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島で暮らして、働いて。将来へのまなざしが変化した3ヶ月でした。

今回のインタビューは、R5年7-9月の島体験生の岡田さん。
東京の大学4年生です。
西ノ島の就労継続支援事業B型「ございな」(以下、ございなさんと表記)で働いていました。

島での仕事と暮らしから何を得たのか、お話を伺いました。

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学・島体験に参加した皆さんの来島前・来島後、そしてこれからについてお届けする「私、島で働く。」
その卒業生版、番外編となる「卒業生は、今。」

来島のきっかけから島での仕事・暮らし、自分自身の変化。そしてこれからを思い描く未来とは。
1人1人のストーリーをお届けしています。

最終報告会にて

飛び込んだ島体験。やりたいことは決まっていました。

大学4年生ということもあって時間に余裕があって、その時間を使って何か新しいことにチャレンジしたいと思い島体験に参加しました。

私の大学卒業後の内定先は障がい者福祉に携わる企業なのですが、これまでそういった分野に関わったことがありませんでした。
自分が将来関わる業界に身を置いて働いてみたかったというのもあります。

島前3島から島を選ぶ際も、「障がい者福祉系の仕事をしたいんです」というのを財団の方にお伝えしたら「じゃあ西ノ島がいいかな」と言っていただいて。
それで西ノ島に決めました。

自分の経験を経て生まれた、福祉の世界への興味

元々東京で、不登校支援の活動をしていました。
中学生の不登校の子ども達のための居場所をつくるというものです。

それをきっかけに福祉に興味を持って、漠然と「将来は福祉関係の仕事に就きたいな」と考えるようになりました。

そして色々と仕事を調べている中で、直感的に障がい者福祉に携わりたいなと思うようになりました。

不登校支援を始めたきっかけ

私自身が高校生の大学受験期に、少し気持ちのバランスが崩れちゃって2週間くらい学校に行かなかった時があって。

その時に親や先生、友達がかなり心配してくれたんです。

そうやって手を差し伸べてくれる人の大切さを感じて、居場所を作ってもらえることの重要さに気付いたというか。

不登校の子ども達も居場所がないことが多いので、自分の経験を生かして何かできることはないかと考えて、不登校支援に携わるようになりました。

仕事を通して自分で得た気付き

島体験中の仕事内容としては、障がいのある方と一緒に、船のターミナルや役場などの公共施設や、国賀浜・赤尾展望所・由良比女神社などの観光地のお手洗いの清掃を行っていました。
また、岩ガキの採苗器を作ったり、アワビの貝殻を使ったアクセサリーを作成したりしました。

こちらが岩ガキの採苗器

あとは朝市でそのアワビの貝殻を使ったアクセサリーを販売したいという話をして、実現させていただきました。

販売箇所が限られていたので、イベントで出店してみてもいいんじゃないかなと考えて、何か力になれることが出来ればなと思ってやってみました。

最初の1ヶ月ほどは、「働く」ことそのものも、職場に馴染むのも大変でしたね。

社会人と同じように1日8時間働く経験が今までなかったので、
その生活リズムに慣れることにすごく苦労しました。

職場に馴染むことについては、ございなさんが島体験生を受け入れてくださるのが初めてということもあって、初めの頃はお互いにどうしていくのが良いのか分からない状態がありました。

でも2ヶ月目頃からは私自身も仕事に真摯に取り組もうとして、同時にございなさんもそれをしっかりと見てくださっていて。

おそらく「彼女はちゃんと仕事をしてくれるんだな」って思っていただいて、段々と「こういうこともやってみたら?」という様に声を掛けていただくことも増えました。

ちょっとでも頂いた仕事は1.5倍くらい頑張ろうと思って、一生懸命取組むよう心がけていましたね。

どういう仕事の流れでどんなルーティンで動いているのか観察して、
その中で自分にも出来るんじゃないかと思ったことに関しては、「やってみてもいいですか?」という風に聞いてみたりもしていました。

3ヶ月経った位から、ございなさんの一人というか、職員さんの中に馴染んで働くことが出来たので、自分にとって良い経験となりました。

そして働く中で、人に何かを伝える時、伝え方でコミュニケーションに違いが出てくるんだなと学びました。

例えばAさんという方が、なかなか仕事にきちんと取り組めない時に、どんな声掛けをするかでリアクションが変わってくるんです。

「もっとちゃんとやってください」「きちんと仕事してもらわないと困ります」という否定的な言い方より、「しっかり仕事に取り組んでもらえた方がAさんにとって良いことだし、私も嬉しいです」の様なポジティブな伝え方の方がすっと受け入れてもらえました。
伝え方でこんなにも差があるんだと実感しましたね。

居心地の良かったシェアメイトとの生活

生活面では、まずシェアハウスがすごく楽しかったです。
(※岡田さんはこちらの2人とシェアメイトでした!)

仕事から帰って3人で夜ご飯を食べるんですけど、
そこで今日あったことや楽しかったこととかをお互い話すんです。

その話に対して「それいいね」「そういうのはこうすればいいんじゃない?」みたいにリアクションをし合っていたんですが、その時間がすごく楽しかったですね。

生活全体では、シンプルに自然が多くて居心地が良かったです。
自然の中で気持ちのいい風を受けながら自転車を漕ぐのも好きでした。

休日は家で過ごすことも多かったんですけど、釣りをしたりお祭に参加したり、近所の方に食事に招いていただいたりもしましたね。
魚もさばけるようになりました。

西ノ島の名所・国賀浜で

将来への考えが変化した3ヶ月

島体験を経て変化したと思うことが2つあります。

まず1つ目は、実際に働いてみる前は障がい者福祉の分野に携わりたいと思う一方で、自分が本当に向いているのか分からず不安な面もあったんです。

ですが3ヶ月働いてみて、改めてこの分野で働いていきたいと思うようになりました。
今までの不安が将来の希望に変わりましたね。

2つ目は、東京じゃなくて地方や島で働いても楽しいんじゃないかなと考えるようになりました。ひとまず内定先は東京なんですけど。

東京って人が本当にたくさんいますよね。
人が多すぎて、得意なことや才能が埋もれやすいのかなと。
東京にはダンスが上手い人も、プログラミングが出来る人も、絵が得意な人もたくさんいるんですよね。

だから東京ではそういった特技を生かしきれないんじゃないかなって。

逆に地方や島では人・特に若い人が少ないから活躍できる幅が広がるのかなと思います。
例えばパソコンが出来るだけでも色々な仕事を任せてもらえたりするし。
そういう環境の方が楽しく生活できる気がしましたね。

働く場所を東京に固定しなくても全然いいのかなって。
将来的には人が少ない所・自分が活躍出来る場所で働くことが出来たらいいんじゃないかなって思うようになりました。

さいごに

興味があるなら参加してみることが大事なんじゃないかなと思います。
「変わりたい!」「成長したい!」という強い意志がなくても、「島での生活に興味あるな」という気軽な気持ちで参加しても、思わぬ自分の中の変化が感じられるんじゃないかと思います。

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