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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2023年4月の記事一覧

1年半の猶予。ー 対称的に「利上げ」を続ける「借金大国」アメリカ。

1年半の猶予。ー 対称的に「利上げ」を続ける「借金大国」アメリカ。

 「やっぱりな」

 というのが「損切丸」の正直な感想。植田新総裁については日銀理事時代から見てきたが、腹を決めて何かを断行するタイプには見えなかった。良くも悪しくも典型的 ”学者タイプ” であり、「~かもしれないし、~かもしれない」というのが常套文句。良く言えばバランスを取るタイプで、悪く言うと自分で何かを決めたりはしない。その点、前総裁とは対照的だ。

 燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切

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質の悪い相場。ー ”買っては投げ、売っては踏み...” の繰り返し。

質の悪い相場。ー ”買っては投げ、売っては踏み...” の繰り返し。

 「何じゃこりゃ...。」

 最近ビットコイン(BTC)の相場を見ていて正直な感想。2023年初来で見ると確かに+70%を上回る "大暴騰" なのだが、その過程で▼8%も急落した翌日、翌々日には+6%、+3%と急反発。ポジションを保有していない「損切丸」でさえ何か愚弄されている気分なのに、短期売買のトレーダーは ”買っては投げ、売っては踏み...。” の繰り返しになっている可能性が高い。

 長

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金利が上がる時。 ー 「インフレ」か、「危ない」のか、それとも「お金が足りない」のか。あるいはその全部?

金利が上がる時。 ー 「インフレ」か、「危ない」のか、それとも「お金が足りない」のか。あるいはその全部?

 「金利」の基本の話。|損切丸|note(2021.2.28)などを参考に読んで頂けると興味深いかもしれない。

 改めて「金利」の3大要素を書いておく:

 金利が上がる時 ー その要因は大きく3つ。

 この3要素は完全に分離されるべきものではなく、相互に密接に関わっている。例えば「シリコンバレー銀行」(SVB)の破綻の例なら、②「危ない」と噂の出た銀行の預金金利が上がり③「お金」が足らなく

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燻る「インフレ」の ”種火” 。

燻る「インフレ」の ”種火” 。

 往年の名作「タワーリング・インフェルノ」(The Towering Inferno、1974年)を久々に見た。忘れもしない、筆者が生まれて初めて「お金」を払って映画館に見に行った作品だ。当時は超高層ビルで火災が起きるなどという想定自体が無く、かなり話題になった。翌年「ジョーズ」が大ヒットした時も海水浴客が減ったと言うが、高層ビルに昇るのも怖くなったものだ。

 どうにも消せない「火」を消すために

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どうする?FRB。ー 戸惑うマーケットは動きを止めてしまうのか。

どうする?FRB。ー 戸惑うマーケットは動きを止めてしまうのか。

 NFPや時間当り賃金(年率)が前月より落ちたとは言え、労働参加率も上昇しているし、全体としては指標発表前に懸念されていたような悲観的な内容ではない。少なくとも過剰に織込んでいた急速な「利下げ」はとても是認できない。5/3FOMCでの+0.25%「利上げ」見通しは復活し、米国債は2年以内の短期金利を中心に大きく押し戻された。

  ”リストラの嵐” が吹き荒れる中、2週間で▼10兆円以上も商業融資

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始まった"壮絶" な「サバイバルゲーム」 ー 「資産防衛」3つのポイント。

始まった"壮絶" な「サバイバルゲーム」 ー 「資産防衛」3つのポイント。

 "壮絶" な「サバイバルゲーム」に備えて ー 論点整理。|損切丸|note を書いたのが2021.6.22。今読み返すと感慨深い。

 当時10年米国債金利が@0.60%台から@1.5%近辺に上がっただけで大騒ぎしていたのだから、「インフレ」に対して大甘だったことに改めて気が付く。今やFRBの政策金利は@5%に達しようとしている。シリコンバレー銀行(SVB)はこんな感覚で安易に米国債投資に乗り出

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「ディープリセッション」か「スタグフレーション」か。

「ディープリセッション」か「スタグフレーション」か。

 50を割ると "不況入り" と判断される米ISM指数。2020年初の「コロナ危機」を除けばリーマンショック直後の2009年以来となる低水準だ。米国債市場が「利下げ」期待に走るのもわからなくはない。特に今回は焦点となっている「雇用」の部分の減速が明らかになっている。

 一時5/3FOMCでの+0.25%「利上げ」を織込みに行ったマーケットだが、PCE指数の低下(2月年率+4.6%)と合わせ当面様

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