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なにもない

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悩む私と少年のままの僕とで
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#哲学

夏のおわりに

夏のおわりに

24の夏が終ろうとしている。どの歳の時よりも寂しい季節であった。いつの時よりも猛暑だったにも関わらず、ぼくの意識は冷たい風の中にあった。これは、愛の持ち腐れだろう。
 少年の時にはないなにかがぼくのここの中に溢れ出している。誰かに捧げなければならないものなんだろうこれは。これから生きていく上での世界像はもう完成しているのだずっと前に。ただ漠然とこの地球上であそぶ主人公であったぼくはもういない。これ

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存在の不確かさ

存在の不確かさ

漠然とした退屈な未来がそこにいる。立ちすくみ不安な表情を浮かべている。
見えないはずだ。しかしそこにそれは確かにいる。目の前には見えていない。しかしそれはいる。脳の片隅に。
全ては経験がつくりあげた幻想であると信じたい。時が経つにつれ世界への失望感が増してゆく。
「文学的要素で傷つけろ。触れさせろ。様々なものごとを。」
何かに際して不幸だと感じる。そうしてそこから脱しようと様々な事を試みる。いつの

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言葉のあやふやさ

言葉のあやふやさ

「結局はなんとかなる。」
「苦労はするべきだ。」
「心配しすぎだよ。」
こういった様々な、第三者から受け取る励ましのような助言のような経験から形作られたような言葉がある。
そのように発言するようになった経緯は個々によって全く異なり、最終的な回答であるのか本人達もわからぬままにいとも簡単に言葉としては言えてしまう軽さがある。しかし内容はとても重い言葉ばかりだ。 
結局はなんとかならないことだってたく

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軸

何かを判断し、選択する。実行することで、経験値を獲得していく。そうして様々な反省がなされる。振り返り後悔することもあれば上手く風に乗り大きく前進していくこともある。それぞれの人生とは時間のみが同質である。どこかの国の誰かであっても今そこに存在している。この事実だけは変わらないと思う。夜に輝く星も太古の光であろうが見上げるその時にはそこにあると確認できる。生そして死の瞬間のそのときまでは我々は皆同時

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