩……とうとう鳳凰辞めて、手品師にでもなったんですか?」

 と、サダノブが口をぽかんと空けて聞いた。

「馬鹿な事を言うな。下に何かがあるんだよ。暗くて見えないだけだ」

 黒影はそう言って無邪気な笑顔を見せたのだが、サダノブは震えが止まらない。

「先輩?もしかしてですけど……否、流石に其れは不謹慎過ぎる事ぐらい先輩なら分かっている筈……筈……ですよね?」

 サダノブは自分の脳裏に浮かんだ答えを否定して欲しくて、黒影に縋る様な目で聞いた。

「サダノブは今、己が一度出した真実を何故に否定しようとしているのか。僕には其方の方が全くもって……(眼鏡シャキーン!)……ナンセンスだ」

 黒影は否定しないのだ。

「なんで?……えっ?……何時からそんな冷徹キャラに成ったんです?其処迄じゃなかったでしょうよ……」

 そう苦笑いしつつも、サダノブはゆっくりと下を足で探る様に、摺り足で前へ前へと……恐る恐る近付いた。

「ぎゃぁあああ~~~~~!!」

 サダノブの足が何かにぶつかった。

「相変わらずの情けない声だ……」

 そう言った黒影を見上げると、黒影はサダノブを見下ろし、ニタ~ッと、月の様な弓形の真っ赤な口を闇に浮かばせ笑った。

そう、五千文字にして……何でもない事を夏だからと言ってホラー仕立てにして弄んでいるのだ。


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果たして続きは間に合うのか!?
超ダッシュで短編で済まそうとしている黒影紳士の行方は、次回更新🆙まで、今暫くお待ち下さい^_^
次回仕上がりましたら此方にリンク🔗を貼ります。

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各所お詫び

もしも此処迄お読み頂きました審査員様がいらっしゃいましたら、大変失礼致しました。
この作品は実際の時と共に進む特性から、シリーズの所謂時事ネタの一部となっております。

シリアス且つ本格派推理、又はクラッシックミステリーを期待された読者様には先に申し上げます。
この先もこの二人は巫山戯ます。
短編でダッシュの為、推察無しでほぼ行けるかと思います。
本格派推理やクラシックミステリーをご希望の方は読み進めるのをオススメ出来ません。
気分を害されてからのクレームは受け付けておりませんので悪しからず。

ーーー紳士&マドモアゼルの読者様へ🌹🎩

更新日は書き上がったらアップする、不定期です。

恋しかったです。
また本文でお会い出来て、喜ばしく……光栄に存じます。

長い時間、また走れるか考えて苦悩も有りました。
けれど、辞める……では無く、続けるにはと最終的には考えている自分に気付きました。

何時も見切り発車ですが、今回はもっとレールすら無い道を直走る事になるでしょう。
楽しいドタバタの道のりになりそうですね^_^

素直な気持ちは……大切な本文だけに……。

僕は此の歳で、過ぎた筈のアイデンティティを探していました。
やはり、大切なものは大切以外の何色にも染まらない。
薔薇は赤く美しいまま、散る姿すら見えない。
今度はゆっくり歩もうと思います。
ずっと他のジャンル作品を書きたかった事もあり、新作とのんびり交互に更新して行きますので、お楽しみに^_^🎩🌹

本編に付きましてはまた別幕にてSTARTします。
どうぞ宜しくお願い致します💐


よいしょ……忘れるから貼らせて貰いますね。
二万文字から結構書けますね。
この第一頁に全わリンクを貼ると🔗

大丈夫かな?僕……。妻様いなくて。一応テンプレ使ってみたんですけど。概要二行とかって何だったんだ?幻かな?←頼りない著者より妻様呼べw


以下、頁(話)目次リンクです🔻

次の第二頁

第三頁

第四頁

第五頁



お賽銭箱と言う名の実は骸骨の手が出てくるびっくり箱。 著者の執筆の酒代か当てになる。若しくは珈琲代。 なんてなぁ〜要らないよ。大事なお金なんだ。自分の為に投資しなね。 今を良くする為、未来を良くする為に…てな。 如何してもなら、薔薇買って写メって皆で癒されるかな。