僕が「磨き人」になるまで ⑤
父を許したときに、初めて見えたもの
息子に恨まれることを恐れながら
仮面夫婦を死ぬまで続けると決めてから
僕は、ますます仕事に没頭することで
見たくない現実から目をそらしていました。
そんな中、僕がトレーナーを務める
メンタルトレーニングで1つの壁にぶつかります。
それは、
参加者が父親との間に問題を抱えている時
トレーナーの自分の中にある
父親との未完了なわだかまりが反応して
冷静で適切なサポートができない
ということでした。
どうしても、自分自身の父親に対する怒りが
参加者に投影してしまって
参加者の感情なのか?自分の感情なのか?
参加者の問題なのか?自分の問題なのか?
混乱してしまう自分がいたのです。
僕はもっとトレーナーとしての
スキルを磨きたい一心で
20年振りに父に会って
様々な心の中のわだかまりを完了しようと決めました。
母が一人で住んでいる実家の隣町で
当時の愛人だった人と再婚し一緒に暮らしている父と
唯一、連絡を取っていた姉にお願いして
僕は妻と息子を連れて父に会いに行きました。
・死んでも絶対に墓参りも行かないと決めていた父
・絶対に一生許さないと決めていた父
顔も見たくないと思っていた父に
自分から会いに行くのは
なんとも不思議な気持ちでした。
父の顔を見たら、
どんな感情が込みあがってくるのだろう?
まだ無意識に押さえつけてる怒りが
湧き上がってきたらどうしよう?
いろんな不安と戸惑いを抱えながら
実家の近くのお寿司屋さんで
僕は20年ぶりに父と再会しました。
落ち着かない雰囲気で座っている父は
15歳の時に最後に見た父から
少し小さくなったような気がしました。
心のどこかで期待していた感動や涙もなく
心のどこかで心配していた怒りも湧かず
僕はいつもの自分のまま
父に語りかけました。
・15年間育ててくれて感謝していること
・そして、もう恨んでいないこと
素直に父に伝えた後、
息子を紹介して「孫だよ」と伝えました。
父は僕の息子を目を細めながら見つめて
「初めまして、おじいちゃんです」
と言いながら微笑みました。
父と別れて、帰り道を運転しながら
僕は、父の最後の微笑みを思い出しながら考えていました。
「この20年間、父はどんな気持ちだったんだろう?」
「僕は何のために父を恨み続けていたんだろう?」
そして、僕は気づきました。
僕は被害者でいたかったのです。
父を全ての悪者にして恨み続けることで
僕が受け止めたくないものを、
受け止めなくてよいように
僕が生まれる前からの事実や
こんな家族に生まれてきた悔しさを
そして
父と分かり合って、想いあって、
仲の良い親子になれなかった悲しみを
父と愛し合えなかった寂しさを
全て受け止めなくてよいように
父を恨み続けてきたんだと。。。
そして
もしかしたら、そんな僕からの恨みを
20年間、言い訳もせず受け止め続けて
ずっと恨まれ続けることで
父親としての役割を
果たそうとしてくれていたのかもしれない。
そう思った時
初めて涙が溢れてきました。
僕は父と仲良くしたかった
もっと父と一緒にいたかった
そして
もっと大好きな父の背中を見ていたかった。
そんな父に対する悲しい想いが
心に浮かび上がってこないように
僕は必死に父を恨み続けてきたのでした。
そして今、僕は父親になって
息子から恨まれることを恐れながら
妻と仮面夫婦を続けている。
それは自分のためであって
息子のためではない。
もし、
このまま僕の人生の終わりがやってきたとしたら
僕は息子に
「胸の張れる人生だった」と言えるだろうか?
「お前もお父さんのような生き方をしなさい」
と息子に言えるだろうか?
僕の心の中で
妻とは向き合わずに仮面夫婦を続けていく
という選択が少しずつ揺らぎ始めていました。
100%全て、胸の張れる生き方
20年振りに、父と再会してからの数年経っても
僕は、妻に離婚を言い出す勇気がないまま
ずるずると仮面夫婦を続けていました。
妻との関係性は既に冷めてしまっていましたが
僕も妻も、お互いに核心に触れるようなことは避けて
どことなく、当たり障りのない会話をしながら
毎日を過ごしていました。
そんなある日
僕はメンタルトレーニングの卒業生の1人から
魂のこもった訴えを受け止めることになります。
メンタルトレーニングの卒業生は
200人ほどいましたが
その中の数名は
トレーナーと参加者(卒業生)ではなく
個人的に友人として関わるようになった人もいました。
僕の誰にも言えない話を聞いてくれて
僕のことを想って注意やアドバイスを伝えてくれる人もいました。
もしかしたら、
僕にとって初めてできた
本当の友達かもしれません。
仕事の悩みも、人間関係の悩みも、
自分の生い立ちへの劣等感も、
自分が犯してきた罪や罪悪感も、
なぜかその人たちには何でも話せました。
そして、彼らはいつも全てを受け止めてくれました。
お互いのことを電話で話しているうちに
4日連続夜通しで朝まで話した人もいました。
そんなある日
僕は1人の友人から
「大切な話があります」
と言われ、会うことにしました。
その友人は、
他の友人には言えないような
僕の醜い部分も不思議と全て話せた人で
実は、妻と仮面夫婦になってしまっていることも
僕が息子に恨まれるのを恐れていることも
素直に正直に話せた唯一の人でした。
そして
そんな僕を、人としていつも受け止めてくれて
僕が、一生関わっていきたいと思えた
数少ない人の1人でした。
友人のいつもと違う雰囲気に、心が騒めきながら
僕は黙って聞いていました。
友人は涙を流しながら言いました。
「小名さんは本当に素敵な人だと思います。
こんなに参加者の人生を本気で想って
こんなに一生懸命生きている人は私は知らない。
でも、
小名さんは1つだけ後ろめたいことがあるでしょう?
奥様と向き合うことから逃げているでしょう?
息子さんに胸を張れないところがあるでしょう?
だからお願いです!
奥様とちゃんとしっかり向き合ってください!
そして、まだやり直せるかもしれない
もし、まだやり直せるなら家族3人で
幸せな家庭を築くことができるでしょう?
小名さんがずっと欲しがっていた
温かい家庭を築くことができるでしょう?
だからお願いです!
奥様とちゃんと向き合って、やり直してください!」
もの凄い気迫でした!
そして、
僕の人生をどれだけ想ってくれているのか?
その覚悟と想いの深さを感じながら
僕は逃げ続けている自分が
本当に恥ずかしくなりました。
その友人の覚悟と想いに背中を押されて
僕の覚悟が決まりました!
これだけ僕の人生を想ってくれている人がいるのに
これ以上、逃げ続けてごまかし続ける訳にはいかない!
妻ともう一度向き合って、
もし離婚することになってしまったら
息子を傷つけ、恨まれるかもしれないけど
もう一度、3人で寄り添える家族を目指そう!
せめて、友人の覚悟と想いには
恥じない自分でいたい!
10年近く、見て見ぬふりをしてきた
夫婦の間に出来てしまった溝の深さが
どれほど深いのか?分からないけど
100%全て、
胸の張れる生き方ができる自分になるために
僕は、
最初の1歩を踏み出す覚悟を決めたのでした。
僕が「磨き人」になるまで ⑥
『幸せにできなくて、ごめんね』へ つづく...
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