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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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2021年11月の記事一覧

"円高" が "円安" を引き起こす。- 「ドルの歴史」から学ぶ教訓。

"円高" が "円安" を引き起こす。- 「ドルの歴史」から学ぶ教訓。

"Stronger Yen would cause Weaker Yen"("円高"が "円安" を引き起こす)

 確か2004年頃だったと記憶しているが、ロンドン本店に世界各地の金利責任者を集めて「オフサイトミーティング」が開かれた。 ↑ はその時の「日本」に関するプレゼンで「損切丸」が発した言葉。

 折しも「小泉劇場」(小泉純一郎首相、2001.4~2006.9)真っ只中。邦銀の不良債権問

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"上" が詰まっている相場。ー 上がりきらない「金利」と「株価」。

"上" が詰まっている相場。ー 上がりきらない「金利」と「株価」。

 どうも米国債の「金利」が上がりきらない。

 技術的には「利上げ局面」の「金利市場」 ー 「キャリー収益」と「MTM」(時価評価)のせめぎ合い。↓ (11/5)が大きい。

 金利や国債トレーダーは専門用語として「イールドが下ってくる」「ロールダウン効果」という言い方をするが、現在の「利上げ局面」のような "順イールド" (期間の長い金利>短い金利)の状態だと、日が経つ毎に国債や金利スワップの「

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「円安」はもはや日本経済も ”日経平均" も押し上げはしない。 ー 【超低金利政策】は本当に必要なのか。

「円安」はもはや日本経済も ”日経平均" も押し上げはしない。 ー 【超低金利政策】は本当に必要なのか。

 ドル円は@115円の一歩手前まで買われ、2017年3月以来、4年8か月ぶりの「円安」ということになる。年初(@103.44)からは▼11%も減価。

 政府・日銀にとって誤算だったのは、「円安」が「好景気」「株高」に結び付いていないことだ。この国は既に「輸出立国」でないことは、10数年前から認識されているが、それを証明する指標が出た ↓ 。

 (11/17 財務省)貿易統計速報:10月貿易収支

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「テーパリング」も「利上げ」も「金融緩和」になり得る? ー(参照) FOMC Statements @03 Nov 2021.

「テーパリング」も「利上げ」も「金融緩和」になり得る? ー(参照) FOMC Statements @03 Nov 2021.

 「コロナ・パンデミック後の大規模量的緩和からの反転」

 ひょっとすると2021年11月3日は近代経済史に残る日付になるかもしれない。FRBによる「テーパリング」がついに始まる。

 昨日(11/3)のFOMC声明文(原文抜粋)と概要:

"... the Committee decided to begin reducing the monthly pace of its net asset

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「自国通貨建だから財政破綻はしない」は本当か? Ⅱ  - 「給付金」は究極の「インフレ政策」→ 「破綻」するのは「国」ではなく「国民」。

「自国通貨建だから財政破綻はしない」は本当か? Ⅱ - 「給付金」は究極の「インフレ政策」→ 「破綻」するのは「国」ではなく「国民」。

 衆議院選挙がやや ”意外” な与党勝利に終わって、早くも公約としての「給付金」が浮上している。来年の参院選も見据えれば自然な流れだ。

 「財務省が "財政破綻" などと言っているが "嘘" 。自国通貨建で国債や貨幣を発行しても国は破綻しない。速やかに1人10万円ずつ給付すべき」

 こういう言説をネットで目にするようになったが、おそらくMMT(Modern Monetary Theory、現代

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「正常化」への長い長い道のり。

「正常化」への長い長い道のり。

 「うわっ、スワップが▼1,500億円もショート(=資金不足 )だ!」

  少々専門的な話で恐縮だが「損切丸」が投資銀行の「円資金繰り」を担当していた時、このスワップ(金利交換のデリバティブ)の資金繰りが急変するのが大変だった。トレーダーは市場の動きに合わせて「より儲かる方」にポジションを傾けるので、当日朝になって資金繰りが突然変わる。*事前にお伺いを立てる日本の銀行と違い「儲け」しか頭にない外

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