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新たな出会いのある離島での暮らし。半年を共に過ごした二人にインタビュー

それぞれ広島・東京の大学生である二人。
西ノ島でシェアメイトとして一緒に過ごした中で見えてきたものとは?

島根県の離島、隠岐島前地域で大人の島留学・島体験に参加した皆さんの来島前・来島後、そしてこれからについてお届けする「私、島で働く。」

来島のきっかけから島での仕事・暮らし、自分自身の変化など
1人1人のストーリーをお届けしています。

R5年度島体験7-9月生として西ノ島に来島。
シェアメイトかつ、島体験延長期間中も一緒に住み続けるほど仲のいい2人にお話を伺いました。

幸山さん
取材当時21歳 鹿児島県出身
R5年度島体験7-9月生
井出さん
取材当時22歳 群馬県出身
R5年度島体験7-9月生

ーよろしくお願いします。せっかく仲のいいお二人なので、お互いを紹介してもらいたいです!
幸山さん(以下、幸山):
井出さんです、群馬県出身で東京で大学生をしています。
今は休学中で来年以降どうするかはまだ未定です。
島体験中は西ノ島役場・教育課にいて学童や塾を担当していました。

井出さん(以下、井出):
幸山さんです、大学4年生で、鹿児島の離島である徳之島の出身です。
広島の大学に通っていて、休学せずに夏休み期間で島体験に参加し、島での滞在を延長しています。
島体験期間は観光協会に所属して、御朱印なども書いていました。

ーありがとうございます!まず島体験に参加した理由を教えてください。
幸山:

私は離島出身で、別の島にも住んでみたいという好奇心が大きな理由です。
あと同じ島出身の先輩が島留学を経て島に移住したんですけど、移住するくらい素敵な島ってどんな所なんだろうって気になって来ました。

ーちなみにその先輩ってどなたですか?
幸山:

清瀬りほさんです。姉の同級生で、親同士も仲良くて。こっちで一緒にご飯も食べました。

井出:
私は大学入学時から3年近く東京で一人暮らしをしてみて「ここにずっといるのはちょっと違うな」って思うようになって。

そんな中でいきなり東京で就活を始めるのに抵抗があって、東京でも地元でもない地域で一度住んで働いてから今後のことを考えようと思って島体験に辿り着きました。

ー島体験期間中のお仕事について聞かせてください。
幸山:
元々地元の徳之島の島おこしにも興味があって、西ノ島で「島の観光」を学べたらなという気持ちがあったのと、これまで教育学部だったので別の分野も知りたいと思って観光協会を選びました。
仕事内容としては観光客対応や電話・受付業務をしたり、御朱印を書いたりしていました。

仕事の中で日々新しい人と出会えるのが楽しかったですね。
あと島体験終了後にはバスガイドもやらせてもらったんですけど、観光協会にいたからこそできたことだと思いました。

井出:
私は「これがやりたい!」って初めから決めていた訳ではなくて、最初は人が生きていく上で大切な教育と福祉の分野に興味があって。
コーディネーターさんと相談する中で最終的に教育の方になりました。
学童と中学生向けの公営塾を担当して、それ以外の時間は公民館で同じ教育課所属の島留学生の手伝いなどもしていました。

今まで小中学生と関わる機会があまりなかったので、新鮮に感じることが多かったです。
子どもたちが頑張っている姿を見ていると「自分も頑張ろう」って思えました。

ー仕事以外で印象に残っていることは何ですか?
幸山:

色々あるんですけど、一番はシェアハウスの生活です。朝も夜も一緒にごはんを食べて日々の振り返りやおしゃべりをしたり。
私の島体験の一番の収穫はシェアメイトとの出会いだと思っています。

井出:
私もシェアハウスなんですけど(笑)…さすがにちろ(幸山さん)が言ってくれたので…
元々東京で一人暮らししてた時に「もう一人で暮らすのはいいかな、他の人と暮らしてみたいな」と思っていて、3人で暮らせて良かったなと思っていて。

特に覚えているのが、8月に3人で国賀海岸に星を見に行った時のことです。
西ノ島って夜空眺めていたらちょこちょこ流れ星は見えるじゃないですか。
でもその日はやけにいっぱい見えるなって。長い流れ星とかもあって。
「すごいねー」って言いながらずっと寝転がって見てたんですけど、実は流星群だったらしくて。
圧倒的な西ノ島を感じましたね。

ー青春ですね…!
幸山:

でも例えば学校で同じクラスだったら仲良くはなっていない3人だったと思います。

仲良しシェアメイト

井出:
確かにそうかもしれない、私は二人が何かを否定することなく一緒にいる感じで、キャパというか心が広いなあと思ってました。
あと、ちろは島体験期間に私たちの分もお弁当を作ってくれて。

幸山:
お母さんってこういう気分なんだなって思いました。
お弁当箱が空で返ってくるのが嬉しくて。あと二人がおだてるのが上手いんです(笑)
「ちろ、今日のお弁当本当に美味しかった!」とか言われたら頑張るじゃん!(笑)

ー島体験の3ヶ月終了後に、なぜ島の滞在を延長したのか教えてください。
幸山:

私はシェアハウスが大きいです。もちろん島が好きっていうのもあるけど、あすか(井出さん)が残らなかったら残っていなかったかも。
まだ一緒に住みたいな、みたいな。

井出:
私の方が先に残ろうかなっていうのは決めてましたね。
7月からの3ヶ月はお祭とかイベントが多いじゃないですか。

賑やかな西ノ島を体感したので、秋冬以降の穏やかな西ノ島でも過ごしたいなと思って残りました。
夏の間と今とではだいぶ生活が違いますね。

ー延長期間は何をしてますか?
幸山:

バスガイドをしたり、マッサージをしたりしてます。
ガイドするの楽しかったです!お客さんはおじいちゃんおばあちゃんが多いんですけど、孫みたいに接してくれて。
各地から来てくださるんですけど、人と会ったり話すのが好きなので向いてるなあと思いました。

雨の時とかは「はい皆さん!想像してください。青い海ですね~~!この旅は皆さんの想像力によって何倍も楽しくなります!」みたいに盛り上げられるよう頑張っていました。

井出:
私は主に午前中は国賀荘さんでアルバイトをして、午後は学童や公営塾のスタッフをしていました。

国賀荘でのお仕事がすごく楽しかったです。青い海と緑を見ながら真っ白なバスタオルを干すのが景色が良くて。一緒に働いている方たちも気さくで優しくて。

ー島体験に参加して変化したと思うのはどんな部分ですか?
幸山:

いっぱいあります!まず自炊をするようになったこと。
あとは心に余裕が生まれました。今までは予定を詰めていて、「家は寝るためだけの場所」みたいになっていて。
今は全然そんなことなくて、家にいることも多いです。

あと使う言葉が柔らかくなったと思います。
シェアハウスで振り返りや話をしっかりしていたので、ちゃんと思考するようになりました。アイデアを発散するというか。

最近もあすかと、一つテーマを決めて話すっていうのをやっているんです。
例えば「ルイボスティー」についてひたすら話すとか。

井出:
まずすごい元気になりました!東京にいる時は電車に乗って移動して、授業・サークル・バイトがあって…というのに忙殺されていて、元気をなくしていたんだなというのに、島で余裕のある暮らしをしてみて気付きました。

あとは素直に話せるようになりました。今までその日あったことを毎日話すようなことがなかったんですが、シェアメイトや周りの気さくな人達のおかげで自分が変わったなあと感じます。

朝市で「肩もみ」を実施!

ーこれからはどうする予定ですか?
幸山:

1月以降は国内をあちこちプラプラしようかなと思っています。
4月からは東京で社会人になります。
変化を恐れない、挑戦できる人であり続けたいですね。

井出:
復学して就活するか、休学を延長するかまだ迷っています。
ただ4月までは、私も国内で行ってみたい所がいくつかあるので、そこを周ろうかなって。
あと高野山の宿坊でリゾートバイトしてみようかとも考えています。

ー最後に島体験が気になっている人にメッセージをお願いします!
幸山:

気になっているなら来てみれば!って思います。
迷うくらいなら来てみて、もし合わなければ帰ればいいと思うし。
今いる場所から離れたりするのって大きな決断だけど、何とかなるんだなって自分も感じています。

井出:
例えば大学生だと、私も含め日々同世代の環境が似た人と接するのが多いと思うんですけど、島体験では子供から年上の方まで幅広い世代と関わるし、島体験の同期も各地から来ていたり違う価値観を持っている人がいます。

自分が今までいた場所では、同じ境遇の人が周りに多いから「もっとこうしなきゃ」みたいに思うことも多かったけど、島に来てそれが縛られた考えだったなって気付いて気持ちが軽くなりました。

そういう環境に3ヶ月くらい身を置くだけも大きいと思うので、良かったら来てみてほしいです!

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