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自分を生かすもの

今回は臨床に役立つヒント的な事です。若手セラピストには良い刺激になり、ベテラン層には勇気をもって自らを変えるきっかけになれたら幸いです。

もくじ
1.臨床疑問とであう
2.多忙の時こそ
3.一人のために

1.臨床疑問とであう

セラピストなら一人の患者さんのために自分は何が出来るのだろう。そう一度は考えた事があると思います。
その結果、勉強会に通ったり、自己研鑽をしていきます。
日々の臨床では、次から次へと色んな疑問が生まれます。
どうして・・・なんだろう?
つまりこれが臨床疑問です。
この臨床疑問があるから自らの知的好奇心が触発され、勉強への意欲が沸くと考えられます。
若手のうちはこの臨床疑問が豊富で、解決のスピードも慣れてきてしまうと驚くほど対処が早い人がいるので見ていて本当に尊敬します。
自分ももっと挑戦しなくちゃ!とエネルギーを貰います。


2.多忙の時こそ

仕事には悩みもつきものです。仕事上の悩みのみならず、プライベートな問題がかなり仕事に影響する場合もあります。
誰に伝えることなく、自分自身と向き合い、誠実に仕事をしているセラピスト。本当に心が強いと思いますし尊敬します。
日々の臨床が忙しく、各種の問題を抱えていると、せっかくの臨床疑問もどことなく姿を消してしまいます。
何か考え事をしていると、その考え事に気を取られ、全てのことが手につかなくなります。
これは実体験的にもそう感じる人が多いのではないかと思います。
恋愛している頃なんて正にそうではないでしょうか。
恋愛に限らず、人生には本当に様々な課題が訪れます。
しかも次から次へと人生の課題が訪れます。
時と場所を選びません。
そうすると、あー忙しい!となってしまい、臨床疑問どころではなくなってしまいます。

日々の人生の課題や問題に忙殺されるより、もう少し有意義な時間を過ごしたいもの。

そんなとき、あえて多忙なときにこそ、臨床で生じる様々な事に対する臨床の疑問について、1日1時間でいいから毎日時間を忘れて取り組める環境を整えたいものです。

これが人生の課題や問題から自身を開放し、仕事への意欲を取り戻せるカギになるかもしれません。
ベテランさんですと、長年の経験で問題なく臨床を行うことができると思いますが、ベテランさんにはベテランさんの視点があって、どうしても若手は追いつけません。

ベテランさんも勇気を出して若手職員と研究のスタートを切れるといいのになあって思います。


3.一人のために

私達セラピストは、患者さんのために・・・という言葉をよく使います。
なぜならあえて言うまでもなくそれが仕事だからです。
しかし、仕事をしていくと、患者さんではない他の誰かから、ありがたいことに慕われたり認められたり相談を受けたり、頼りにされることがあります。
このことは、人生においてはとても重要なことであると認識したいものです。
なぜなら、一人のセラピストとしては、患者さんを介して患者さんから認められたり慕われたりするのは、言い換えれば当たり前のことであり、これがなければ仕事として成り立ちません。


本来の業務ではない場面で自身のことを社交辞令でも、一人でも、どんなことでも相談してくれたり、慕ってくれている人がいる限り、自身の臨床疑問から目を背けるべきではないと思います。

安西裕一郎著 問題解決の心理学 人間時代への発想 中公新書2015

この本によれば
問題を解こうとする中で、自分をその問題の一部として表現できるという能力が、特に自分を含む社会的な問題の解決においては大切になるからである
と示しています。

人生における問題、臨床での疑問、様々な問題を解決していこうとする中で、自分自身をどう見ていくかが重要であることが分かります。つまりメタ認知をいかに働かせていくかということでしょう。
過去にも私のこのnote でメタ認知は取り扱ってきました。分かっているようでなかなか分かっていないのが、実は患者さんのことではなく、自分自身のことなんですね。
また、本書ではこのようにも示されています。

難しい問題に直面したとき、私たちは周りの人々の知恵を借り、あるいは勇気づけられる。逆に自分も他の人に対してそういうことをする。その意味では、むしろ問題はひとりでは解けないと言い切ることさえできるかも知れない

新人の皆さん、ベテランの皆さん、変なプライドはもう捨てましょう。
臨床の問題も、人生の様々な問題も、ひとりで解決する必要はないのです。
誰かの力を借りましょう。そして誰かに力を貸しましょう!

それが「自分を生かす」元気の源になるのではないでしょうか?
私は、このnote が一人でも楽しみにしている人がいる限り、自分の問題に気づき、周囲に問題提起し、情報の発信を続けていこうと思っています。

それが 自分を生かすもの だからです。


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