「終わりの時」『深読み LIFE OF PI（ライフ・オブ・パイ）& 読みたいことを、書けばいい。』
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2019年9月19日
スナックふかよみ
ねえねえジョー…
《亜麻布を着た男》はポーズをとったあと、どうしたの？
《亜麻布を着た男》は、永遠に生きる自分自身に対して誓いを立て、こう呟きました…
「それは、ひと時と、ふた時と、そして半時までに。聖なる人が力尽きる時までに、すべては完遂されるでしょう」
ひと時と、ふた時、そして半時までに？
どういう意味でしょう？
「３時半までに」ということです…
イエスが絶命したのは３時頃ですから…
つまり…
「イエスが十字架上で息をひきとる時までに、預言は全て成就する」
という意味ですね…
ああっ！
どうしたの？
さっき見たビリー・アイリッシュの『bad guy』よ！
映ってた時計が、確か「３時半までに」だったわ！
ホントだ… ３時２９分…
絵画や小説、映画やミュージックビデオなど、アートの中に出てくる《時計の時刻》には、ほとんどと言っていいほど意味が隠されています…
特に多いのが、聖書関連…
もし時刻が《３時頃》なら、十中八九《十字架でのイエスの死》を表しています…
代表的なのが…
TOM WAITS（トム・ウェイツ）のデビュー作『CLOSING TIME（クロージング・タイム』…
そのアルバムジャケットに映る時計の時刻は、３時２２分…
・・・・・
教官の大好きなトム・ウェイツ…
ここは、ゆずれないですね…
しかもトム・ウェイツは、ただの３時２２分ではなく、同じ日の午前と午後の３時２２分を同時に表現していた…
午前３時２２分とは、イエスがオリーブ山のゲッセマネで祈っていた時刻…
そして午後３時２２分とは、イエスが十字架で絶命した時刻…
ちなみにこの時、太陽は黒雲に覆われ、夜みたいになったと聖書には記されている…
だからトム・ウェイツは、暗い中で、あのポーズをしていたんだ…
あれは、イエスに最も愛された弟子ヨハネの居眠りポーズであり…
イエスから「あなたは今パラダイスにいます」と祝福された罪人ディスマスのポーズ…
熱いわね（笑）
ちなみにトム・ウェイツのこのアイデアは、彼が敬愛する歌手フランク・シナトラの代表曲『One for my baby（and one more for the road）』にインスパイアされたもの…
あの歌で語られる物語は《午前３時頃》の話だと皆が思い込んでいるが、シナトラは一言も《午前》だとは言っていない…
ただ《３時頃》だと歌っているんだ…
なぜなら…
《closeするbar》とは《crossする長い棒》、つまり《十字架》のことだから…
このダジャレと《午前と午後の３時頃》というトリックを基にして、トム・ウェイツは『CLOSING TIME』というアルバムを作った…
『CLOSING TIME』とは『CROSSING TIME』…
《終わりの時》であり《十字架の時》…
だからアルバムに収録された各曲にも…
はいはい、そこまで。
トム・ウェイツの話は、またにして頂戴な。
『ライフ・オブ・パイ』には関係ないでしょ？
あ、ごめん…
いいんですよ…
ちなみに…
円周率 π（パイ）は３．１４…
ここにも《３時半までに》という意味が…
げえっ！関数！？
π（パイ）は関数ではありませんよ…
メンゴメンゴ…
アタシったら、つい勢いで適当なこと言っちゃった…
《関数》という言葉が出たついでに言っておきますと…
《関数》は元々《函数》と書いたそうです…
かつて中国では「 y＝f（ｘ）」を表記する際、変数に《天・地》の文字を用いて「天 = 函（地）」と表記していたから…
「天 = 函（地）」って…
「天の神＝契約の箱（地上）」みたい…
だから映画『ARRIVAL（メッセージ）』の宇宙船は、函館の上空に現れたんだよ...
函館は《契約の箱のある館》という意味にもとれるから…
ふふふ。
ついでに言っておくと…
関数「 y＝f（ｘ）」のＹは、Yahweh（ヤハウェ）と Yehoshuʿa（ヨシュア／イエス）のＹ…
そしてⅩは、十字架のⅩ…
ええっ！？まさか！？
冗談よ、冗談（笑）
なんだァ。びっくりした…
さて、話を戻します…
芸術作品の中では《３時頃》の他にも、《11時11分》という時刻も、よく使われます…
映画『JOKER（ジョーカー）』の中で映る時計の時刻は、なぜかいつも《11時11分》でした…
ホントだ。なんで？
これはヘブライ聖書（旧約）『エレミヤ書』の第11章 第11節を意味しています…
「これから起こる災いは、もはや誰にも止められない」というメッセージ…
Jeremiah 11:11
それゆえ主はこう言われる、見よ、わたしは災を彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない。
こわっ…
《11時11分》だけではありません…
映画『JOKER』の物語は、『エレミヤ書』そのものになっています…
だからこの映画の脚本を書いたトッド・フィリップス監督は、ジョーカー役にホアキン・フェニックスを起用したのですね…
なぜですか？
『エレミヤ書』は、ヨアキム王の時代の預言書…
そしてホアキン・フェニックスの《ホアキン》とは…
ヨアキムのスペイン語形…
マジですか！？
ヨアキム王は、バビロニアの王ネブカドネザルによってバビロンに連行され、牢に入れられます…
つまり『ダニエル書』と同じくバビロン捕囚の頃の話ですね…
そして最後にヨアキム王は牢から出され、多くの人々に崇拝されるのです…
ホアキン・フェニックスが演じたジョーカーのように…
これはヤバ過ぎる…
だけどジョー…
もう『ジョーカー』を観たの？
今日は9月19日…
『ジョーカー』の公開日は10月4日でしょ？
あ… あの… その…
たまたま試写会に当たって…
マジで？ いいなあ。
・・・・・
そういえばさ…
時計といえば…
『ライフ・オブ・パイ』でも、一度だけ、時計が映し出されたわよね…
パイたち家族が寝ていた船室に置かれていた時計…
１時１８分？
映画『ライフ・オブ・パイ』で、唯一、提示される時刻ですね…
パイは地響きのような奇妙な音を聞いて目を覚まします…
その奇妙な音とは、船が沈没する原因となった事故の音…
その時の時刻が《１時１８分》なのです…
この意味、皆さん、わかりますか？
なんのことだろう？
また聖書の《章と節》に対応してるんでしょ？
もしや、ダニエル書？
その通り…
この《１時１８分》は、『ダニエル書』の《１：１８》を指しています…
ちなみに第１章といえば…
故郷を去ることになったダニエルたち４人が、遠く離れたバビロンで肉を食べさせられそうになり、「肉は口にしない！食べるのは野菜だけ！」と宣言する内容でしたが…
『肉と酒を拒むダニエル』
船の食堂で再現されたやつね。
『ダニエル書』の第１章は、貨物船内で再現されました…
第16節までが、フランス人コックとのやりとりですね…
1:16 それで家令は彼らの食物と、彼らの飲むべき酒とを除いて、彼らに野菜を与えた。
コックは「じゃあ、これでいいだろう」とパセリを与えます…
そして次のシーンは…
落ち込むパイたち４人のところに、ハッピーブッディストを自称する台湾人の水夫が来て、「肉汁は肉じゃない。ソースだ」と語る場面…
ここは第17節…
この四人の者に、神は、知恵と理解力を与えた。しかし、夢やビジョンを理解できたのはダニエルだけだった。
つまり、水夫のジョーク「Gravy is not meat. It's taste.（肉汁は肉じゃない。味だ）」の意味を理解できたのは、パイのみということ…
他の三人は理解できなかったのです…
へ？ ジョーク？
《taste》は《testa》のアナグラムになっているんです…
testament（聖書）の《testa》ですね…
だからパイにしか分からなかったわけです…
あ、そっか！
ちなみにソースでも駄洒落になっています…
《sauce（肉汁）》と《source（出典・元ネタ）》の駄洒落に…
うまい。ソースだけに。
そして、パイの家族４人が眠る部屋に置かれていた時計の時刻《１時１８分》が示す…
第１章、第１８節…
Daniel 1:18
At the end of the time set by the king to bring them into his service, the chief official presented them to Nebuchadnezzar.
王が定めた《彼ら４人を召し入れる》という期限の《終わりの時》に、監督者は彼らをネブカドネザルに差し出した。
《終わりの時》とは、貨物船ツィムツーム号の終わりの時…
《王》とは偉大なる主、つまり神のこと…
４人が差し出されたネブカドネザルは？
救命ボートですね…
乗客の安全を守る責任者 水夫は、パイの家族４人を乗せようとしましたから…
そして、ここから人間が動物に喩えられ、その動物の名前で呼ばれます…
これも『ダニエル書』の再現…
召し抱えられた４人は、新しく付けられたバビロニア風の名前で呼ばれることになるのです…
やだ。うまく出来てるじゃん…
水の上の人とか、亜麻布の服を着た男とか、３時半までにとか、終わりの時とか…
いろいろ怖すぎです…
そうよね…
ちょっと、心がほっこりするような歌でも聴きましょ…
何がいいかな…
《終わりの時》だけに、SEKAI NO OWARI がいいんじゃない？
アタシ、『RAIN』が大好きなのよね！
ああ…
癒されるわ～
いいですよね、セカオワ。
この曲の歌詞、超笑えるんだけど（笑）
は？ 何で？
《傘》とか、まじウケる（笑）
傘が？
うふふ。
それじゃあ、ここは名探偵さんに説明してもらおうかしら？
ねえ？欲求不満の深読み名探偵さん（笑）
お気遣い頂き、ありがとうございます…
それでは単刀直入に行きましょう。
『RAIN』の歌詞におけるキーワード《傘》は、ダジャレになっている。
《４人》と《神の家》と《米》との…
はあ？
４人はわかります。
《傘》という字の中には《４つの人》が入ってますから…
これは分かりやすいよね。
セカオワは４人組、そして『メアリと魔女の花』のラストも、猫２匹を含む４人組。
じゃあ《神の家》ってのは？
こちらは《casa》とのダジャレ。
スペイン語やイタリア語で《家》とのという意味だね。
『メアリと魔女の花』の中で描かれる家は、教会をモチーフにしたものが多い。
メアリが導かれる不思議な家に至っては、屋根の上に《ほぼ十字架》が立っていた…
ホントだ…
風見鶏に偽装されてるけど、あれは十字架…
そもそもこの小さな家にあんな巨大な風見鶏はどう考えても不自然です…
あの家って、不思議な鏡があった家よね…
あたし、あの鏡のシーンが好き。
物語自体も聖書を題材にしたものだからね。だからメアリはビジョンを見たんだ。
ちなみに《傘》という字には、逆さになった十字架も入っている。
《逆さ十字》とといえば、カトリック教会初代教皇シモン・ペトロのシンボル…
うわっ！これは気がつかなかったです！
なかなかやるじゃん Fukase…
それじゃあ最後の《米》ってのは？
なんで傘が米なの？
僕たち日本人は、umbrella を《傘》と書く。
だけどこれは漢字を使う人口の中では少数派…
漢字人口の大多数を占める中国では、簡体字でこう書くんだ…
げえっ！ほぼ米！
これホントに合ってるの？
もちろん。これ見て。
確かにそう書いてある…
そして『メアリと魔女の花』の監督といえば？
米林宏昌…
なんですかコレ…
だけど、まだ終わりじゃない…
もうひとり、この歌にとって大事な《米》がいる…
え？ もうひとり大事な《米》が？
だ、誰なの？ 教えてよ岡江クン！
決まってるじゃないか…
世界の米津玄師だよ。
よ、米津玄師？
セカオワの『RAIN』と、いったい何の関係が？
米津君がメジャーデビューする前のこと…
まだ ハチ（HACHI）を名乗ってニコニコ動画で活動していた頃…
彼は、ある楽曲を発表した…
ある楽曲？
その楽曲のタイトルは…
『WORLD'S END UMBRELLA』
《世界の終わりの傘》と名付けられた歌だ…
世界の終わりの傘…
何なのコレ…
そういえば米津玄師って《傘》が好きよね…
メジャーデビュー曲『サンタマリア』でも傘を差していたし…
『アイネクライネ』でも！
《傘》は《米》であり《神の家》だからね。
米津君の中で《傘》は重要な存在なんだ…
じゃあ『RAIN』を書いたセカオワのFukase君は、米津玄師が大好きってこと？
だろうね。
というか、クリエイターで米津君のことが嫌いな人なんて、いないんじゃないかな？
ちなみに『WORLD'S END UMBRELLA』の中でも、米津君は面白い仕掛けをいろいろ施していて…
はいはい。そこまで。
今は『ライフ・オブ・パイ』と『ダニエル書』の話でしょ（笑）
あ、そうでした…
つい…
米津玄師の話は、また別の機会にして頂戴。
そっちで思う存分ね（笑）
・・・・・
それじゃあ、話を戻しましょうか。
いよいよ『ダニエル書』第12章《終わりの時》の、終わりの時ね…
よろしく、ジョー…
はい。
つづく
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