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眠るたび、自分はリセットされている。

夢をみた。

中学のときのそれほど仲が良かった覚えもない友人と、ゲームをしている夢だった。

お決まりのアラームが鳴って、止めるために寝床から這い出す。

しばらく、その夢のことを考えた。

その後なぜか突然、頭の中にスピッツの『ホタル』が流れはじめたので、それを聴いた。

最近、この現象をとても不思議なものに感じていた。

なぜここ一年間、聴きもしなかった曲が脳内で再生されるのだろう。

それはさながら、ラジオでリクエストが流れるときのようだった。


僕はここのところ、毎日その現象に出くわしていた。

あるときはB'zの『ZERO』、またあるときはASIAN KUNG-FU GENERATIONの『君の街まで』、そしてBUMP OF CHICKENの『魔法の料理』。

僕の脳内ラジオパーソナリティは、好みがずいぶん邦楽ロックに寄っているのだった。いや、リクエストしてるリスナーが、か。

それもイントロからではなく、あるフレーズから通り雨のように急に降り始めるのだった。


僕は想像した。

たぶんこれは、眠っているときに一度リセットされ、まっさらになった僕の脳が、自分の一生をアニメの総集編みたいに追体験しているんじゃないか、と。

でも監督がいるわけじゃないので、どうでもいいことも詰め込まれて放送される。

だから昨日やった英単語より、昔の友人のことが気になってしまうのだった。

MD取っても、イヤホン取っても、なんでだ全然鳴り止まねえっ!なのだった。(神聖かまってちゃんもたまにリクエストされる)。

この『総集編ガチャ』は、大切な約束がカットされていることもしばしばあった。

理不尽きわまりない。

原作ファン(僕)も怒っていた。

しかし、解決策はあった。

それは形として残しておくことだった。

つまり、僕は書くしかないのだった。

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